ワキガと多汗症の形成外科手術について
○腋臭症(わきが)
わきの皮膚には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺という二種類の汗腺があります。エクリン汗腺は全身にありますが、アポクリン汗腺はワキの下、乳輪、 陰部、 外耳道、臍などにしかありません。エクリン汗の成分は、99%が水分ですが、アポクリン汗には、タンパク質、アンモニア、鉄分、脂質、脂肪酸など、臭いの 元となる物質が含まれています。このアポクリン汗が、皮膚の細菌などによって分解されると臭いを発するもととなります。これが「わきが」なのです。
アポクリン汗腺やエクリン汗腺は、皮膚の浅いところから深いところにかけてありますので,2種類の汗腺をとる手術を行う以外に方法はありません。
○多汗症
汗をどれぐらいの量をかくから多汗症と定義はなく、自覚的な症状からの病名となります。また、太った人や緊張しやすい人、甲状腺機能の亢進している 人など にも多汗症は見られます。多汗症はワキの下だけではなく、手足、顔といった場所にも起こります。その症状は、ワキの下から汗が流れる、ワキの下の黄ばみ、 ブラウスにできる汗じみといったものが挙げられますが、その中でも特にワキの下は、身体と腕が閉じた状態が多く汗をかきやすい部位です。多汗症の人がすべ て臭いが強いということではありません。
多汗症のみで手術を希望されない場合にはボツリヌストキシン注射をお勧め!
ボツリヌストキシン注射で汗だけをとめることができます。処置時間は、約10分で生活に制限が加わることはありません。効果の持続期間は、約半年程度。非常に手軽なので、とても人気のある治療法です。副作用の報告もいまのところ認められません。
形成外科手術のポイント
STEP1:診察と診断:診察で家族歴、腋毛の範囲、汗腺の状態などを診断します。
STEP2:血圧測定と血液検査:手 術の前には、赤血球や白血球などの貧血、肝・腎機能、肝炎(B型とC型)、梅毒、血液の固まる時間に異常が ないかなどの検査をします。この検査は、患者様の全身状態に問題がないかのチェックすることが目的です。
STEP3:形成外科手術:形成外科のテクニックを使用して切開剪除法を行い、丁寧に縫合を行います。
□切開剪除法
皮膚に切開を加えて皮膚の浅いところから深いところにかけてあるアポクリン汗腺やエクリン汗腺を直視下で取り去る手術です。
- 術後7日間の治療が最も大切になります。
- 術後の合併症をさけるために、しっかりと創部圧迫を行います。
- 抜糸をするまで、軽い事務仕事や家事は可能です。
- 手術翌日から入浴は可能ですが、腋の部分は濡らさないで下さい。
- 7日目に抜糸を行います。
- 14日後からキズアトを良くするローションを塗布します。
- 男性の方は、わき毛が減ってしまうので注意が必要です。
- 体質等により、傷痕が赤く盛り上がったりした場合には、別途治療を行います。
- スポーツは2~3週間後より可能です。
STEP4:ドレーン抜去:きずに血液や浸出液が貯まらないように入れておいたドレーンチューブを取り除きます。
STEP5:抜糸・テーピング:手術後5日目に、皮膚を縫っている糸を取り除き、スキントーンテープで覆います。このテープは、皮膚にかかる張力を緩め、紫外線からキズアトを守る効果があります。
STEP6:内服薬でのフォローアップ:トラニラスト、柴苓湯内服治療を行い、できる限りキズアトを綺麗にします。
□気になる術後のキズアトについて
当クリニックで手術を行われた方は、1年ぐらいでキズアトがほとんど目立たず、気にならない程度になります。ただし、ケロイド体質によりまれにキズ アトが目立つ場合もあります。このような方には、内服薬・外用薬などを用いてしっかりと治療を行ってゆきます。また、周囲に残った腋毛をレーザー脱毛を行 うと、きずあとも更に目立たなくなるでしょう。
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