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『水戸黄門』終了に関して(『水戸黄門』公式HPファンメッセージ)3

2011-10-17 08:18:00 | 21世紀~未来
題名:最終回スペシャルと後番組の希望
ハンドルネーム:壱視聴者
メッセージ:最終回の収録はもう行われているでしょうか。希望としては最後は光圀が「日本中がわしの世直し旅などに頼らずにすむ世の中になってほしい」「悪人を印籠で一時的に押さえつけても本当の世直しにはならん」というメッセージを残してほしいですね(パナソニックの縁で綾瀬はるかさんに出てほしいですが)。
女優さんのお風呂シーンなんかない方がいいです。そんなものに期待するのは一部の低レベルマスコミ親父です。
10日の「亀山」ではいつもながら印籠の前に殺陣がなかった点が評価できます。「風呂なし・殺陣なし」のよさを理解できる視聴者が今ではまだ少ないのでしょうが今の路線は今後の新しい時代劇の為に必要です。
TBSでは今は水戸黄門は過去の物で次の番組をどうするかが課題でしょうが、やはり「あんどーなつ」や「浅草~旅館」のように和風の文化を入れた現代ドラマか各地の名産を紹介する旅刑事物などがいいでしょう。松下電器は若い人に愛情サイズやビエラ、DIGAを買ってもらわないといけないので高齢者の方々には残念ながら別の時間枠の番組を見て頂くとして、今後は月曜夜8時の視聴者の平均年齢を下げるチャンスです。「お年寄りが観る時間」というイメージを払拭する必要があります。
それから存続を求める署名運動は無視した方がいいです。局で終わると決めたらきっちり終わるのがいいでしょう。
またネットでは10年たっても里見浩太朗さんが助さんのイメージで光圀役が合わないという意見が多く、私としては去年の由美かおるさんの卒業と雛形さんの起用は若返りとして当然であっても、去年の助さん・格さんの交代は先代より年上になっており無駄どころか番組の自殺行為に見えました。原田龍二さんと合田雅吏さんのファンが去年のお二人の降板に失望して離れて行った例が結構あるようで「5代目黄門と5代目助・格で終わってほしかった」という意見もあります。その結果がシリーズ終了。このメッセージには来ないでしょうがミスキャストだという意見が多いようです。
今後これ以上無駄なテコ入れをしても視聴者を裏切るだけですから、もうTBSでは水戸黄門はやらない方がいいでしょう。それにやはり元禄時代の徳川の権威を正義にした他力本願のドラマでは41部最終回にあるように鎖国と身分制度の御政道が正義となってしまい、42年前の時点で時代錯誤。今後復活するにしても20年後か40年後くらいがいいでしょう。

(前の投稿で題名とハンドルNを逆にしてしまいました)


題名:脚本で勝負してください
ハンドルネーム:壱視聴者
メッセージ:最終回まで由美かおるさんのお風呂シーンは無しにしてください。他の女優さんのお風呂シーンも不要です。
あんなものがあると、それだけが番組の売りだったと思われてしまい、番組の質を下げてしまいます。
逸見稔さんもいないことですし、本来の健全な水戸黄門に戻って有終の美を飾ってほしいと思います。
由美かおるさんがレギュラー入りする7年前に視聴率が最高を記録し、視聴率が1桁になって2年後に由美かおるさんが降りたということを忘れてはいけません。


今後、水戸黄門は三平さんの落語で
ハンドルネーム:壱視聴者 
メッセージ:2代目林家三平さんに水戸黄門を講談にして寄席でやってほしいですね。もともと講談だったのですから。大岡越前の三方一両損に似た話を落語で聴いた覚えがあります。
2011年10月17日 8時50分41秒
www.tbs.co.jp/mito/mito43/message2/read_006.html


藩公はいない・・・
最終シリーズ(撤回されて、また新作が放送されることを祈っています)で、地元が登場する!
とても嬉しくて10月17日の放送を見ました。
現在の松阪は、大阪と同じように維新までは「坂」の字を使い、でも読みは「まつさか」と濁らない。
よく勘違いされやすい点をしっかり間違いなく表記・セリフで現してあるし、名産の松坂もめんも美しく登場するなど、さすが!と思ったのですが・・・。
黄門様の最後の決めゼリフ「追って藩公より沙汰を・・・」がもったいなかったです。
松坂藩は、江戸初期までは藩として独立していましたが、江戸幕府開府から10年くらいで廃藩となり、水戸家と同じく御三家である紀州藩が支配していましたので、黄門様が「ご隠居」となった頃には藩公は存在しなかったのです。
(もしかして、大紀州藩の殿様が沙汰するということかもしれませんが)
そうはいっても、ドラマの内容はとてもいい人情ものでした。
これからも楽しみにしています。
できれば、今後も続けてください。
松阪出身者様 2011年10月18日 14時0分21
www.tbs.co.jp/mito/mito43/message2/read_002.html

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ファンメッセージ(投稿順)

『水戸黄門』視聴率一桁→キャスト若返りは雛形あきこ一人だけ

2011-10-16 18:50:00 | 21世紀~未来
視聴率一桁
『水戸黄門』の視聴率が初めて一桁まで落ちたのは2008年秋に始まった第39部だったようだ。
「水戸黄門 39部 1ケタ」の検索結果 - Yahoo!検索

第39部で光圀のお供を演じていたのは原田龍二、合田雅吏、由美かおる、内藤剛志(~たかし)、松井天斗(おけらの新助役)、そして第39部で一行に同行していた山野辺早月を演じていた磯山さやかであった。内藤剛志は第37部から第43部まで2代目弥七を演じており、松井天斗は第39部で降板し、第40部から2代目林家三平が「ちゃっかり八兵衛」(第42部からただの「八兵衛」)として出演している。

つまり、視聴率が初めて一桁になった第39部のレギュラー3人が第42部で降板した(させられた?)ことになる。由美かおるは60歳を前に若い役から卒業という事情があり、28歳年下の雛形あきこ(楓役)に交代したのは当然だが、原田・合田コンビの場合、わずか1歳差ながら後任者の東幹久・的場浩司コンビのほうが年上であった(下注釋)。これでは「キャストの若返り」も3分の1だけである。原田・合田コンビは低視聴率の責任を負わされてしまった結果となったか。

それでスタッフは前任者より1歳年上の東幹久と的場浩司を助・格コンビに起用したのだが結果は前述のとおり、1年、2シリーズでシリーズ終了。しかも第43部が始まったときは終了が未定で出演者にも当然、知らされておらず、制作記者会見でレギュラーが来年以降も出演するという前提で抱負を述べていたのに、2話まで放送した時点で終了決定という、後味の悪い結果となった。
原田・合田コンビは2003年から2010年まで7年出演し、東・的場は2010年から2011年まで1年で降板。石坂浩二の水戸黄門に仕えた岸本祐二・山田純大コンビの3シリーズより短い助・格コンビ(下注釋)だった。

21世紀の助・格の中で、視聴者が支持したのはどのコンビか断定できないが、もし、第41部の5代目助・格から第42部以降の6代目になったことで、支持者がさらに減ったとすると、第39部の5代目助・格の時点で9割以上の視聴者が離れていたことが、さらに事態を「悪化」させたことは確かである(演じている俳優たちに罪はないと思う。念のため)。

『水戸黄門』の番組の現状は内容そのまま
水戸市長がTBSに陳情する姿は各藩の人が水戸老公に助けを求める姿に似ている。
『水戸黄門』の制作費を誰が出すか。『水戸黄門』でも光圀の「趣味」のせいで水戸藩の財政が破綻状態になったと思われる。
スタッフの試みテコ入れが失敗し続けている現状は、光圀の世直し旅に効果がないことと似ている。
『水戸黄門』終了を惜しむ世間はこれまた「印籠」での解決に頼る民衆の権威主義と他力本願を象徴している。

注釋
年上であった

ちゃっかり八兵衛役の林家三平(1970~)は、おけらの新助役の松井天斗(1972~)より2歳年上である。
里見浩太朗も石坂浩二よりは年上だった。

短い助・格コンビ
杉良太郎の初代助三郎は初めの2シリーズで降りたが、初代格之進役の横内正はその後も出演した。
ナショナル劇場の『水戸黄門』で格之進を演じたのは横内正、大和田伸也、伊吹吾郎、山田純大、合田雅吏、的場浩司の6人であるが、同シリーズで助三郎と光圀を演じた里見浩太朗はこの6人の「歴代格さん」全員と共演していたことになる。

「水戸黄門 テコ入れ 若返り」の検索結果 - Y!検索
「水戸黄門 テコ入れ 若返り 年上」の検索結果 - Y!検索
里見浩太朗のシリーズで助・格2回交代 - 虚実ヒストリー~ものがたりの歴史~ - Y!ブログ

参考になるHP
『水戸黄門』 感想
ここで東幹久・的場浩司の起用への疑問と、お娟と弥七と八兵衛がそのままなのに格之進の設定をリセットしたことに対する批判的な感想があり、同感。


『水戸黄門』第2部最終回と第37部最終回

2011-10-14 14:26:00 | 延宝~貞享~元禄~宝永~正徳、綱吉前後
『水戸黄門』第2部第31話「家宝争奪作戦(柳河)」では九州筑後柳河藩に「大殿(おおとの)」がおり、存命中に藩主の座から退いた「さきの藩主」がいたことになる。調べると水戸光圀隠居時代、この柳河藩では1696年に藩主が交代しており、その前の柳河藩主は光圀隠居前に藩主になっており、後(あと)の柳河藩主は光圀没後まで藩主だった。
すると第2部の時代設定は1696年以降の可能性が高い。

第2部最終回で光圀は生類憐みの令を批判。まず光圀は弥七に命じて犬の皮を入手させ、これを柳沢吉保に贈り、将軍に届けるよう頼んだ。吉保はこれを将軍に見せ、「ご老公は乱心でございます」「乱心者を『副将軍』などと遇する必要はありません」「即刻、蟄居が適当かと」と進言。
しかし、光圀が乱心であろうとなかろうと「副将軍」などという役職は正式には存在しなかったから、もとより綱吉が光圀を「副将軍」などと遇する必要はなかったのである。

柳沢吉保は法的には真っ当なことを言っていたし、光圀の切腹でなく蟄居を望んでいた(もともと光圀は隠居の身)意味では柳沢は優しい幕臣だったことがわかる。

江戸城に呼ばれた光圀は、柳沢吉保一人に政治を任せず、御三家の力も借りるよう、光圀が綱吉に進言。徳川家による同族支配を絶対化する思想の番組であった。

では、紀伊と尾張は水戸の味方だったか。

第37部最終回では御三家の一人・紀伊藩主・徳川光貞が黒幕となって、彼の手下のグループが水戸徳川家の綱條の息子・徳川吉孚(~よしざね、よしのぶ)を誘拐。
結局、光圀が吉孚を奪還し、綱吉によって実行犯が処罰されたらしい。
しかし水戸家が「副将軍」などを名乗っていたことが、柳沢吉保だけでなく、親戚である紀伊徳川家からも反撥を受けていたわけだ。
これは光貞が隠居した1698年と思われる。

次の第38部ではなぜか時代が後戻りして、1697年が舞台。
光圀は紀州で源六、のちの吉宗と出会う。光圀は吉宗を誘って工事の労働者となり、源六は悪人の手にかかって刀を突きつけられる大ピンチ。そこに光圀が現れ、源六を救ったが、光貞が知ったらどう思ったか。これが翌年の吉孚誘拐事件につながったのかも知れない。

なお『八代将軍吉宗』では、当時、吉宗は源六から頼方に名を改めており、江戸城で綱吉に謁見。光貞も同席していた。わざわざ光圀が紀州まで足を運ばずとも江戸で会おうと思えば会えたわけだ。

このように水戸徳川家が「副将軍」という名前だけの虚構の肩書きを名乗っていたことが、結果として柳沢吉保だけでなく紀伊徳川家にとっても邪魔だったことがわかる。
また、光圀も綱條も水戸にとって名君かどうか。東野英治郎主演の『水戸黄門』では、光圀が旅から戻ると、霞ヶ浦から運河を引く工事で、大量の農民がこき使われていたことがある。それにあの世直し旅のせいで水戸藩の財政は破綻し、年貢は天井知らずだっただろう。光圀が訪れる各地での「私腹を肥やす家老」などまだ可愛いものだった。

『水戸黄門』第2部によると、綱吉の母は6代目の将軍として、綱吉の息女・鶴姫が嫁いだ徳川綱教を推しており、綱教に万一のときには、柳沢吉保は息子・吉里を綱吉の御落胤として6代将軍に擁立しようとしていた。だが、光圀は甲府宰相(のちの家宣)を推していた。

6代将軍は結果として光圀の思いどおりになり、憐みの令も家宣の治世になってから廃止された。ただ、『水戸黄門』で描かれてきたのは、結局、綱吉の配下であった光圀と吉保の間で起きた「次期将軍をめぐる対立」という、江戸幕府の中の「コップ(茶碗?)の中の争い」であった。

『水戸黄門』はもともと元禄時代を舞台にしたことで、「倒幕」も「開国」も正義になりえない問題をかかえていた。光圀がいくら庶民の味方を名乗ったところで限界があった。問題解決は「葵の紋」だけで、徳川に逆らう物は悪玉。倒幕運動が『水戸黄門』や『暴れん坊将軍』で描かれたら、その運動は悪とされただろう。もしこれが幕末の斉昭や慶喜の時代であれば、「倒幕」と「開国」が民の声に結びついた。もっとも戦国も幕末も時代の変化は武士階級同士の勢力争いに過ぎなかった。
乱世のあとの太平の世、幕末のあとの明治時代にも、民が苦しむ様子、反乱が描かれていることからわかる。すると「民の声」が必ずしも正しいかどうか、不満があるとトップを引きずり下ろすだけでいいのかという問題が生じてくる。

『水戸黄門』における「副将軍」は虚構または飾りであった
『水戸黄門』が人気だった背景、一揆が幕府を倒せなかった歴史

前後一覧
2011年10/14 10月

関連語句
生類憐み


『水戸黄門』の後番組は何がいいか

2011-10-14 03:35:00 | 21世紀~未来
もともと『水戸黄門』は『七人の孫』のような現代ホームドラマで老人と若者の対照を描いていた時間枠に時代劇をぶつけた結果であった。
42年たって、『水戸黄門』の後継番組が何がいいか考えると、「旅」「日本各地の名産の紹介」「日本の傳統文化」「老人と若者の対比」といった要素を継承する作品が望ましい。
そうなると「旅」であれば旅刑事物で、高橋英樹愛川欽也主演の作品、あるいは三浦洋一主演の『さすらい刑事旅情編』のような作品になる。
『ハンチョウ~神南署安積班~』は刑事物だが、それに旅が加われば『水戸黄門』に近くなる。なお『水戸黄門』現代版では『特命!刑事どん亀』がある。『ハンチョウ~神南署安積班~』の「安積(あづみ)」が安積覚兵衛の「安積(あさか)」と同じ表記なのは何かの因縁か。
ハンチョウ ファン 水戸黄門 - Google 検索

また「日本の傳統文化」であれば『あんどーなつ』や『浅草ふくまる旅館』のような和風の仕事を扱った現代ドラマがいいだろう。

「老人と若者の対比」は『渡鬼』でさんざんやったと思われるので、別のドラマでもいいだろう。
なお、『大岡越前』『江戸を斬るII』の路線を引き継いだ裁判ドラマはどうだろうか。例えば裁判官が実は目撃者の一人だったというのを現代ドラマでやったら、荒唐無稽ではあるが、受けるかも知れない。

神様の女房
NHKで松下幸之助の結婚後の生涯をドラマ化している。毎週土曜、全3回で先日は第2話。これをTBSがパナソニックドラマシアターでやらないのが不思議だ。

入浴シーンは現代ドラマかバラエティでやればいい
なお、一部で『水戸黄門』では由美かおるの入浴シーンが人気だったという評がある。これが定番化したのは、シリーズが始まって17年後、1986年の第16部からであった。それが2010年の第41部まで24年続いたわけだ。
時代劇は現代劇より制作費がかかるし、出演者を京都の撮影所に集めないといけない事情がある。そんな手間をかけて、視聴者が注目するのが「女優のお風呂シーン」だけでは、もはや、時代劇の本放送として続ける意味はない。過去の再放送だけで充分である。
もし『水戸黄門』のファンが入浴シーンを目当てにしているのなら、『水戸黄門』を打ち切って、後継番組の現代ドラマなどでそういうシーンをやればいい。入浴シーンは温泉の旅や旅館を扱った現代ドラマでやるのが妥当であるし、ドラマでなくバラエティ番組でやってもいいものだ。
また印籠シーンは再放送でいくらでも観られる。視聴者が1時間のストーリーでなく、こうした場面だけに注目するなら、もう新作の『水戸黄門』は不要で、BSCSで再放送をすればいい。
あるいはTBS news iのようにネット配信すればいい。
GyaO!ストアで月形龍之介時代の『水戸黄門漫遊記』が有料で配信されている。
TBSまたはC.A.Lもこれをやればいい。

講談と芝居、映画への回帰
『水戸黄門』の場合、もとは講談と芝居だったので、林家三平が落語で『水戸黄門漫遊記』を題材にするのもいいだろう。
茨城の水戸黄門漫遊一座も署名運動などする暇があったら、「芝居で『水戸黄門』をどうぞ」と全国にPRすべきであろう。
現代の時代劇は映像が鮮明になりすぎて、カツラと地肌の境目は前から見てわかるものだったが、今の時代劇ではそれがさらに鮮明になっているだろう(個人的に時代劇を観ているときは話に集中しているので気にならないが、中にはそういう点を集中的に観ている人もいるだろう)。
それが不自然で、視聴率も減るのであれば、初めから作り物であることが明確な舞台の芝居にすればいい。
テレビの連続時代劇ではCGで画像処理するほどの予算がないなら、映画にすればいい。
要するに時代劇はテレビの時代が終わり、月潟龍之介の『水戸黄門』までの映画や講談の時代に回帰しているのである。

『水戸黄門』の終了といっても、それはTBS月曜夜8時の「パナソニックドラマシアター」でのシリーズが終わっただけの話だ。映画も含めれば100年の歴史があるし、幕末から150年ほどたっている。文化・文政から190年、元禄時代から300年と少し経過している。
『水戸黄門』は現在までよく続いたと言えるし、今後、10年、20年以内に別の形で復活する可能性もある。

週一の前後編の後編を見られないような高齢者には気の毒だが、『水戸黄門』は「毎週観る時代劇」としては役割を終えたのである。
再放送やDVD、BSやCS、ネット配信なら毎日観られるころもあるだろう。

何より時代劇は若者に持てもらって、10年、20年先まで観てくれるファンを獲得するのが重要課題だ。

定番時代劇の矛盾
時代劇が「毎週放送する連続ドラマ」になったことは内容の面で不自然さを生んでいる。
『水戸黄門』が「毎年」旅をして、忍びと言いながら「毎週」印籠を出しているのはおかしいし、隠居して10年で他界した光圀が42年も旅を繰り返したわけがないし、それは世直し旅の効果がなかったことを意味する。ああいう旅は家臣に任せ、一度やったら、将軍に報告し、あとは将軍が日本各地に監視役を派遣し常駐させ、適度に交代させればすむことであった。

『暴れん坊将軍』も同様で、放送期間は1978年から2008年までの足掛け30年で、吉宗が将軍だった1716年から1745年までの30年弱と一致するが、ドラマのように年中、吉宗が城を留守にしていては将軍などいてもいなくても同じである。あれだけ幕臣から悪人が出るのは将軍の人事が下手なことを証明しているし、逆に吉宗がいない江戸城で政治が継続されているのは幕府の老中たちが優秀なこと(吉宗は不要であること)を示している。

必殺シリーズも、もとはと言えば『仕掛人・藤枝梅安』を『必殺仕掛人』にしたもので、毎週依頼があって殺しがおこなわれる話になってシリーズ化された。よく考えると、そうしょっちゅう、依頼があるわけがない。奉行所は何度か仕事人狩りを強化したがそれは民間人(善良な市民)に影響が及ぶ危険な制度であった。それより一般人に「仕事人に依頼などしないように」と釘を刺せばいいだけの話だ。また悪人に斬られたりして虫の息の被害者が秀や勇次や主水に仇討ちを頼むとき、いつも都合よく金を渡すのは不自然である。

『遠山の金さん』も同様で、毎週、裁きのたびに桜の彫り物を出していては、遊び人としての金四郎の正体が江戸中に知れ渡ってしまう。本来、あれは金四郎の奉行としての在職期間に一度か二度、大博打のようなときにやるべき非常手段である。金四郎が目撃者であること以外に悪人を裁く手はない。それを示すには桜の彫り物を見せる必要がある。奉行が桜の彫り物をして町人姿で町を出歩いていたと公儀に知られれば、奉行には切腹の処分が下される危険性もある。そのリスクを犯しても奉行は桜の彫り物を見せるか。そういうスリルに意味があったはずだ。確かそういう意見を雑誌か何かで見た記憶があり、同感である。

こういった定番は、映画やスペシャルであれば、その繰り返しの不自然さはないのである。

定番時代劇の手法は、警察署の署長が身分を隠して自分で聞き込み捜査をしているようなもので、リーダーとしては無能であることを意味している。署長が外出中、署内の執務は部下が代行しているのだろう。外回りと幹部職の人事を逆にすべきだということになる。
そのような定番時代劇の時代が終わったということであろう。
前に提案した「裁判官が目撃者でもある現代ドラマ」などは、現代ドラマとして描くと、まことに漫画的で荒唐無稽に見え、むしろ裁判制度の破綻を示す作品になるだろう。
時代劇を好む心理は現代社会への拒否反応か - Yahoo!ブログ

『水戸黄門』の後番組が決まった。
12月19日の最終回スペシャルのあと、12月26日と2012年1月2日の休みを挟んで、1月9日から上川隆也主演の『ステップファザー・ステップ』が始まる。もっとも『水戸黄門』の各シリーズの間には『大岡越前』『江戸を斬る』を初めとした他のドラマが入るのが慣例となっており、2011年の『こちら第三社会部』からは現代劇が入っている。2011年の『水戸黄門』第42部後半と第43部の間は『ハンチョウ~神南署安積班~』の第4シリーズだった。もし『水戸黄門』が2011年で終わらなくても。第43部が2011年師走まで続く以上、2012年の正月に現代ドラマが入るのは予想できたことだ。
むしろ『ステップ』が終わったあと、2012年春または夏に始まるドラマ(おそらく現代劇)が名実ともに『水戸黄門』後継作品となるだろう。

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2011年10/14 10月


今の時代劇(俳優とキャラクター)

2011-10-14 03:11:00 | 21世紀~未来
20世紀の1970年代~80年代~90年代、時代劇を観ていたときは俳優がキャラクターに見えた
今の時代劇を見ると逆で、キャラクターが俳優に見える

つまり、かつて『水戸黄門』で横内正が格之進を演じていたときは、横内正が格之進に見えたので、『コスモス』のナレーションで横内正が出ていたときも「格さんが洋服を着ている」ように見えた。東野英治郎はブラウン管の中の水戸光圀に見えたものだ。『水戸黄門』の里見浩太朗は助三郎に見えた。
『必殺仕事人』を観るとその中の藤田まことは主水であり、最初は現代ドラマに出てくる藤田まことも主水に見えたものだ。

今の時代劇は逆である。里見浩太朗が光圀を演じているのを見てもそれは、あくまで「光圀の格好をして光圀を演じている里見浩太朗」に見える。
助三郎と格之進はそれぞれの格好をしている東幹久と的場浩司に見えるだけである。
『必殺仕事人2009』などでもあくまで俳優が衣装を着て必殺シリーズのドラマに出演している映像に見える。
初めから終わりまで「俳優が和服を着てカツラをかぶって演技をし、それをスタッフがカメラで撮影した映像」に見える。もともとそうなのだから仕方がないので、脚本や劇中の時代設定に注目して見ることにしている。

もっとも知らなかった俳優や意識していなかった俳優に関してはキャラクターのイメージが強くなる。
宮崎あおいに関しては『NANA』をほとんど観ていなかったこともあり、篤姫のイメージがあるので、同時期にCMで観たときは面喰った覚えがある。
『のだめカンタービレ』もまったく観ていなかったので、上野樹里はおそらく別の番組やCMで観ても江姫に見えるだろう。「江がのだめに見える」という意見があるが、それは『のだめ』を観た人に限った感想であり、『のだめ』を全く観ていない者にはそうは見えない。
水川あさみは『仕事人2009』に出ていたようだが、名前も顔も意識していなかったので、『江』を観てからこの人がお初に見えるようになった。

井上真央は『おひさま』の主役で、『おひさま』は余り観ていないのだが、CMで井上真央が出ると『おひさま』に出てきた昭和初期の女学生が今の時代に現れたように見える。井上真央は『花より男子(だんご)』で牧野つくしを演じていたようだが、これまた観ていないのでそういうイメージはない。

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