劇場 梅田芸術劇場メインホール
観劇日 2009年11月15日(日)
開演・座席 昼 12時30分開演 3階5列
夜 18時開演 1階17列
伊達土門/飛頭蛮:上川隆也 サジと名乗る男:堺雅人
京兼美古都:稲森いずみ 方白/刀衣:早乙女太一
京兼惜春:千葉哲也 遊日蔵人:山本亨
稀浮名:山内圭哉 稀道活:橋本じゅん
ペナン:高田聖子 音津空麿:粟根まこと
京兼調部:川原正嗣 東寺武骨:前田悟
音津物欲:逆木圭一郎 ガラン:河野まさと
鳳来国の大王:右近健一 浮名の妻 鹿女:村木よし子
惜春の密偵 丹色:山本カナコ 美古都の侍女:保坂エマ
ロクロク:中谷さとみ 監獄島看守:村木仁
果拿の国・舟役人:インディ高橋
果拿の国王:磯野慎吾 果拿の学者:武田浩二
土曜日が休演日なんてヒドすぎるぅぅぅ。
おかげで日曜日がようやくマイ初日。
これで面白くなかったらゼッタイ怒ってやる~!
と(こっそり)息巻いて乗り込んだ昼夜決戦。
劇場前で同じく初日組のスキップさんに出会ってご挨拶をば♪
いや~、騙されました。タイトルに! あらすじに!
きっとドロッドロのグチャグチャのやりきれないお話に違いない・・・
と予想してたものだから。
最後までたどりついた時、私に見えた景色はスコーン!とまっすぐな、
泣けるほど美しい1本の道だった。
中島かずき脚本、いのうえ歌舞伎の王道をゆく作品。
歌舞伎役者は出ていなくたって、出演者全員、見得も花道も色気もたっ
ぷり感じさせるエンターテイナーな舞台に、隠れ大向こうとなりいっぱ
い声かけさせていただきました。(←心の中で)
とりわけ早乙女太一くんの舞のような殺陣。まるで独立した演目のよう
にそこだけ毎回拍手が起こるのも珍しい経験だった。
なお、この日は満席で当日券をあきらめた友人がいたのに、ソワレでは
若干空きが出たらしく窓口で当日券が販売されていた。
新感線の公演はいつも人気だけど今回は「SHIROH」や「朧の森に棲む鬼」
と同じくリピーター組がかなり多そうな気がする。
ここまで何度もメールのやりとりしているのに、ネタバレしないよう気
遣ってくれたリピーター組の上川さんファン友たちに心から感謝♪
もう今から私、すっかり蛮幽鬼モードだからねっ♪
写真は劇場に展示されている蛮幽鬼のブロンズ像。
劇場で偶然出会ったファン友に「これ、休憩時間にマスクを取るから」
と言われ、ええっ!そうなん? みんなよく知ってるなぁ~。
以下、ネタバレ全開なので写真の下に。
●3階からの眺め
いつもながら上からの眺めがきれい~♪
最初の星降る雨のシーンなんて空が近くに感じられるし、赤・青・パー
プル・白に変化する舞台はきれい。
ただ今回は人物の心理状態とシンクロさせた演出はなかったように思う。
いや、気がつかなかっただけか?
今回多用している客席通路からの出は3階からだと全く見えない。見え
るのは舞台に近づいてから。
それから、座席が下手側だと逆の上手側のプチ花道は見えるのに、下手
側にはけるプチ花道は見えず。
なので、僧正(山内圭哉さん)の覆面ギャグは半分しか見えなかった。
<メモ>1階から見たソワレでは、通路を横に駆け抜ける時に土門が
ちょっとつまずいたのが見えた。頭を低くして出てゆくのは大変そう。
上階からの特典はなんといっても土門と美古都のラストシーン。
1階で見た時は盆が回ったときに装置に邪魔され、よく見えなかった。
3階からは、美古都の手を握った後、力つきて手を放してしまった土門
に、こんどは美古都から顔を重ねて口づける哀しく美しい絵を見届ける
ことができる。ええ眺めや~♪
●伊達土門役 上川さんメモ
久々に新感線バージョンのアッチいっちゃった系隆也を堪能!
新感線の舞台ならではのメイクばりばりのビジュアル系がうれしい(笑)。
そして、やっぱり声。
声量は相変わらず凄いけど、台詞の音域が広がったというのか、同人物
でありながらも、年齢や置かれたシチュエーションに合わせた声のバリ
エーションの豊かさには今さらながら目を見張る思い。
今回、一番素敵だったのは飛頭蛮となって憎悪の頂点にいるときの顔。
ぞくっとする色気と凛とした美しさを放っていて、ドキドキしちゃいま
した~!
それから、やっぱり私はこのひとの涙にヨワイなあ、と。
オペラグラス越しに見たところでは、なぜ俺を信じてくれなかった~の
場面はホントに涙ぽろぽろだった。
あれ?そこナンデ涙目?と思ったのは学問頭に指名される直前。美古都
と惜春がやりとりをしているとき。美古都への想いを断ち切れない自分
に気づいたせいだろうか?(ここ、再チェック!)
●オドロキのラストシーン
何より一番驚いたのは予想外のラストシーン。
ん?これって・・・ピュアラヴ?
ありえない~としばし呆然。
ファンとは勝手なもので、自分の贔屓の役者さんの見慣れた表情や特徴
をまた舞台で見たいと思う反面、今まで見たことのない新しい面も見た
がるもの。
今回私は、復讐を誓う男にもっともっと憎め!怒れ!とサディスティッ
クに念じながら、ヒールの上川隆也を楽しもうと思っていた。
だけど10年の間、憎しみを負のエネルギーに換えて生きてきた男が最後
に見せたものは・・・なんてピュアなピュアな感情なんだろう。
いや、だから、この役は上川隆也なんだという思いがすぐにこみあげ、
こんどはカンペキに打ちのめされてしまった。
蛮幽鬼ってそういう話だったのか・・・。
土門は自分を礎にすることで(犠牲とは言いたくない)最愛の女性への
ピュアラブを貫き、しかも、それが若き日の自分や親友の描いた「志」
ある国家の実現に帰結するというスケールの大きな話。
土門が刀で自らの体を貫いた瞬間、そこに1本の道が見えた。
それは人の心が流れる道に違いない、とたしかに思えた。
大王となった美古都の最後の声もまた印象的。
ラスト数十分はただ涙涙・・・。
と~っても魅力的なそのほかの登場人物については次回に。
「SHIROH」のデ・ジャ・ヴ?と思わせる場面もあったりして、マイラス
トとなる次の観劇でもう一度チェックしたい。
「蛮幽鬼」大阪公演 観劇メモ(4)(このブログ内の関連記事)
「蛮幽鬼」大阪公演 観劇メモ(3)(このブログ内の関連記事)
「蛮幽鬼」大阪公演 観劇メモ(2)(このブログ内の関連記事)
1回追加♪(このブログ内の関連記事)
楽しみにしていましたよ~、ムンパリさんの感想!
うふふ、愛がいっぱい(笑)
『朧~』がヒールが主役のドロドロぐちゃぐちゃストーリーだったし、
なんだかんだいっても上川さんなので、やっぱり鬼にはなれない役なんだろうなあという
予感はしていました。その通りでちょっと残念でしたけど(裏切ってほしかったのよ、笑)、
あのラストにはあっぱれ!さすが中島さん&いのうえさんです。もう、あのシーンにかなり参ってます(笑)
で、その前のシーン、美古都は口づけしているんですね!そうだったんだ・・(涙)
実はよく見えていなかったのです、わたし。
もうそのあたり、シーンに相当酔っていますしね(笑)オペラグラスは使いたくないし、そもそも涙で視界も悪いし。
大楽、ちゃんと見てきますっ!(見えるかな~)
>「SHIROH」のデ・ジャ・ヴ?と思わせる場面
そうそう、いろいろありましたね♪
そして土門の最期は「アテルイ」です(涙涙)
あは、どんどんおしゃべりしたくなってしまい
ます。
続編、そして次回の感想も楽しみに待ってます♪
ラストチャンスは大千秋楽やv
上川さんは鬼になれなかったですね。。
朧は鬼になっちまったけど・・
でも上川さんはやはり素晴らしー(#^.^#)v
今回どのあたりからも舞台が見えるっていう感じにはつくられてなかったような気が…気のせい?
私的には下手側から観るのがいちばん全体もつかめる感じがしたよv
小生、身肉のは26日の大楽1回きり。
あちこちのBLOGに感想が出ていますが、読むまいぞ、読むまいぞ。
ところで、薔薇とサムライ 日程と料金が出ましたね。ううううっむ。日程が、行けるかどうか見当つくわけないっしょ。とはいえ、3月16日=さい芸(チケット手元にあり)17日=マクベス(予定)18日の初日狙うか。2泊もできるンか??
今回は1階前列で見られず、復讐の鬼の表情がまだイマイチ
読めてないんです、私。
仕方ないので、とりあえず違う楽しみを見つけてます(笑)。
それにしても考えれば考えるほど「SHIROH」とダブる要素が
あるなという感じ。
> そして土門の最期は「アテルイ」です(涙涙)
あは。染ちゃんアテルイ、そうだったねー。
あれはあれでええラストやった。「アテルイ」大好き!
同じくどっちのラストにも涙涙。
あれから初めてインタビュー記事や劇評を読んで、こんどは
違う目で見てみたいなあと思い、3階からですけどもう一度
見てきますね。
> でも上川さんはやはり素晴らしー(#^.^#)v
はい~♪♪
ブロンズ像はいったい何の象徴なんだろうとずっと
考えてるんですけど、いまだに意味がわからない私です。
きばりんさんも大楽でぜひ、2つの顔を確かめてくださいね!
大楽、ほんとに楽しみですねー。
しっかりご堪能ください。
はい、薔薇とサムライもメルマガが来てましたね。
2泊3日の観劇旅行ですか!
私の場合、1泊2日で3本というのが最高記録ですけど。
ただし、組み合わせと順序を考えないと、どれかの
テンションが落ちてしまいます(笑)。
1日1本なら大丈夫でしょう♪ 頑張りましょう。
その節は短い時間でしたがお目にかかれてうれしかったです♪
やっと自分の感想も書いたし、とこちらをお訪ねしたら、レポも3まであるし、おまけに観劇1回増やしてるし(笑)・・・でもまずはこちらへコメントを。
ムンパリさんが書いていらしゃる「自分を礎にすることで最愛の女性へのピュアラブを貫き、しかも、それが若き日の自分や親友の描いた「志」ある国家の実現に帰結する」には本当に同感。
正直なところ、私はピュアラブとはいささか違う印象を受けましたが、土門の心の変化はとても胸に響きました。
他の人ではこの役は考えられない、まさに上川隆也さんの独壇場でしたね。
その土門がちゃんと鬼に見えたという、ムンパリさんの3のレポ。だ鬼に見えていない私にも、今度は見えるでしょうか。
はあ~、今回は席がよくなくて、どう考えてもあと1回
必要だ~と思い、回数ふやしてしまいました(笑)。
それほどそれぞれの登場人物が魅力的だったのと、お話が
とても深くてすご~く味わい深い作品なんだと思います。
ほんとのところ、毎回違う感想を持ち帰ってしまうというのが
今回の私で、今読むと、ここに書いたピュアラブはほんとに
第一印象がこれかぁ~と自分で読んでいても楽しいです(笑)。
鬼については、私が見たい見たいとつねに念じているせいかも
しれないです(笑)。
たとえサジに操られていようと、その瞬間瞬間は土門は鬼に
なっている。というか、鬼であることでやっと生きていられる
状態なんだと思うんですよ~。
そこのところ、後日またまとめてみたいと思っています。