星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

唐招提寺のトルソーに会いに♪

2009-04-26 | ミュージアム・企画展
最近3文字病に取りつかれています(笑)。
帰宅して、PCに向かい3文字入力しただけで眠くなるんです~。
こまったナァ。



というワケで、昨日は久しぶりの奈良でした。
奈良へは去年の秋に興福寺の南円堂が公開された時に訪れて以来。
(ついでに阿修羅くんと八部衆にも会いに行った日。)

今回の目的は、奈良国立博物館で開催中の「国宝 鑑真和上展」
もちろん、メインはポスターにも使われている鑑真和上坐像なのですが、
展示会場の順路では、いきなり国宝6体がドーン!とお出迎え。
ピンスポを浴びてなまめかしい梵天立像、帝釈天立像。さらに、奈良時代
らしい太~い大腿部にデカ頭の迫力ある四天王立像。
うう。ガラスケースにも入らず、どこからでもオレを見てくれ、と言わん
ばかりの潔さ、隙のなさに敬服してしまいます。

さてと、この先も興味あるのは、やはり仏像ナリ。
しかし、ここでは誰も仏像の前で手を合わす人はいないね、同じものを
お寺で見れば皆拝むのに、展示された途端に美術品扱い・・・などと家人
と話しながら通路を歩いて別室へ。

すると・・・あっ!いるよ、いたはるよ、手を合わせている人が♪
目の前には鑑真和上坐像。
日本最古にして最高の肖像彫刻、と書かれた解説まで添えられて。
たぶん、お寺の中で見るとここまでリアルには見えないと思うんですよね。
特にこの特別展では絶妙のライティングのせいで、目の見えない鑑真和上
のお顔がとても柔和で、優しげで、今にも口をききそうな感じ。
5回の渡航に失敗し、弟子たちを失っただけでなく、自分自身失明までし
て、ようやく6回目に日本にたどり着き、仏教を広めるにいたったという
激しいエピソードを重ね合わせてこの坐像を見ると、思わず手を合わせた
くなる気持ち、わかりますって。

さらに奥へ進むと、ああ、これが唐招提寺だよ、という仏像の部屋に。
そのうちの2体が、伝獅子吼菩薩立像、伝衆宝王菩薩立像
どちらも顔の一部が損傷し、肘から先がないという形ながら、つい見とれ
てしまうのは、その口元が魅力的だったり、肉感的でおおらかな立ち姿に
やすらぎを感じてしまうからでしょうか。

そして、今回もっとも印象に残ったのが如来形立像(にょらいぎょうりゅ
うぞう)。手の先、足の先はもとより、首から上がないんですね。
だから仏像じゃなく、如来形。
「唐招提寺のトルソー」と呼ばれる由縁ですね。
これも、一度はお寺で見ているはずなのに、こうして間近に見るとライ
ティングのせいもあり、かなり強烈なインパクトを感じました。
やや前のめり気味に見える上体、美しくそった胸。背中のカーブ、前から
見ても横から見てもくびれた腰、流れるような衣紋・・・。
明らかに前の2体とは違う体のライン。
これらがカンペキな姿なら重要文化財じゃなく国宝指定なのでしょうけど、
こと如来形立像に限っていえば、この姿だからこそかきたてられるロマン
のようなものを感じます。見れば見るほど、びゅうてぃふぉ~♪
ふとルーヴル美術館にあるサモトラケのニケを思い出しました。

写真パネル展示のなかに「隅鬼」をめっけ♪
これは金堂の軒の隅を支える「鬼」。本当に鬼の姿なんです。
唐招提寺の修理解体中の現場に展示されていた現物を前に見たのですが、
建造物の支柱(?)にこんな発想があることにビックリ。思わずニヤリ
としたものでした。

ぜひ唐招提寺のトルソーに会いに「国宝 鑑真和上展」へ。
おすすめです♪ 平常展も見応えあり!

●「国宝 鑑真和上展」 5月24日(日)まで
場所:奈良国立博物館
  TEL 0742-22-7771



↑これは近鉄奈良駅方面にあるコーヒー&グリル「PINOCCHIO」のガトー・
ショコラ。奈良に行ったときによく立ち寄るお店です。
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