星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

新春特別展覧会「京都御所障壁画」に行きました

2007-02-11 | ミュージアム・企画展

定期的に<京都>を体に注入したくなる体質です(笑)。
ということで、本日向かったのは国立京都博物館。
新春特別展覧会「京都御所障壁画」が開催されていました。


ふだんは見られない京都御所の貴重な襖絵が約200面。いわば19世紀の京都
画壇のタイムカプセルのようなものだそう。
さすがに保存状態がいいのか、今回見られたのは色彩のきれいさを実感する
絵が多かったです。
私が好きだなと思ったのはフライヤーやチケットに使用されている鳳凰の絵、
狩野永岳(かのうえいがく)筆になる「桐竹鳳凰図」です。左には飛翔する
鳳凰が、右には立っている鳳凰が描かれているのですが、青の色がほんとに
鮮やか。鳳凰が穏やかな目をしているのもいいなと思いました。
もう一つは、それとは対照的に色数の少ない作品、岸連山による「芦二雁図」。
ほとんど茶系の濃淡だけで雁が描かれているのですが、雁の群れが右から左
に向かってポーズを変えていき、絵の真ん中あたりで飛翔しているんですね。
静かな中にも動きがあり、好きな絵だなと思いました。
ただ、こういうのを見るにつけ思うのは、襖絵は大広間の畳のある部屋で見
るために描かれたもの。その場所の採光や部屋の奥行きがあってこそ味わえ
るものなんだなあということ。もちろん、貴重な絵が見られる機会が増える
のはいいことなんですけどね。

常設展のほうも久しぶりにのぞいてみたら、ずいぶん衣替えされていました。
私には企画展よりもこちらの方が見応えがあったかも(問題発言?)。
その一つが、高台寺の蒔絵。
丹念に描き込まれた蒔絵や、細かい手仕事による螺鈿をほどこした大小のた
くさんの箱が展示されていて、じっと見入ってしまいました。
その中に、なんだこりゃ、と思ったものが。
「文字入り蒔絵螺鈿小箱」。オルゴール箱のような小さな箱に蒔絵も螺鈿も
使われた贅沢な入れ物なんですが、そのふたの部分にアルファベットの文字
がデザインされて埋め込まれてありました。
FONASANOPEGE。
私の恋人は去ってしまった、という意味のことを頭文字だけで表したもの、
との説もあるけれど、詳細は不明だそう。
誰が何を思って埋めた文字なのか、なんともロマンチックなお話というか。
ちなみに、別の箱には「IHS」と描かれたものがあって、これはイエス
様の意味だそうです。
キリスト教文化の影響が反映されている桃山時代の美術品でした。


そして、きょうのスペシャルは昼食。
冬の京都は、やっぱり蕪蒸しでしょ♪


ときどき行く河原町のお店で、蕪蒸し付きのお弁当を注文しました。
すりおろした蕪の下から出てきたのは、甘鯛のほかに、海老、鰻、粟麩、
ゆりね、しめじ、きくらげ。
これらの具と、とろけた蕪と、わさびが口の中で溶け合って、春に近い冬
を思いっきり感じた幸せな瞬間でした~。


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