こうなってみると全て初めから作られたストーリーなんだろうなという気がしてくる。
わざわざ歌まで披露する必要はないのでは、という声がけっこうあるけど、あの場で歌うにまさにうってつけな歌じゃん。
本人たちの意思なんか多分もうそんなに関係ないんじゃないかな。
まるでろくろの上に乗せられた粘土のよう。
まわりの大人たちの手でいいように形作られていく。
てっぺん目指してどんどん高くまで。
最後に焼きあがる頃にはどんな形になっているのだろう。
釜から出されたとたん割られることはないだろうか。
なぜ彼らなのか。
弱小事務所で苦労ばかりだったという彼ら。
ただのファンでしかない部外者が言うのも滑稽かもしれないけど。弱小事務所だったからこそなのでは?
他の大手とは違い、傍目にはほとんど手垢のついていない無名に近い事務所だったから。
スターを夢見る若者。
気づけば行き先の決まっているレールの上をひたすら走らされているような。
せめてほんの少しそれに抗うような、飄々としたおとぼけなのかも。