オオカミになりたい(遺言)

ずっとそばにいるよ

風俗三十二相 さむそう/おもたそう

2017-12-17 | 風俗三十二相

月岡芳年が女性のしぐさを ~~そう と描いた美人画

「風俗三十二相」より

 

十一 『 さむさう 』 

天保年間(1830~1843) 深川仲町芸者風俗

明治廿一年二月廿五日印刷

 

傘も真っ白になるほどの雪の中

料理茶屋にでも呼ばれたのでしょうか。

それとも帰りかな?

どっちにしても難儀なことですね。

 

 

十二 『 おもたさう 』 

天保年間(1830~1843) 深川かるこの風ぞく

明治廿一年一月四日印刷

 

 

かるこ【軽子】は深川の揚茶屋で座敷へ酒肴を運ぶ女性のこと

膳の上には大鉢と刺身であろう大皿が見えます。

吉原では若い者とよばれる男性のする力の要る仕事を

江戸深川では女性がしていたようです。

 


風俗三十二相 おもしろそう/しなやかそう

2017-12-16 | 風俗三十二相

月岡芳年が女性のしぐさを ~~そう と描いた美人画

「風俗三十二相」より

 

九 『 おもしろさう 』 

文政年間(1818~1829)奥女中の風俗

明治廿一年三月十二日印刷

 

奥女中が歌舞伎を観劇する姿を描いた作品らしいのですが

自由に外出できるってことは藩邸の奥方様ですね。

ここでも笹色紅化粧です。

 

 

十 『 しなやかさう 』 

天保年間(1830~1843) 傾城之風俗

明治廿一年四月一日印刷

 

傾城(けいせい)とは男子がその色香におぼれて

城も国も顧みないほどの美女。転じて遊女の意。

これだけのものを身につけてしなやかさを出すのは大変。

それにしてもこの前帯はどうなっているんだろう?

 


風俗三十二相 つめたそう/あつそう

2017-12-11 | 風俗三十二相

月岡芳年が女性のしぐさを ~~そう と描いた美人画

「風俗三十二相」より

 

七 『 つめたさう 』 

文化年間(1804~1817) めかけの風俗

明治廿一年四月五日印刷

竜の口(たつのくち)から流れる冷水で手を洗う女性はお妾さん。

お妾さんと聞くと日陰のイメージですが派手な着物と大きな髪飾り

当時はこれがあたり前だったのかな?

 

 

八 『 あつさう 』 

文政年間(1818~1829) 内室の風俗

明治廿一年三月十日印刷

江戸時代には民間療法として盛んに行われていたお灸。

背中に灸をすえている婦人はどこに効くつぼなのかな?

今は跡の残らない灸ですが、ある意味根性焼きですね

「悪い事ばっかりすると【やいと】をすえるよ」

子供の頃、よく怒られていました。 あつさう!

 


風俗三十二相 ひんがよさそう/けむそう

2017-12-08 | 風俗三十二相

月岡芳年が女性のしぐさを ~~そう と描いた美人画

「風俗三十二相」より

 

五 『 ひんがよささう 』 

享和年間(1801~1803) 官女之風俗

明治廿一年四月十三日印刷

 

 江戸時代のメークといえば 「紅」 紅花からとった紅は

たっぷり塗り重ねると玉虫色の輝きを放ちとても贅沢な仕上がりに。

『笹色紅』と呼ばれるリップメークが一世を風靡したそうです。

<ポーラ文化研究所 紅化粧より>

 

 

六 『 けむさう 』 

享和年間(1801~1803) 内室之風俗

明治廿一年五月十九日印刷

 

蚊遣の煙にたまらず目を細める女性

秋刀魚を焼いているわけではないみたいですね。

それにしても凄い煙、本当にいぶしてます。

 


風俗三十二相 いたそう/あったかそう

2017-09-21 | 風俗三十二相

月岡芳年が女性のしぐさを ~~そう と描いた「風俗三十二相」より

㐧三 『 いたさう 』 

寛政年間(1789~1800) 女郎の風俗

明治廿一年二月廿五日印刷

 

 かなり痛そうです。そんなにまでして彫らないといけないのか?

まさか逃げ出せないよう源氏名じゃないだろね。

 

㐧四 『 あったかさう 』 

寛政年間(1789~1800) 町屋後家の風俗

明治廿一年三月二日印刷

江戸時代の女性はどんな本を読んでいたのでしょう。

 猫は炬燵の上で丸く?なってあったかそう。