オオカミになりたい(遺言)

ずっとそばにいるよ

『皇國二十四功』 吉備大臣

2019-02-28 | 皇國二十四功

軍師が生まれたのは奈良時代であり

吉備真備(きびのまきび)は日本最古の軍師であった

国立国会図書館デジタルコレクション

大蘇芳年筆 明治十四年出版

 

【吉備大臣(きびだいじん)】

遣唐使は推古天皇十五年(607年)に信を隋に通ぜしより以来

博学多才の者を選び唐土へやられたるやに 

霊亀二年716年)多治比乃真人(だじひのまひと)らをつかわさしとき

吉備公 未だ下道真備(しもつみちのまきび)と称され

安部仲麻呂と共に留学生として渡航し 十九年の勉励に

政法・教法・軍法及び雅楽・陰陽道を卒業して帰朝し 

再び天平勝宝三年(751年) 副使となって入唐せしに

唐人 野馬臺(やまたい)の詩を以って その戝力を試みしが

観音薩埵の霊言に因り 文字の上を行く蜘蛛(ささがに)の

いと安らかに読卒(よみおわ)り  吾国体を辱めせぬは

さすがに文武の博士なる哉。

轉々堂主人記


 野馬臺詩:やまとの国についての預言詩

観音薩埵(かんのんさった):「さった」は菩提薩埵の略で「菩薩」の意

 

 

 


見立多以尽 はんだんをしてもらいたい

2019-02-22 | 見立多以盡

月岡芳年が女性のしぐさを「~したい」と描いた美人画

見立多以尽(みたてたいづくし)より

『はんだんをしてもらいたい』

 

国立国会図書館デジタルコレクション

大蘇芳年筆 

 

詞書

大吉というは芸者の名に似て

半吉というは欝悶(じれったい)の大炉々(おおこんこん)

凶を以て吉に祈(のり)かえし 吉を凶となす判談(はんだん)は

御籤(みくじ)の数の百物語

暗鬼(あんき)を生(いだ)すも意(こころ)のまよい

癇気(かんき)を發(おこ)すは疑念(まわりぎ)から

真(まこと)の節操(みさお)正しくば

末の願いも家内とよばれ 這家(こち)の良人(だんな)と成田山

護摩もすらずに務むれば

御鬮(みくじ)の吉兆(よしあし)なんどに因(よら)んや。

轉々堂主人誌

 

暗鬼:<暗がりの中に見える鬼の意から>不安や妄想による恐れ

這家:この家

 

今回で「見立多以尽」 20作の完走です。ご訪問ありがとうございました。