■マーケット
NY株 揃って高値更新

原油価格安定への期待が高まり、投資家心理が改善しました。先週木曜日に続いてアメリカの主要3指数は、揃って最高値更新です。原油価格がほぼ1ヵ月ぶりに終値で45ドルを回復。ロシアが増産凍結に向けて協議を前向きに進める意向があることが伝わり材料視されました。NY連銀製造業景気指数が予想外のマイナスで、9月の利上げへの思惑が後退しドル安に動いている事も株価にはサポート要因になっているようです。ただ株価は、この後FOMC議事要旨等の公表が控えている事もあり、更なる上値追いには慎重だったようです。ダウが反発です、59ドル高一万8,636ドル。ナスダックが3日続伸29ポイント上昇、5,262。S&P500が反発6ポイントプラスの2,190でした。続いて15日のセクター別騰落率です。原油価格の上昇がリスクオンのムードを演出し、景気敏感と言われる素材セクターが1%の上昇でした。一方、この地合いの中では、ディフェンシブセクターは冴えない動きでした。アメリカの株価は今日も終値で主要3指数ともに最高値を更新しました。ただこの株価上昇、今がピークとの見方もある中、S&Pのチーフ株式ストラテジストは、「高値更新は続く」と予想します。
《S&Pチーフ株式ストラテジスト/サム・ストーバル氏》「高値更新は続く」
「高値更新は素直に好感するべきで、不安材料はない。S&P500は今より80ポイント高い。2270まで上昇する可能性がある。」
上昇を予想する根拠として、アメリカ株がほかの投資対象に比べ、不安材料が少ないという点を指摘します。
「株価上昇を支えているのは3つの要素がある。1つは債券や商品など、代替できる投資先に魅力がないこと。2つ目は投資家によるより高い利益追求の動き。債券の金利は低いし、FRBの利上げも当分ないとみられている。3つ目に企業業績への期待がある。アメリカの企業業績は年後半と来年に大きく伸びると予想している。」

【世界の株価】
15日の終値
【NY証券取引所中継】米大統領選と株価の動き
解説は米国みずほ証券の兼松渉氏

--今日はほぼ高値圏での揉み合いでしたね。
そうですね。本日のNY株式市場は上昇しました。コモディティ価格の上昇を背景に素材やエネルギーセクターが買われて相場の上げを主導、小型株の上昇が目立ち、リスクオンの1日となりました。
--さて大統領選まで3ヶ月を切っているんですが、株価への影響も気にされ始めていますよね。
大統領選で同じ政権が継続するか、または交代が起きるかのパターンは、ご覧の通り4つのパターンがあります。少し長い期間を振り返ると、大恐慌が起きた1929年から前回の選挙の翌年の2013年までの大統領選後の1年間、それぞれのパターンのS&P500社株価指数のパフォーマンスはご覧のようになっています。

--これ見ると4番目だけマイナスですよね。となると今回はどうでしょうか。
今回、可能性があるのは2番目と4番目なんですけれども、確かに4番目のパターンがやや気になります。その理由は過去のパターンからすると、共和党が民主党から政権を引き継いだ年は、景気がピークアウトしたタイミングであることが多く、実際、全米経済研究所はこれらの年を景気後退に入った年と定義しています。一般的に株の投資家は不透明感を嫌うと言われますが、今回は現状維持に近い民主党政権を望む投資家が多いのでは、と考えています。
【NY証券取引所中継】「バブル指標」に注目
解説は米国みずほ証券の兼松渉氏

--ある意外な株価の先行指標があるそうですね。
それはオークション大手サザビーズの株価の動きなんですね。先週の月曜日に決算を発表しましたが、良好な業績に反応して、その株価は先週1週間で24%も上昇しました。個別銘柄でありなりながら、アメリカ経済のバブルを示す重要な指数と信じる投資家は少なくありません。
--これはどうしてバブル指標とみなされるんでしょうか。
サザビーズの業績が良いのは、企業のCEOなど世界の富裕層がオークションで美術品などに活発に投資するからなんですが、これが逆に個人消費の過熱、つまりバブルを意味し、あまり良い兆候ではない
との見方があるんですね。実際のところ、過去のサザビーズの株価は、日本の不動産バブル、アメリカのITバブル、アメリカの住宅バブルのタイミングを見事に当てています。

--となると今はバブルに近いのでしょうか。
やはりそこが気になるところなんですが、現在にサザビーズの株価は先週の大幅な株価上昇後も歴史的に見れば、まだそれほど割高な水準ではありません。テクニカルな観点からすると、逆に株価が70ドルを超えた辺りからは注意が必要との見方もあるようです。

【為替見通し】注目ポイントは「FOMC議事要旨と高官発言」
解説は三菱東京UFJ銀行の内田稔氏
--まずは昨日までのNY市場を振り返っていかがでしょうか。
昨日はニューヨーク連銀の製造業景気指数がマイナスになったんですが、ただ株高、原油高、そして国債利回りの上昇ということでドル円のサポート要因は多かったんですけれども、非常に上値が重く 101円台前半で返ってきました。
--そして今日の予想レンジが、100.70円 - 101.60円です。
先週金曜日のアメリカの小売売上高が予想を下回ったあたりから 特に9月の利上げの折り込み度合いというものが低下してきました。今週は市場参加者も比較的少ないので動意は出にくいと思いますが、ただ 2か月続けて予想を上回った雇用統計後もドル円の上値の重さが目立ってますので、どちらかというとドル安円高に警戒が必要だというふうに予想しています。

--注目ポイントは「FOMC議事要旨と高官発言」です。
今週はジャクソンホールに先立ち、こういったイベントを控えているわけですけれども、やはり利上げに対する積極姿勢がうかがわれると為替市場全体ではドル高の動きが強まる可能性があります。ただドル高が強まりますとドルと、逆行性が強い原油価格が下がるとか、あと高値圏で推移しているアメリカの株価に対して下押しになると、一方では円高も強まってしまいます。従ってドルが上昇してもドル円という通貨ペアだけはドル安円高というパターンが十分想定されるので注意が必要だというふうに見ています。

【日本株見通し】注目ポイントは「200日移動平均」

解説はいちよし証券の大塚俊一氏
--今日の予想レンジは、16800-16950円です。
アメリカの株高を受けて日本株も底堅い展開が予想されます。国内の主要企業の四半期決算が想定を超える悪化とならず、企業の底力は評価できると思います。また日銀によるETFの買い入れが需給を下支えするなど、下値不安は乏しいことから反発が予想されますが、売買代金も低調で小動きとなりそうです。
--注目ポイントは「200日移動平均」です。
ダウ平均が年初からおよそ7%上昇し、過去最高値を更新するなど、世界的な株高の中で、日経平均はおよそ1割下
回るなど、円高などによる日本株の出遅れが目立ちますが、今月4日に一時16000円割れとなった後は戻りを試す展開が続いています。すでに25日移動平均線が75日線を下から上抜けるゴールデンクロスを達成しましたが、過熱感も見られないことから、当面は200日移動平均線の17200円辺りをうかがうと思います。

--そういった局面でのポイントは何でしょうか。
17日に公表されるアメリカの7月FOMC議事要旨や来週のジャクソンホールでのイエレン議長の発言で、仮に年内利上げの可能性が高まり、円安に傾けば、このまま上昇トレンドが続きそうです。

■【プロの眼】金融緩和の賞味期限切れ
9月の金融決定会合で日銀は金融政策の総括的な検討を行なうとし、再び市場では追加緩和期待が高まってきているが、世界的な金融緩和は賞味期限切れという。金融緩和を始めた当初は通貨安への効果があったが、次第にその効果はなくなっていると三菱東京UFJ銀行の内田氏は指摘する。なぜ効果が出にくくなっているのか、金融緩和の効果を期待できなくなった為替相場の動向はどうなるのか解説する。
--物価が下がってきています。そして日銀は金融政策の総括的な検討を行うというふうにしているので、市場では追加緩和期待が高まっているんですが、「金融緩和の賞味期限切れ」というのが内田さんの見方ですか。
(フリップ1:円の名目実効レート)
「日本に限らず、日銀の金融緩和と円相場のここ数年の動きを振り返

りますと、異次元緩和の導入と追加緩和の後というのは円安に動いている(グラフは下に行けば行くほど円安です)。但し、3年ぐらい経った辺りから円が反転しまして、マイナス金利導入決定後はむしろ円高が加速という状態ですね。」
--いま仰ったようにこれは日本だけのことではないということで、アメリカ、ユーロを見てみましょう。
(フリップ2:欧米の名目実効レート)
同じくアメリカもQE1、QE2の後はドル安だったんですが、その後ドルが次第に持ち直しまして、QE3後はむしろドル高につながっていっている。それからユーロ圏も同じですね。マイナス金利導入と掘り下げ、国債の買い入れ辺りまでがユーロ安、ただその後はユーロ高になっているという状況で、金融緩和をすれば機械的に通貨が下がるかというと、だいたい効果は2~3年ぐらい、回数にして2~3回ぐらいというのが共通した現象ということになります。
--それはどうして効かなくなるかというのは、何か条件があるのでしょうか。

逆に金融緩和が通貨安に波及する条件というのは、3つほどあると見ておりまして、1つがまず金融緩和によって名目金利が下がるかどうか、それから金融緩和によって物価上昇への期待が高まるかどうか、この2つを合わせますと要は予想実質金利が下がるかどうかということになります。それからもう一つはマーケットですので、相場として材料の鮮度が保たれているかどうか、ということだと思います。この3つが効かなくなってしまうと、金融緩和でもなかなか通貨安には波及しなくなるということだと思います。
--現在はそれが効かなくなっているということですね。
そうですね。日本はもう金利の低下余地というのがごくごく限られてきていて、物価上昇の期待感というのもちょっと落ちてきている。そして金融緩和で通貨安という材料としての鮮度もかなり低下してきているということがいえると思います。
--今後、緩和しても円安にならないとすると、どういったところが材料になってくるのですか。
米国の利上げもあっても散発的、日本の緩和の円安が限定的だとすると、これはやはり金融緩和の格差よりも、日米の経常収支の格差(日本は経常黒字)、それからインフレ率の格差(アメリカのほうが高い)、こういったものによってじわじわと円高圧力というものが強まってくるということで、やはり100円割れが年内に定着するのではないか、と予想しています。
■特集 ITで医療費抑制へ
日本の医療費は膨らみ続け2025年度には今より25%増え60兆円を超えると予測されています。こうした中、ITを使って医療費を抑制する動きが広がっています。再診診療をスマホで行える「ポケットドクター」は、医者が患者の画面に遠隔操作できるのが特徴。開発したMRTも医師不足解消や患者の利便性において、このようなシステムは有効で医療費抑制にもつながると考えています。一方、医療費抑制に欠かせない病気予防で重要な役割を果たすヘルスケア部門でもITが次々と導入されています。メガネ型のウエアラブル端末「JINSMEME」の開発者は、目の動きによって脳の活動を推察し、それをデータ化することでいずれは認知症予防につなげられるのではと考えています。専門家は医療費が抑制される流れの中、医療やヘルスケア分野のIT化は今後ますます加速するとみています。
《ポケットドクター》
日本の国民医療費は右肩上がり。25年度には60超円超との予測。大塚明美さんは皮膚科に通院しているが、ポケットドクターを利用している。ポケットドクターは遠隔診療用アプリで、病院に行かずにスマホなどで再診できる。ポケットドクターは医者が患者の画面を遠隔操作できるのが特徴で、例えば患者が画面に映した患部部分に手書き風のチェックができたり、指さしマークのアイコンで指し示したりできる。遠隔操作技術を持つオプティム社が共同開発した。はなぶさ皮膚科の花房火月院長はこのシステムは医師側から見てもメリットがあるという。
「例えば、手術をした翌日、翌々日にこちらが患者の様子を確認したい時に、遠方で来られない方には便利に使ってもらっている。」
開発した企業は、日本の医療分野の課題に対し、このようなシステムは有効だとしている。
《MRT株式会社/馬場稔正社長》
「まずは医師不足に対する医師の仕事の軽減化。もう一つは患者の利便性、結果として医療費削減になればいいのではないか、と考えている。これからは成長産業として、医療IT産業はますます重要かつ必要になってくると思います。」
《ヘルスケア》
一方、医療費抑制に欠かせないのが、病気を予防することだ。予防に役立つヘルスケア部分でもITが次々と導入されている。センサー付きメガネ型ウエアラブル端末『JINS MEME』は昨年11月発売。目の動きなどを感知し眠気・疲れなどを数値化する。『JINS MEME』を開発したジェイアイエヌの井上一鷹さんは目の動きによって脳の活動を推察し、それをデータ化することで、いずれは認知症予防につなげられるのでは、と考えている。
「目の動きをメガネで測定するというアイデアを東北大学の川島隆太先生にいただいた。それは予防医学の発想、川島先生の言葉でいうと『先制医療』という言葉を使っていた。昨日より今日、もっといい自分を作っていく、その気づきを得られるデバイスになれればと思っている。」
専門家は医療やヘルスケア分野のIT化は今後ますます加速すると見ている。
《大和総研/亀井亜希子氏》
「(今後の日本の医療は)財政負担が重くなっていきますので、医療費と介護費は抑制される状況にある。その状況を民間企業の力を活用して、医療市場を拡大させていく流れが1つある。また病院で入院できない人は在宅医療を受けないといけない時代になってくる。在宅医療を行う上で診療所のお医者さんと患者さんの間をITを使って効率化するという側面が1つある。」
安倍政権も課題に掲げる医療費抑制。医療分野のIT技術はこの問題を解決する一つの手段なのかもしれない。
■特集 モーサテ夏の基礎講座
今回は「モーサテ夏の基礎講座」と題して、普段モーサテをご覧になっている方にも、そうでない方にも、いつもとは少し違った視点で激動するマーケットの面白さをお伝えします。
【 ~株~ 】
株編の講師はニッセイ基礎研究所の井出真吾氏。

テーマ(1) 「日経平均は経済の体温計」
「株価をみることでいろいろその時の状態を把握できる。」
アベノミクスがはじまった当初、8000円台だった日経平均株価は、去年4月、国内経済や企業業績の改善期待などから、15年ぶりに2万円台を回復。しかしその後、中国経済への懸念、ブレグジットショック、安打化など、日本株への逆風が吹き、現在2万円回復はほど多い状況です。

日本の景気が良くなれば株価は上がるし、中国などをきっかけに日本の景気がこの先悪くなりそうだとなると株価は下がる。こういう意味で「経済の体温計」として機能している。
テーマ(2) 「なぜ専門家でも外す?株価予想の難しさ」
井出氏は、昨年11月、パリでテロ事件が発生したとき、下落を予想したが外した。井出氏がポイントとして挙げる株価の構成要素はおおきく3つ。企業業績、投資家心理、外部要因です。

① 企業業績 ・・・ 予想しやすい。
② 投資家心理 ・・・ 米国の利上げなどイベントがあるときに見通しづらい。
③ 外部要因 ・・・ 日本株のほうが米国株より外部要因の影響を受けやすい。
英国のEU離脱を問う国民投票のときもそうだった。日本の企業は輸出産業が多いから、日本国内の出来事よりも海外の出来事や為替レートの影響を受けやすい。こういう特性を踏まえて、日経平均は世界の景気敏感株、すなわちグローバル景気敏感株なので、「世界経済の体温計」でもある。
【 ~為替~ 】
日々変動する為替。為替の専門家はどのような所に注目して見ているのでしょうか。またそこから見えてくる日本の将来像とは?
解説はみずほ証券の鈴木健吾氏。

(1時限目) 「為替とは国の人気・強さ」
「通貨の強さは国の人気・強さのバロメーター。みんなが欲しがるかどうか。欲しがれば通貨の価値が上がる。為替の主な変動要素は成長率、金利差、国際収支、物価、政治要因であり、これらが為替を動かすという。
成長率の高い国、より高い金利の国、国際収支が黒字の国、物価が安い国、政権が安定している国の通貨が買われやすい。このような材料を見ながら、日々為替市場ではレートが動いている。
(2時限目) 「借金大国の円、なぜ安全通貨?」
「日本は借金もあり、不況も続いているが、日本は世界一の金持ち国家の側面もある。日本は世界中に対外純資産(米国などの国債や各国企業の株式、不動産など)をもっている。対外純資産は約399兆円で、過去25年間ぐらい遡っても日本はずっと世界一である。それが国の安心・通貨の安心につながっていて、結果としてこれが安全資産としての「円」というイメージにつながっている。但し、安全資産としての地位には、(国が)一定程度の成長をしていく必要がある。」

鈴木氏が注目するのは、日本の人口だ。日本では労働力の中核となる15~64歳までの人口が1995年にピークを迎え減少傾向にある。高齢化や人口減で今後成長率が低下し、長期的には円安につながっていく可能性があるという。
「目先10~20年、対策を打つ時間がまだ残されているので、そこでいかに出生率とか、移民とか、人口を通じた活力をつなぎとめることができるか、といったところも、すごく長期的な為替相場には重要なことかと思う。」
■日経朝特急
① 企業業績、減速感強く
上場企業の業績に減速感が強まっている。2017年3月期には経常減益に下振れする見通しで、通期で減益なら5年ぶりだ。円高の影響で自動車など製造業を中心に業績が低迷しており、想定為替レートも実勢より円安水準にとどまったままだ。稼ぐ力は強まっているものの、円高による外部環境の悪化を補いきれない。
② 設備投資が活発に
独立社外取締役を増やす企業は設備投資が活発になる傾向があることが内閣府の分析でわかった。2011年~14年度で、社外取を2人以上増やした企業は、設備投資の売上高に占める割合が6.4%と、「変化なし」または「減少」した企業と比べ、1.6ポイント高い結果となった。
③ 物価0.1ポイント下方修正
日銀は、総務省が実施したCPIの基準改定を反映した日銀版のCPIを発表した。6月の上昇率は前年比0.7%となり、基準改定前の0.8%に比べ0.1ポイントプラス幅が小さくなった。基準改定でマイナス幅が縮小した総務省版のCPIと方向感が逆の結果となった。
■日刊モーサテジャーナル
① メキシコの通貨上昇、背景にトランプ候補?(ウォールストリートジャーナル)
共和党のトランプ候補がメキシコの為替相場を動かしている。7月の党大会終了後、メキシコのペソは対ドルで急上昇。その背景にはトランプの支持率低下があるという。トランプ氏はメキシコからの不法移民を防ぐため、国境に壁を建設してその費用はメキシコに負担させる、と発言したほか、メキシコも加盟するNAFTA(北米自由貿易協定)からの離脱も示唆。あるアナリストは「こうした反グローバリゼーションの機運が高まると、メキシコ経済に大打撃を与え、ペソの下落につながる」と解説している。ただある投資家は、最近のペソ上昇の背景には、原油価格の回復やFRBの早期利上げはないという観測から、利回りを求めた新興国投資があると見ている。
② 米国・若者のクレジットカードローン、89年以来最低(ニューヨークタイムズ)
米国全体ではクレジットカードローンが増加しているが、若者・ミレニアル世代のクレジットカードローンは89年以来の最低水準で、若い世代が取り残されていることが浮き彫りになった、と伝えている。みれにある世代がカードローンを避ける背景には、すでに多額の学生ローンを抱えていたり、金融危機で父親が苦しむ姿を見たことなど、ローに対するイメージの悪化があるようだ。アメリカ人といえばこれまでローンを組んでパソコンなど大きな買い物をしたり、信用力を高めることで、住宅ローンを借りてきたりしていたと指摘し、長期的な消費に影響が出るのでは、と懸念している。
③ ハリウッドの不振、その背景とは?(ウォールストリートジャーナル)
世界の映画興行収入は好調だが、ハリウッド業界は不調で製作費を回収できない映画が続出している。製作費を100億円ほどかけたものの、失敗に終わった映画は今年16年はこれまで15作品と、去年15年の8作品の倍近くに上っている。とりわけ不振なのが「ミュータントタートルズ」や「インデペンデンスデイ」など有名作品の続編やリメイク。今年のヒット映画トップ10のうち、7作品がそうした続編やリメイクだが、ソーシャルメディアで不評で失敗する作品も多いという。
■今日の予定
米7月消費者物価指数
ユーロ圏6月貿易収支
米7月消費者物価指数
米7月住宅着工件数
米7月鉱工業生産
■ニュース
ロシア 増産凍結を議論へ
ロシアのノバク・エネルギー相は15日サウジアラビアなどと原油の増産凍結について議論するとの姿勢を示しました。サウジアラビアの地元紙とのインタビューでノバク氏は「サウジなどとの協議は続けていて、必要であれば増産凍結の議論もする」としました。また、OPEC=石油輸出国機構や非加盟国と「市場安定の実現に向けて対話を続ける決意だ」と強調しました。発言を受け15日のNY原油先物相場はおよそ1ヵ月ぶりに1バレル=45ドル台を回復しています。
米NY製造業景気 3ヵ月ぶりマイナス
ニューヨーク連銀が発表した8月の製造業景気指数は市場予想を下回り、マイナス4.21と前の月から悪化しました。マイナスは3ヵ月ぶりです。6ヵ月先の見通しも悪化しましたが、項目別に見ると広く改善していて、ニューヨーク連銀は「楽観的な見通しが維持されている」と分析しています。
《米NY連銀製造業景気指数》
8月 -4.21(前月 0.55)
6ヶ月先 23.74(前月29.24)
JPモルガン「英株買い推奨維持」
EU離脱による株価への下押し圧力は限定的とみています。JPモルガンがイギリス株に対する「買い推奨」を維持しました。ロイター通信によりますと、その理由としてイギリスの中央銀行、イングランド銀行の追加利下げの可能性を挙げているほか、イギリスの通貨ポンドの下落が輸出企業の業績を後押しするとみています。
成長率ほぼ横ばい景気足踏み
今年4月から6月のGDP=国内総生産はかろうじて2四半期連続のプラス成長となりましたが、ほぼ横ばいで景気は力強さを欠いた足踏み状態となっています。4月から6月の実質GDPは前の3ヵ月に比べ年率換算では、0.2%増で2期連続のプラスとなったものの、成長率は鈍化しました。内訳をみると「住宅投資」は日銀のマイナス金利政策で住宅ローン金利が下がったことなどから、5%のプラスとなったもののGDPの6割を占める「個人消費」は食品や衣料品が低迷し0.2%の小幅なプラスに留まりました。輸出が船舶や鉄鋼製品で弱く1.5%のマイナスだったほか設備投資は、工作機械などが減り0.4%のマイナスとなりました。円高や海外経済の減速に加え個人消費も伸び悩み景気は足踏み状態が続いています。
出光創業家が取締役ポスト要求
出光興産は昭和シェル石油との合併に反対している出光創業家から取締役のポストを要求されていたことを明らかにしましたこれはきのう夕方出光石油の関副社長が記者会見で明らかにしたものです。去年12月に出光名誉会長が月岡社長に宛てた文書で取締役1名を創業家から出すことや合併による影響力の低下に懸念を示したということです。創業者との信頼関係をベースに行動をすすめていきたいという方針がある出光の経営側はきのう改めて創業家に対し協議を呼びかけましたしかし、物別れに終わった先月11日以降協議は中断し創業家が昭和シェル株式を取得し、合併阻止に動くなど対立は深まっています。
伊方原発3号機が発送電開始
四国電力はきのう、再稼働した愛媛県にある伊方原子力発電所3号機で発電と送電を開始しました。22日にはフル稼働する予定で、原子力規制委員会の検査をへて来月7日に営業運転に入る見通しです。記者会見した四国電力の佐伯社長は、再稼働による電気料金の値下げについては「訴訟リスクがある」として否定的な考えを示しました。
終戦71年 戦没者追悼式
71回目の終戦記念日を迎えたきのう政府が主催する全国戦没者追悼式が開かれました。天皇・皇后両陛下をはじめ戦没者の遺族らおよそ6,000人が参列し、およそ310万人の戦没者を追悼し、平和への誓いを新たにしました。天皇陛下は去年に引き続き「深い反省」という言葉を使い、「今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願う」と述べられました。
高市大臣 丸川大臣が靖国参拝
東京・千代田区の靖国神社には高市総務大臣と丸川オリンピック・パラリンピック担当大臣の現役閣僚2人が参拝に訪れました。他にも、超党派の議員連盟およそ70人が参拝しました。一方で、安倍総理大臣は今年も参拝は見送りましたが、代理人を通じて「自民党総裁安倍晋三」と記帳し、私費で玉串料を納めました。
トランプ候補 「移民に思想信条チェック」
アメリカ共和党のトランプ候補は15日、テロ対策の1つとしてアメリカへの移民希望者に対し思想信条に関する審査を行う考えを示しました。トランプ氏は中東の過激派組織「イスラム国」などによるテロを防ぐためだとして移民の思想信条を厳しく審査すると強調しましたこれは、「イスラム教徒の入国を禁止する」としてきた従来の主張からは後退したものの、引き続き論議を呼びそうです。
■【コメンテーター】 三菱東京UFJ銀行/内田稔氏
・堅調な米国株、波乱要因は?
--アメリカの株は最高値更新ということですが、専門家はこの後も強気ということでしたが、内田さんはどう見ていますか。
「やはり景気はそこそこで、ただ利上げがすぐあるわけではないという株高の環境が背景になると思います。ただアメリカの例えばS&P500の予想株価収益率というのは、ITバブルの2000年前後を除くと、だいたい18倍というのが上値めどになってきている。それで行くと今はかなり高い水準にあるということは間違いないと思いますので、ここから先アメリカの企業業績が良くなっていくという期待が続けば、上値を追っていけるんでしょうけれども、それが無くなったところはちょっと高値・波乱含みで警戒が必要だと見ています。」
・日経朝特急/日銀版CPI0.1ポイント下方修正
--GDPもそうだったんですけど、日銀と政府が発表する指標にちょっとズレがあるというのが目立ちますね。
「そうですね。ただ水準はもちろん重要なんですが、トレンドとして物価は上がっていないという印象が非常に強いですから、日本の場合、実際の物価が物価上昇に対する期待感に与える影響というのが非常に強い特徴がありますので、いずれにしても物価上昇への期待の剥落というものが、円高と株安につながりやすいということは言えると思います。
・日刊モーサテジャーナル/メキシコの通貨上昇、背景にトランプ候補?
「共和党トランプ氏が大統領になった場合、一番警戒するのは政策の不連続ということなんです。アメリカの株式市場というのは良い結果と悪い結果があった場合に、一番不安定化するのは、どっちになるかわからないというこの不安定化というのがものすごく緊張をもたらすと思いますね。トランプ候補の支持率が今後上がってくると、逆にいろんなマーケットに影響が出てくると考えられます。」
・モーサテ夏の基礎講座 -株-
--世界の体温計だという話でしたが、例えば日銀がETF買いをすることで、体温計が少しくるってしまう、真実の体温を表さなくなってしまうということはないですか。
それはあると思いますね。国債の買い入れも巨額になっていますから、インフレへの期待とか、財政へのリスクプレミアムとか、この辺が非常に分かりにくくなっていますので、やはり中央銀行があまり過度に市場に関与してしまうと、そういった指標性というのが薄れてしまうというのはやはり懸念されると思います。
--あまり長くやらないほうがいい政策ではありますよね。
・モーサテ夏の基礎講座 -為替-
--人口が日本で減少していく中で、円安になっていくと仰っていたんですが、内田さんも同じ見立てですか。
「そうですね。やはり人口はキーワードになると思いますし、逆に人口が減って需要が落ちると、デフレ圧力で円高にもなってしまうので、いずれにしても大事なことは、日本の場合は世界4位の高齢国でありますので、労働参加を高めるというのが、一つのキーワードかなと思います。いま女性の労働参加率が非常に上がってきていますけれども、今度は年齢を広げて、労働人口を広げていくというのが、一つの処方箋になってくると考えられます。」
--為替の強弱というのはどういった視点でご覧になっていますか。
「やはり金利と物価を合わせた実質金利差というのは一つの大きな尺度ですね。ただこれは日本とアメリカでものすごく金融政策の格差があれば、これがものすごく材料になるんですけれども、今のようにアメリカは利上げをするんだけれども、あっても散発的、日本も記入緩和でもあまり材料にならなくなってきた。こうなると国際収支という実需が非常にモノを言う。このように見ています。」
・今日の経済視点 「やはり内需拡大が重要」
改めてということではあるんですけども、結局円安にしても輸出の数量は伸びない。それから円安によって物価は上がるわけですけれども、賃上げが追い付かないので、結果的に消費は伸び悩んでしまうということで、金融緩和で円高是正というやり方自体を見直すタイミングだというふうに思いますね。
--ではどうすれば…
やはりこれは設備投資と個人消費。設備投資は経団連が政府に9つの条件を出していて、ボールは今政府側に投げられている。あとは消費をどうするか、ということに知恵を出し合っていかなければいけないと考えています。
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