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モーニングサテライト・ウォッチ

2016.8.15 Newsモーニングサテライト

2016年08月15日 07時00分00秒 | MS
■マーケット

米消費者物価は足踏みか
金曜日の株価は小幅に高安まちまち。ナスダックは連日の最高値更新でした。今週日本はお盆休みの中、アメリカの利上げの行方に関心が集まりそうです。金曜日は小売売上高や生産者物価が期待に届かず、株価は狭いレンジでのもみ合いに終始しました。今後の焦点はやはり利上げ。7月の雇用統計の強さから早期利上げへの思惑も高まっていますが、この先はまさにデータ次第。完全に排除されていない9月利上げへのヒントを探るべく、FOMC議事要旨はもちろん今週予定されている消費者物価や住宅指標などへの注目も高まります。金曜日の株価です。ダウは反落。37ドル安の1万8,576ドル。ナスダックは続伸。4ポイント上昇の5,232。S&P500が反落。1ポイントマイナスの2,184でした。0 指標.jpg








月曜恒例、アメリカの専門家インタビューです。今週は、16日にアメリカの7月の消費者物価指数が発表されます。ここ3ヵ月、0.2%以上の上昇を維持してきましたが、エコノミストは、「今回はほぼ横ばいで、物価上昇は足踏みする」と予想します。

《RBS/ケビン・カミンズ氏》 米消費者物価は低調
「7月の消費者物価指数は前月比横ばいで、コア指数は0.1%の上昇だろう。季節要因もあるが、航空運賃が大きく下がると見ている。エネルギー価格も下落するだろう。ガソリン価格下げが足を引っ張り、エネルギー全体は1%超のマイナスになると予想する。」

また、今週は、7月の鉱工業生産も発表されます。自動車生産の回復で堅調な内容になるとカミンズ氏は見ています。

《RBS/ケビン・カミンズ氏》 米鉱工業生産は堅調
「7月の鉱工業生産指数は0.75%の上昇を予想する。指数を押し上げるのは主に自動車関連だ。最近の製造業の指標は自動車生産が回復し始めたことで比較的よかった。4-6月期GDP成長率は在庫投資の減少で大きな調整が入ったが、7-9月期は自動車生産の回復などでよい数字が期待できる。」





【為替見通し】注目ポイントは「日米の金利動向」
解説はJPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉氏

--まずは先週金曜日のドル円相場を振り返っていかがでしょうか。
金曜の海外時間には米国小売売上高、生産者物価指数の弱い結果を受けて、米国金利が急低下しました。日米金利差が大きく縮小する中でドル円も急落して一時101円割れとなっています。そのあとは米国株価、原油先物が上昇する中で、米国の金利が反発したことに伴ってドル円も反発して101円台を回復という展開になっております。

--注目ポイントは「日米の金利動向」です。kw1.JPG
6月以降ドル円相場と日米10年国債金利差の間には比較的強い相関関係があります。金曜の動きも日米金利差に沿ったものとなっておりまして、現在のドル円相場の水準は6月以来の日米10年債金利差との相関から示唆される水準と概ね整合的となっています。今週は米国で主要経済指標の発表が数多く予定されておりますので、指標を受けた米国金利動向に注意する必要があります。

--日米の金利差がさらに縮小しまして、ドル円が前回安値の99円をさらに割り込むという展開は可能性としてありますでしょうか。
年内といったスパンで見れば可能性は排除できないと思っていますが、ただ向こう1ヶ月程度に限れば可能性は低いと考えています。ポイントは来月の日銀金融政策決定会合における日銀の政策です。JPモルガンでは日銀は来月0.2%ポイントのマイナス金利の深掘りとともに、国債買い入れの10兆円増額を決定すると見ています。これは市場が現在織り込んでいるよりは積極的な金融緩和といえることから、市場が今後こうしたシナリオを織り込んでいけば、日本国債の金利低下が円安につながる展開になりやすいと考えております。0 為替.jpg
















【日本株見通し】注目ポイントは「海外投資家の様子見姿勢」
解説はSMBC信託銀行プレスティアの山口真弘氏

--今日の予想レンジは、16650-16950円です。
アメリカ株は取引き終盤にかけて下げ幅を縮小しましたが、ドル円が一時100円80銭台まで下落したことで、日経平均先物の戻りが鈍くなりました。本日は売られて寄り付くと思われますが、市場参加者が少ない中、売りは続かず、日経平均株価は16800円前後で揉み合いとなると見ています。なお本日4-6月期のGDPが公表されますが、1-3月期のうるう年の効果の反動もあり、仮に市場予想を下回ったとしても、大幅なマイナス成長とならない限りは、売り圧力は限定的となると見ています。nk1.JPG

--注目ポイントは「海外投資家の様子見姿勢」です。
チャートは米国で取引されております日本株ETFへの資金の流出・流入を2011年から累計したものであります。過去1年はこ累計額が減る、すなわち資金流出が続いておりましたが、政府による経済対策や日銀による追加間に対する期待の高まりをきっかけにまちまちの動きに変化しています。9月の日銀会合での総括的な検証の結果を見極めたいと海外投資家は様子見姿勢にシフトしている模様です。日経平均株価は17000円より上では戻り売りに押される一方、16000円より下では日銀や年金の買いに支えられて、方向感の出にくい相場展開がしばらく続くと見ています。目先の注目は今月26日に予定されるイエレンFRB議長のジャクソンホールでの公演です。アメリカでの利上げをめぐるヒントが示されれば、ドル円の変化を通じて日本株が動意づく可能性もありますのでこの点に注目をしています。





■【エマトピ】財政再建策による信頼感の回復がカギema1.JPG
リオオリンピックが開催中のブラジル・サンパウロから生電話。10日に上院本会議で弾劾法廷設置の是非を決める投票が行われ、59対21の圧倒的多数で可決されました。弾劾裁判は25日頃に始まり、上院本会議での最終投票で3分の2に当る54人以上の議員が賛成すれば、今月中にもルセフ大統領の罷免が決まる見通し。これにより「ルセフ大統領が復職するかもしれない」という不透明感が払拭されるという意味でマーケットにも景気にもプラスということです。ただし、ルセフ大統領の罷免は相場にほぼ織り込み済み。もう一段高となるためには、メイレレス財務大臣が進めている財政再建策が議会承認を得られることが必要で、政府と議会が一丸となって財政再建に取り組むことで、経営者や投資家の信頼感を取り戻し、景気回復につなげられるかが課題という事です。
解説は大和証券サンパウロの横路史生氏。


--リオ・オリンピック開幕から1週間が経ちましたね。日本ではとても盛り上がっていますが、現地ではいかがでしょうか。
先週の水曜日は男子サッカーの日本-スウェーデンの試合がありましたが、サンパウロでは総領事館などが音頭を取って、パブリックビューイング (大型スクリーンで観戦するイベント) を行い、日本人駐在員や日系ブラジル人など約300人が集まって日本代表を応援しました。面白かったのは1kgの洗濯洗剤が入場料代わりだった点です。これは社会福祉団体への寄付が目的ですが、現金だと横領の恐れがあるためです。さてリオでのオリンピックは治安の問題はあるものの、協議は滞りなく順調に進んでいます。但しブラジル国内で盛り上がっているかというと、そうでもありません。

--自国開催なのにどうしてですか。
ブラジル人はサッカー以外の競技にあまり関心がないからです。また表彰台に上がるブラジル人選手が少ないためでもあります。地元の飲食店でもテレビ中継を映していますが、中継目当てのお客さんは多くはありません。但し、景気にとっては盛り上がらなくて良かったかもしれません。

--盛り上がらないほうが景気に良いというのはどうしてですか。
現在の景気後退の引き金となったは2年前のサッカーW杯でした。大会期間中、工場が1ヶ月間も閉鎖となったり、ブラジルの試合があるときは24時間営業のスーパーまでもが閉店したりするなど、生産と消費活動が停滞したからです。今年はそうしたことがほとんどないので、マイナスの経済効果が少なくてよかったというわけです。

--さてオリンピックが終わりますと、今度はルセフ大統領の罷免問題に注目ですね。
そうですね。秒読み段階に入っております。今月10日に上院本会議で弾劾法廷設置の是非を決める投票が行われ、59対21の圧倒的多数で可決されました。弾劾裁判は25日頃に始まり、今月中にも終わる見通しです。上院本会議での再度の投票で3分の2に当る54人以上の議員が賛成すれば、現在停職中のルセフ大統領の罷免が決まります。ema2.JPG

--罷免が決まれば、ブラジル株やレアル相場、景気も上向くんでしょうか。

ルセフ大統領が復職するかもしれないという不透明感が払しょくされるという意味で、マーケットにも景気にもプラスです。但しルセフ大統領の罷免は相場にほぼ織り込み済みですので、もう一段高となるためには、メイレレス財務大臣が進めている財政再建策が議会承認を得られることが必要です。政府と議会が一丸となって財政再建に取り組むことで、企業経営者や投資家の信頼感を取り戻し、景気回復につなげてくれることを願うばかりです。





■【NY便り】IMF幹部インタビュー
IMF=国際通貨基金の調査局・副局長のジャン・マリア・ミレシー・フェレッティ氏がテレビ東京とのインタビューに応じ、世界経済の今後について「楽観できない」との見解を示しました。

世界経済を詳しく分析し、各国に政策提言をおこなっているのがIMF調査局です。そのエコノミスト集団の陣頭指揮にあたっているのがイタリアのローマ出身のフェレッティ副局長です。

《IMF調査局/フェレッティ副局長》
「残念ながら、世界経済の成長は想定より緩やかだといわあるを得ない。加えて、状況を悪化させる多くのリスク要因が残っている。先進国経済の成長は想定よりやや低く、英EU離脱は明らかにマイナスだった。」

世界を揺るがしたイギリスのEU離脱の決定。長期的に見て世界経済全体に大きな影響が及ぶ可能性があると見ています。
「英EU離脱決定が世界経済にどのような影響を及ぼすのか、イギリスとEUの交渉の行方にかかっている。イギリスのの貿易がEU加盟と同じような条件で保証されれば良いが、双方がより分離した形となってしまえば、イギリス経済にとってだけでなく、EUにとっても打撃となるだろう。」

ヨーロッパ経済をめぐって、フェレッティ氏は銀行の不良債権処理が進むかどうか、これが大きなポイントだと強調しました。
「IMFは以前より欧州の銀行の脆弱性を指摘してきた。銀行が期待される金融機能を十分発揮するため、不良債権処理は欠かせない。さもなければ金融市場の不安が周期的に高まる結果となってしまう。」

一方、日本経済の今後について、日銀のこれまでの金融緩和を評価する一方で、アベノミクスの第3の矢、構造改革を急がないと、全てが水の泡になると警鐘を鳴らしました。
「経済成長を確保するため、金融政策や財政政策は確かに重要だ。特に人口減少など下押し圧力が続く日本にとって重要性が高い。その一方で、労働市場の革新を促す構造改革が必要だ。正規雇用と非正規の二面性をを解消し、賃金格差を是正すべきで、また女性の雇用増加を図り、国外からの労働者受け入れを検討すべきだ。」

このほか、日銀などが導入したマイナス金利政策について、フェレッティ氏はスイス、デンマークなどでも採用され、一定の効果が見られると前向きの評価を下す一方で、無限に下げられるわけではなくこの政策には限界があるとの見方を強調しました。また日銀が目指す2%の物価目標を達成するためには、インフレ期待の上昇が必要で、そのためにも構造改革が重要だ、と訴えていました。

続いて東京です。


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--吉崎さん、最後の話にあった構造改革についてモーサテサーベイで聞きました。「安倍再改造内閣に期待する経済政策」を聞いたところ、1位は規制改革の69%、そして雇用制度改革55%、社会保障改革52%と上の3つがやはり全てなんですね。

《双日総研/吉崎達彦氏》 「そうなんですね。やはりここまでやったらさすがに日本経済は変わるぞ、と自分たちで思えるくらいのことを本当はやって欲しいんだけれども、なかなか進んでいないですよね。」

--今後期待できるかどうか。

《吉崎氏》 「特にこの後、臨時国会なんかで出てくるのは、この雇用制度改革だと思います。ただこの雇用の問題というのは多分に法律よりも、何となくみんながそういうものだと思っている意識の部分が結構大きくて、そこを変えるのはなかなか簡単ではないと思う。例えば女性活躍社会ということでいうと、やっぱり都知事も女性ですから、といったほうが効果が大きいと思うんですよね。」

--人々の気分を変えるという意味では、まず現実を見せるというのがいいということですね。そこから一歩一歩ということですね。





■【モーサテ・サーベイ】今週のマーケットを出演者が予想
マーケットや世界経済の先行きを番組のレギュラー出演者へのアンケートから独自に予想します。
《期間:8月12-14日、番組出演者30人にアンケート調査》
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・ 今週末の日経平均予想
予想中央値(17000円)先週終値(16919円)
大和証券/石黒英之氏(17200円予想)
「予想以上に底堅い企業決算の内容を受けて、海外勢を中心に、日本株を見直す動きが強まりやすい。」
ニッセイ基礎研究所/井出真吾氏(16400円予想)
「材料乏しくやや弱含む展開だ。」。



・ 今週末のドル円相場予想sabei2.JPG
予想中央値(101.50円)先週終値(101.32円)
三菱東京UFJ銀行/内田稔氏(100.50円予想)
「日米の金融政策ではなく、経常収支の格差がドル安円高の材料と見る」
ブラウンブラザーズハリマン/伊庭剛氏(103円予想)
「テクニカルな下値攻めは短期に終わり、新たな材料なければ自律反発の展開になる」。



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・ 3ヶ月先の景気を占うモーサテ景気先行指数
  13.3(悪化)











■特集 夏の地球儀外交 安倍総理の狙い
安倍総理は夏休み中だが、休み明けは重要外交が相次ぐ。リオオリンピック閉会式出席から始まり、アフリカ開発会議、日露首脳会談、G20首脳会議といった大きな場への出席が続く。それぞれの外交における安倍総理の狙いがどこにあるのか、双日総研の吉崎達彦氏が解説する。

--政府は臨時国会の召集を9月下旬をめどに調整していますけれども、そこまでの1ヶ月の間、安倍総理はどういった外遊をし、どういった狙いを持っているのか、分析していただきたいんですが、それにしても印象としてずいぶん海外を飛び回っているようですね。

「今まで合計が延べ93ヶ国、移動距離は地球20周以上だそうなんです。たぶん歴代でも断トツでしょうね。」

--それだけ海外を重視している・・・。今後の予定も見ていきましょう。
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8月はリオ五輪閉会式で南米に、ケニア・ナイロビでのアフリカ開発会議、9月はロシア・ウラジオストクで日露首脳会談、中国・杭州でG20首脳会議、ひょっとすると国連総会にも行くと4大陸です。大変ですね。

--8月に関して言いますと、いままに盛り上がっているリオ・オリンピックの閉会式に出席予定。
だってリオが終わったら次は東京だね、っていうことになるから、そうするともう誰にあっても、東京五輪よろしく、と言えるわけですよ。これを言われて悪い気がする人は誰もいませんから、相当な武器になるんじゃないかと思います。

--ただ狙いとして一つ大きなのが、「小池都知事と関係修復」ですね。
都知事も行くので、そうするとあまり人目につかないところでじっくりと関係修復ができるという、そういう副次効果あると思います。

--やはり都議会が来年選挙があるということで・・・
(都知事は)今は新党(結成)も選択肢といっていますけれども、むしろ自民党の都議会が歩み寄ってくるのを待っているという感じだと思います。

--そしてその翌週にはアフリカ開発会議。

これも6回目になるんですけれども、TICAD6(第6回アフリカ開発会議) 、今までずっと日本でやってきたアフリカとの定期会合を、今回は初めてアフリカのナイロビでやるということになっています。これも日本としてアフリカへの支援の姿勢を示す。もともと中国のプレゼンスが高かったんですけれども、ここへきて日本としても牽制を入れたいということだと思いますね。

--ということは何かそういった手土産ではないですけれど、提案というものを・・・

そうですね。アフリカも本当は資源安とか、テロとかでずいぶん雰囲気が変わってきていますので、ここで日本の変わらぬ姿勢というのを見せたいところだと思います。

--そして9月に入りますと、ロシア、そしてG20とずいぶん大掛かりな会合が続きます。

この後、実はラオスにも行くことになっているので、本当に大国外交なわけなんですが、おそらく一番安倍さんが力を入れているのは、日ロ首脳会談(9月2-3日)だと思います。安倍さんの最近の発言によく出てくるのは、「戦後71年経って日ロ間の平和条約がない。これはおかしい。」ということをよく言うんですね。これは年内のプーチン訪日を目指す。この週末に下関に招きたいということも言っていましたね。

--ということは狙いは「平和条約の締結」を非常に重要視している。

これが決まると本当に大きな政治家としてのレガシー(遺産)になると思いますので、内心期するところは大きいと思います。特に今年の年末から来年の年初にかけて、というのはアメリカがちょうど大統領の交代期間に入ります。この期間であれば、あまりアメリカから横やりが入らない、そのことを日ロ双方が意識していると思います。

--そしてその次の4日からはG20首脳会議ということで、これに合わせて安倍総理は習近平国家主席との会談を調整しています。対中国というのも絡んできますね。

G20は日本としてもなかなか出方が分からないところがあると思います。というのはG20のような大きな会合を控えているときは、なるべく穏便に済ませたいはずなのに、先週から東シナ海に船を大量に動員して挑発行為を行っている。これはどういう意図があるのか、よく読めないわけなんですが、一つの見方としては、先週ちょうど北大河会議で習近平が北京を離れていた、その間にどうも反体制派が仕掛けをしているのではないか、そうだとすると何とかこの後は収束方向に向かうのではないかと思うのですが、当面これは様子見に出るしかないと思いますね。

--となるとお話を伺っていると、日ロ首脳会談というものが非常に大きくなってくる。ただそれに関しては世論がどう受け止めるのか。

そうですね。日ロ双方にとって、これから世論がどう動くのか、というところが読みきれないところだと思います。プーチンさんも次の選挙が2018年なので、動くとしたらなるべく早いうちですね。日本側としても領土問題で日本が100%言い分が通るとはちょっと考えにくいので、場合によってはこのことをテーマとして、国民の信を問うといったこともあるかもしれない。それはこれがものすごくうまく進むという場合ですけれども、その(選挙の)可能性を一つ見ておく必要があると思いますね。

--9月2-3日にかけて行われる日ロ首脳会談が非常に大きな意味を持ってくる可能性があるということですね。






■日経朝特急

①訪日客、入国審査迅速に
政府は日本への入国審査を出発前に現地の空港で済ませる仕組みを導入する方針だ。訪日客は希望すれば出入国カードのチェックなど日本の空港で実施する入国審査手続きの大半をすませ、入国時の待ち時間を大幅に短くする。増える訪日外国人観光客に対応するためで、まず韓国政府、台湾当局と交渉を進め、来年度中の実現をめざす。



②投資先と定期対話
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、投資先企業との定期対話を始める。日産自動車やエーザイなどが幹事社となり、来月、初会議を開く。毎年2回程度開き、企業活動の理解を深めて運用成績の向上につなげる狙い。



③金属くず集荷、海外拡大
非鉄金属大手が金属相場の低迷を受けて、海外で金属スクラップの集荷を強化する。銅など金属の国際価格が低迷するなか、DOWAホールディングスは米国やヨーロッパの拠点で排ガス触媒となるプラチナやロジウムなどの集荷量を8割増やし、約30億円を投じて処理能力も高める。また三菱マテリアルは来年春にヨーロッパで新たな集荷拠点を稼働させる。「都市鉱山」と呼ばれる電子機器の廃基板類などから出る金属の回収網を海外に広げ、収益源にする。





■日刊モーサテジャーナル

①米株価は今後も上昇か
先週木曜日にダウ・ナスダック・S&P500の3指数がそろって過去最高値更新したが、米各紙は3指数そろっての最高値更新は1999年12月31日以来だったことに注目している。ウォールストリートジャーナルは、1999年当時と現在のナスダックを比較、当時の株価急上昇がITバブル崩壊につながったとも言われたが、現在は投資家も慎重で、まだ株価上昇は続くと記事は見ている。また今年の10-12月期までに米国の企業業績が回復する兆しが見えるほか、低金利の継続も株価に追い風だと解説している。一方、週刊投資新聞バロンズは、これまで株価を支えてきた公益株など、いわゆるディフェンシブ株に代わって、利益を2桁ペースで上げるハイテク株が今後、勢いを取り戻すのではないか、と分析している。



②クリントン政権に備えよ(週刊投資新聞バロンズ)
相次ぐ問題発言で共和党トランプ候補の支持率が低迷するなか、バロンズは「投資家はそろそろ民主党クリントン政権の誕生を考え始めたほうがいい。」と報道。クリントン氏が大統領になったら、どの業種に追い風が吹くのか、また逆風になるのか、分析をしている。
「クリントン氏はトランプ氏が訴える極端な保護貿易主義には走らないと見られることから、GEなど多国籍企業は恩恵を受けると指摘。一方、クリントン氏は薬の値下げを訴えているほか、過剰なリスクを取る大手銀行に手数料を課すなど、金融業界に対して更なる規制強化も打ち出していて、こうした業界では株価の下落が見込まれる」と伝えている。



③米国の小さな町にポケモンGOプレイヤー殺到(ワシントンポスト)
米バージニア州の人口1000人ほどの町オッコクアンに、ポケモンGOのプレイヤーが押し寄せた。人が殺到しすぎ、住民から不満の声が出ている。レストランや小売業界にとってはいいが、交通、教育、安全面で問題で問題が出ている。例えば、夜中まで外でポケモンを探す若者たちがたてる騒音で子どもを寝かせられないという苦情が寄せられたり、今までは珍しかった交通渋滞が起きているという。




■今週の予定

15日(月) 4-6月期GDP(速報値)、米8月NY連銀製造業景気指数
16日(火) 米7月消費者物価指数、米7月鉱工業生産、米7月住宅着工件数
17日(水) 7月訪日外国人数、米FOMC議事要旨
18日(木) 7月貿易統計、米8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、中国7月主要70都市新築住宅価格





■ニュース

ミルウォーキー デモが暴徒化
アメリカ中西部、ミルウォーキーで13日夜、警察に反発するデモ参加者の一部が暴徒化し、ガソリンスタンドや警察車両が放火される騒ぎとなりました。デモのきっかけは警官による射殺です。ミルウォーキー市内で13日、車から逃げた男性を警官が射殺しました。これに抗議するため集まった市民の一部が暴徒化し、警官1人が投石で負傷したほかガソリンスタンドや警察車両が放火され、激しく燃え上がりました。現地の警察によりますと、射殺された男性は銃を持っていたということで、14日記者会見したミルウォーキーのバレット市長もこれを確認しました。市長は必要に応じ夜間外出禁止令などを発令するとしています。




Uターンラッシュがピーク
お盆を古里や行楽地で過ごした人たちのUターンラッシュがきのう、ピークを迎え、新幹線や高速道路などでは混雑となりました。JR各社によりますと、東京駅に向かう新幹線の上りの指定席はほぼ満席で、自由席も乗車率が100%を超える列車が相次ぐなど、一日中、混雑が続きました。また、高速道路では、東名高速道路の大和トンネル付近で一時57キロの渋滞になるなど上り線を中心に渋滞が相次ぎました。



全日空が離陸中止
きのう午後2時25分ごろ、成田発上海行きの全日空959便ボーイング787型機が離陸の滑走を始めた直後に、エンジンの異常を示す表示が出て異常音がしたため、離陸を中止しました。国土交通省成田空港事務所によりますと全日空機は自力で走行して、駐機場に移動したということで、機体を点検し原因を調べています。エンジンなどの部品とみられる多数の金属片が落下したため、およそ1時間20分にわたり滑走路が閉鎖されました。



トルコ 8万人超を処分
トルコのクーデター未遂事件から15日でちょうど1ヵ月です。エルドアン大統領による粛清が続いていて、クーデター未遂に関わったとして、すでに8万人を超える軍人などが処分されました。トルコメディアによりますと軍人や公務員など5,000人近くが罷免され7万6,000人以上が停職になりました。トルコ政府はアメリカに住むイスラム指導者、ギュレン師を黒幕としていますが、軍内部の首謀者は未だにわかっていない状況で、事態収拾のめどはたっていません。






■【コメンテーター】双日総研/吉崎達彦氏

・今日発表、4-6月期GDPは?

--国内のGDPは今回はそんなに悪くはないんですかね。

「プラス1%内外というところだと思います。よく4-6月期GDPは予想を大きく下回って、夏場にみんなが焦るというパターンが多いですけれども、今年の場合にはもう既に手も打ってあるし、あまり驚くことはなさそうですね。」

--とは言っても、このGDPに関しては日銀が試算を出したり、この統計でいいのかという声があって、エコノミストとしてはどういう風に受け止められますか。

「それもある。このビッグデータの時代に、家計調査のアンケートで数字を作っていていいのか、っていうのもありますし、年末になりますと、2008SNAという新しい基準が導入されますので、そうするとたぶん7-9月期の改定値からすっかりまた雰囲気が変わってしまいます。だからGDPってこれでいいのかっていう話、このあともう少し議論を深める必要があるのではないか、と思います。」





・日刊モーサテジャーナル/クリントン政権に備えよ

--クリントン政権誕生、もうそろそろ織り込んだほうがいいんですか。

「トランプさんは今までは共和党員相手の戦いだったんですけれども、そこから党大会を過ぎたら、全米を相手にする戦いに切り替えないといけないのに、切り替わっていないもんだから、ひんしゅく発言続出でちょっと大変なことになっていますね。」

--支持率もだいぶ差が出てきたんですね。

「支持率以上に、州ごとの選挙人の数を予想していくと、ものすごい大差になっていますね。民主党がかなり大勝利パターンになっていると思いますね。」





・今日の経済視点 「GDPの改善  ①Data ②Plus ③価値」

GDPが上がった、下がった、ではなくて、これをどうやって改善していったらいいのか、という話がこれから出てくるのではないか、と思います。その時に私どもが仲間内でしている議論で、いくつかあるんですけれども、
《論点①データ》
例えばビッグデータの活用、税務会計を使うなんてのもいいと思います。
《論点②Plus》
お金で計算できないもの、家庭内労働などは入っていませんので、これをGDPPlusとして入れたらいいんじゃないか。
《論点③価値》
最後に価値の問題があって、だいたいGDPって1人3万ドルを超えてくると次に何を目指せばいいのか、よく分からなくなってくるので、環境を目指すのか、住みよい暮らしを目指すのか、とか何かそういう踏み込んだ議論も必要になってくる。大体この3点ぐらいに収れんするのかなと思います。








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