■マーケット
企業育てる米大統領選
《中継:ジェトロNY/前中康志氏》
米国の大統領選挙が新たなIT企業を生み出す役割を果たしているようです。トランプ氏がツイッターなどによる情報発信を重視している一方、クリントン氏はデータ分析を重視しています。クリントン氏は選挙運動を効率的に行うため、ザ・グラウンドワークなどのIT活用を進めています。有権者の連絡先管理、過去の投票行動の解析や効果的なメール送信など、ITの活用を進めています。Facebookなどにはばく大な広告収入が入っていると言われます。大統領選挙でのIT技術を駆使した熾烈な選挙戦がベンチャー企業を生み出す機会にもなります。例えば、シビス・アナリティクスというビッグデータ解析を行う企業はオバマ陣営で2回の大統領選を戦ったITチームが選挙戦で得たノウハウを活かそうと選挙後に起こした会社です。同じように、共和党のロムニー氏の陣営にいた技術者たちもデジタル広告を手掛けるディープ・ルート・アナリティクスという会社を立ち上げています。
日本マクドナルド 「ポケモンGO」と連携発表
今夜、日本マクドナルドホールディングスが「ポケモンGO」とのコラボレーションを正式に発表しました。一部報道によると、マクドナルドの店舗でゲームの対戦などが可能になる見通しだと伝えられています。任天堂などが開発した「ポケモンGO」は今月6日に米国で配信されてからAppStoreランキングで1位になるなど人気が沸騰しています。
日本では近日中に配信される予定ですが、配信に先駆け盛り上がっているのが株式市場です。ポケモンGOの配信で業績等に好影響が得られるとの思惑からポケモンに関連した銘柄の株価が上昇しています。子会社がポケモンの映画やアニメの制作を手掛けているイマジカロボットホールディングスの株価は今日2.8%の値上がり。子会社が大阪で「ポケモンEXPOジム」を運営しているサノヤスホールディングスの株価は13.5%も値上がりしています。また、一部報道で連携が伝えられていたマクドナルドの株価もおよそ10%値上がりしました。一方で、きょう日本での配信が期待されていた任天堂の株価は、ひとまず利益を確定しようとする売りによって値下がりしました。市場関係者の間では、今後も「ポケモン」関連の銘柄の乱高下が続くとみられています。
■【コメンテーター】武田洋子氏(三菱総研政策・経済研究センターチーフエコノミスト)
・集客の秘策はアプリ/「割引」より「経験」で客の心をつかめ
--独自のアプリを使って割引以外の何ができるか、ここがポイントですね。
「そうですね。元々は集めた顧客データを企業はマーケティングに活用するということはもう近年進んでいたんですけれども、最近では活用の方法も多様化しているように思います。例えば先ほどVTRにございました吉野家さんのデジタルボトルキープという新らしいサービスは、単に割引サービスを提供するだけではなく、仮想空間でボトルキープすることでどこの吉野家さんに行ってもマイボトルがあるということが、顧客にとっての新しい経験になるのかなと思います。従って新しい経験をしてもらって顧客の行動を変えていくということが今後の動きになってくるのではないかなと思います。」
--気にしているのは客単価よりも客数なんですね。
《大浜》 「やっぱり頻繁に来てくれる人をどれだけきちんと持ち続けるか、という考えは大きいみたいです。」
・訪日外国人数、過去最高/円高でも外国人客呼ぶ日本の「引力」強めよ
--訪日外国人数が半年で見ても6月で見ても過去最多になったということですが、これは順調に増え続けると見ていいんでしょうか。
「VTRにもございましたように、訪日外国人の数は依然として高水準で過去最高なわけですが、実は伸び率で見ますと昨年の下期から今年の上期にかけて鈍化してるんですね。私どもの分析では、円高の影響があるのではないかとみていまして、欧米からの観光客よりアジアからの観光客のほうが円高の影響を受けやすい、コストに敏感であるというような試算結果があります。また例えば円高が10%進んだ場合には、全体の人数が120万人ぐらい押し下げられてしまうという試算結果もあるんですね。」
--今年年初から考えますとどうでしょうか。円高で・・・
「はい、ちょうどだいたい年末から数えて10%ぐらい円高が進んでいますので、もし円高が進んでいなければ、もっと増やす余地があったというふうに考えることはできると思います。」
--鈍化している局面をどう捉えればいいんでしょう。
「私は実は前向きにとらえておりまして、おそらくインバウンドのお客さんが一気に増えたものですから、各地域の対応が遅れていた面もあると思うんですね。従って各地域が地元の観光資源をもう一回見直して掘り起こして、きちんと整理あるいは戦略を立てていく、ある種そういった取り組み時間ができた、前向きに取り組む機会にしていく、そんな捉え方ができるのではないかと思います。」
・甘い顔できないEU
--英国のメイ首相が20日にドイツ、21日にフランスとまずはヨーロッパで外交をスタートとなりますけれども、早速メルケル首相、オランド大統領、大物と対峙することになります。そんな中で注目ポイントは何でしょうか。
「一番の注目ポイントは、やはり英国がEU離脱の正式通告をいつ行うかというところが当面の注目点だと思います。メイ首相は2017年以降になってから正式に通告しますよというふうに言っています。しかし一方で、メルケル首相を始めEUサイドはそうした見方には厳しい姿勢を取っておりまして、出来るだけ早期に通告して欲しいと言っています。何故EUがこういうふうに厳しい姿勢を取るかと言いますと、2017年にはドイツやフランスでかなり大きい重要な選挙があるんですね。従ってそこで安易に妥協してしまうと、自分の国の中でも反EU勢力を高めかねないということがあります。例えば欧州の民間調査機関によりますと、今年5月のアンケート結果なんですけれども、自国で国民投票があった場合にEU離脱に賛成すると答えている人の割合が、例えばイタリアで48%、フランスでも41%、ドイツでさえ34%に達しています。よってドイツもフランスも安易には妥協できないという状況です。」
--そうしますと英国とEUでずっと平行線をたどった場合はどうなるんでしょうか。
「やはり平行線をたどってしまうと日本企業にとっても不確実な情勢がいばらく続いてしまうということではないかと思います。」
■ニュース
米大統領選挙 池上 彰氏 緊急生中継
アメリカの共和党が19日、オハイオ州クリーブランドで開いた党大会で、大統領候補としてドナルド・トランプ氏を正式に指名しました。党大会会場からは、現地で取材しているジャーナリストの池上彰氏が緊急リポート。党大会では投票の際、3割の参加者がトランプ氏不支持に回るなど、党の亀裂が浮き彫りになりました。また、トランプ氏も「大統領候補」として党全体の支持を得るため、これまで過激だった発言がトーンダウン。そんなトランプ氏に対し民主党側は、過去のトランプ氏の暴言を振り返るCMによって批判し始めました。大統領選の行方は依然、混とんとしています。
《中継:オハイオ州クリーブランド/池上彰氏・相内キャスター》
【共和党に“亀裂”!?】
米国・共和党大会でドナルドトランプが大統領候補として指名を受けた。
今回の党大会には全米から約2500人の代議員が参加したが、投票の結果トランプを支持したのは約1700人と全体の7割だった。
《池上氏》 「共和党全体として盛り上げていこうという努力の跡は見えるが、色々な所でちぐはぐな印象は否めない。投票で3割の代議員が支持しなかったのは過去の党大会を見ても異例のことだ。今回の党大会は『和解と亀裂』と言える。これまでトランプは共和党の主流派に対する批判を続け主流派と対立してきたが、党大会で候補になったという点では和解と言える。しかしなかなか一枚岩にはなれず、あちらこちらで亀裂が見られる。」
【過激な“トランプ節”に変化?】
--不支持の人達を取り込む為にも和解という面でトランプ自身はどう動いているのか。
《池上氏》 「今回の党大会で共和党の政策綱領がまとめられた。そこにもトランプ候補、共和党主流派の妥協点といのがある。」
《共和党綱領(一部抜粋)》
・ 『(メキシコ)国境の壁を建設する事を支持する』
・ 『(TPPに関して)国益にならない貿易協定は拒絶するべきだ』一歩後退する表現で共和党主流派と妥協している。これまで自分たちの思いを代弁してくれるとトランプ氏を支持してきた人達からは、このように共和党の主流派と折り合いをつけるようになると『これまでの共和党と変わらない』との不満が出そうだ。」
【民主党が「批判CM」!?】
--トランプとこれから対決をする民主党側は今どの様な動きを見せているのか。
《池上氏》 「来週から民主党大会が開かれてヒラリーを大統領候補に指名する事になっているが、早くもトランプに対する反撃のCMを流している。メキシコの人に対する差別意識や体に不自由な人に対する差別発言をテレビで流していて、米国の子供達はそれを見ている。こんな人を大統領にしてもいいのかと訴えるネガティブキャンペーンのCM。これは子供を持つ親にとっては非常に衝撃的なCMだと思う。こういったネガティブキャンペーンは米国ならではないか。」
【トランプ・大統領になれる?】
--トランプは大統領になる可能性はあるのか。
《池上氏》 「もし今、米国大統領選挙が行われたら恐らくヒラリー候補が勝つだろう。しかし実際の選挙は11月でまだまだ長い。この間、国際情勢で何が起きるか分からず、ひょっとするとトランプ候補の大逆転という事もあり得る。現時点ではヒラリー候補の可能性が高いが、11月までは確定的な事は言えない。」
集客の秘策はアプリ
吉野家が「デジタルボトルキープ」という新サービスを発表しました。独自のスマホアプリ「吉野家アプリ」の機能の一つで仮想マイボトルを購入するとビールや焼酎10杯分が通常より500円安くなるというものです。ちょい飲み需要をてこ入れしつつ競合他社と差別化することで客単価と客数の両方を押し上げる効果が期待できます。一方、回転寿司大手のスシローは自社アプリを使って「まいどポイント」を貯められるサービスのテストを始めています。狙いはリピート客の増加です。スシローは早くから店舗運営にITを取り入れていて、キッチンではビッグデータを使ってネタの管理を行ってきました。今後はアプリを進化させていくことで客の属性、利用動機などの情報をネタ管理システムと融合させて精度を高めていくとしています。
【酒代が安くなる!?吉野家で“ボトルキープ”】
吉野家が今日から全国540店舗で始めた「デジタルボトルキープ」。スマートフォンで吉野家独自のアプリをダウンロードして、ビールや焼酎の仮想マイボトルを購入すると10杯分が通常価格より500円安くなるというもの。吉野家は4月から単価の安い豚丼を復活させた結果、客数は増えたものの客単価は減ってしまった。さらに3年前に始めた吉呑み(ちょい飲み)は他の外食産業の導入し始め、差別化が難しくなってきている。今回のデジタルボトルキープはちょい飲み需要をテコ入れしつつ競合他社と差別化する事で客単価と客数の両方を押し上げる効果が期待できる。
《吉野家ホールディングス/河村泰貴社長》
「重視しているのは客数。このアプリによりどのくらいの頻度で飲んでいるかを把握できる。それが将来どんなサービスに繋がるか考えていく。」
さらに今後、酒以外のメニューでも新サービスを導入する可能性を示唆した。
【独自アプリで攻める外食スシロー、リピート客増&効率化】
回転寿司のスシローはアプリを使った集客に力を入れている。スマートフォンで予約ができるアプリを去年2月に導入し、これまでに430万件もダウンロードされている。当初は混雑緩和を目的に導入したアプリだが、それ以外の活用も進めている。5月からはこのアプリで予約するとポイント(まいどポイント)が貯まり、そのポイント数によって料金の割引が受けられるサービスを始めた。狙いはリピート客の増加だ。あきんどスシローは早くから店舗運営にITを取り入れていて、2002年には回転すし総合管理システムを導入した。今後はこのシステムとアプリで予約する客の属性や好みをビッグデータとして分析し、さらに精度を高める考えだ。外食大手はアプリを使って客を集める事はもちろん、それぞれの店の特徴に合わせた独自のアプリでサービスの向上や利益率を高める事に取り組み出している。
《大浜メモ》 (牛丼チェーン、脱価格戦略なるか?)
特に牛丼の業界は顕著なんですが、利用客が価格に敏感な人が非常に多い。そうなってくると会社側の戦略としていろんなことを考えるが、突き詰めるとやはり価格を上げたり下げたりということになりがちです。ただこれは会社側からすると、身を削るような戦略だということで、何とか価格とは違うところで客を引き付けたいというのは、ある意味悲願なんだそうです。今回のアプリを使ったシステムというのはそのスタートラインで、取材した吉野家の場合でいうと、このアプリも実は外注ではなくて独自で作っているということです。こういうサービスを始めて、いろんな反応を見ながらどんどん新しいサービスにつなげていくため、機動的な動きができるようにあえて自分で作っている。
サントリーとアサヒが和解
ノンアルコールビールの特許を侵害されたとして、国内シェア1位のサントリーホールディングスがシェア2位のアサヒビールに対しドライゼロの製造と販売の差し止めを求めた裁判は、知財高裁で和解が成立しました。一審は、「同業者ならば容易に発明できる」と判断しこれを不服としたサントリー側が控訴していました。きょうの和解協議では双方が、訴えや特許の無効についての申し立てを取り下げることで合意したということです。これによりアサヒ側は、商品の製造と販売をこれまで通り続けることになりました。
訪日客 上期で1,000万人超
観光庁は今年1月から6月の訪日外国人の数が、1,171万3,800人と、初めて1,000万人を超え過去最多となったと発表しました。また同時に発表された6月単月の訪日客の数は、198万5,700人とこちらも過去最多を記録しました。観光庁は、訪日客の数がいずれも過去最多になったことについて、熊本地震で落ち込んだ韓国からの観光客が戻ってきたことが要因だとしています。
訃報・大橋巨泉・死去
タレントや放送作家として活躍した大橋巨泉が12日、急性呼吸不全のため千葉県内の病院で亡くなった。人気番組の構成を数多く手掛け、自身も司会者として活躍。近年は胃がんなどを患い手術を受けていた。
百貨店売上高 4ヶ月連続減
日本百貨店協会が、きょう発表した6月の全国の百貨店売上高は、1年前に比べて3.5%減少し、4,699億円でした。マイナスは4ヵ月連続です。訪日外国人、1人あたりの購入額が、およそ3割も落ち込み、中国人旅行者による「爆買い」が沈静化したためと見られています。
日英外相会議 「日系企業を最優先」
岸田外務大臣はイギリスの新たな外相、ジョンソン氏と電話で会談し、イギリスのEU離脱で日系企業に悪影響が出ないよう、適切な対応を求めました。これに対し、ジョンソン外相は、「日系企業への対応は我々の第一の優先事項だ」と強調しました。また、両国がアジアを含む国際社会でルールに基づいた平和と繁栄に向け連携していくことで一致しました。
「星のや東京」が開業
旅館やホテルを運営する星野リゾートがきょう、東京・大手町に「星のや東京」をオープンしました。「星のや東京」のテーマは、「塔の日本旅館」。オフィスビル風の建物へ一歩足を踏み入れると、日本情緒溢れる畳敷きの空間が広がります。客室は布団のような低いベッドや和紙や左官仕上げの壁で“日本らしさ”を演出。また、各フロアには24時間いつでも利用できる「お茶の間ラウンジ」が設けられているほか、上層階には温泉も完備されています。東京オリンピックを前に外資系ホテルが続々と都心に誕生する中、一味違った「日本旅館」で差別化を図ります。
《星野リゾート/星野佳路代表》
「西洋ホテルはたくさんあるが、ラグジュアリーな日本旅館は私たちだけ。日本旅館を大都市でも通用する形に進化させてホテルのスタイルの一つに位置づけたい。」
■【ロングセラー研究所】ピノ
発売から40年。ピノの人気は年々上昇。売り上げも年間100億円を超え、去年、過去最高益を達成しました。
《分析》
・ 「アイスとチョコの黄金比率を40年間守ることで客を離さない」
・ 「期間限定商品で客を飽きさせず、去年過去最高の売り上げ達成」
「ピノ」誕生は1976年。
1980年代、ファミリーパックが人気で、個人がメインターゲットのピノは苦戦。
1992年、「ピノチョコアソート」を発売。
2004年にはいちご味を期間限定で発売。
それ以降59回限定商品を出し続けている。
このロングセラー商品、ピノの人気の秘密はアイスとチョコの“黄金比率”にあります。アイスが8g、チョコが2g、このアイスとチョコが食べ終わりまで口の中で絡み合う絶妙のバランスは40年間守り続けられています。また、ピノの独特な形は口を開けたときの形がヒントに作られており、チョコも通常より溶けやすいものを使う工夫も。さらに時代に合わせたアソートパックや期間限定のフレーバー味の発売や、ピノフォンデュカフェなどのイベントも、ピノ人気を支える大きな役割を果たしています。
取材先・森永乳業
■【トレたま】ラジオ局が作るラジオ
ラジオ局が作ったBLEラジオ「Hint」。「BLE」はブルートゥースを使って情報を発信できる技術。ラジオの放送でディスクジョッキーが電話のプッシュ音で信号を送り、ラジオの周りにあるスマートフォンにURLが送られる。「Hint」はクラウドファンディングで資金を集めている。
《ニッポン放送/吉田尚記アナウンサー》
「東日本大震災のとき輪番停電があり、情報を伝えなければいけなかった。音でURLを伝えられればこういうことができると思った。ラジオとインターネットを今までに無い形で結びつけることをやりたい。」
【商品名】Hint
【商品の特徴】ラジオ番組でDJが電話のプッシュ音で信号を送るとラジオ本体のまわりにあるスマートフォンにURLが送られるラジオ
【企業名】ニッポン放送、セレボ、グッドスマイルカンパニー
【住所】東京都千代田区有楽町1-9ー3
【発売日】クラウドファンディングで資金調達中
【トレたまキャスター】北村まあさ
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