■マーケット
NY株 そろって続伸
昨日に続いて、原油を取り巻く課題が、改善するとの思惑が相場に安心感を与えました。ダウは3日続けて3ケタの上昇です。サウジやロシアなどが進めている増産凍結に、反対の意思を示していたイランが協力を表明し、原油価格が大きく上昇、市場心理を改善させました。これを受けエネルギーや素材、金融関連などが上昇し、株価は午後に入って一段高。注目のFOMC議事要旨では大多数のメンバーが、最近の市場の混乱に懸念を示していた事が判明しました。原油価格の上昇がドルをサポートしていたものの、議事要旨の公表後、上値が重くなりました。現在の株価、揃って三日続伸です。ダウが257ドル高、1万6,453ドル。ナスダックが98ポイント上昇です、4,534。S&P500が31ポイントプラスの1,926です。
【NY証券取引所中継】米鉱工業生産 改善
解説は岡三証券NYの坂下尚人氏
・ 鉱工業生産(前月比)
1月 +09%(予想を上回る)
12月 -0.7%
・ 1月鉱工業生産(前月比)の内訳
公益事業 +5・4%
暖房需要上昇で電力・ガス会社、稼働増
しかし未だ停滞感が続くと見ている。先行性のあるISM製造業景気指数は依然、節目の50を下回っている。ドル高や原油安のマイナス要因に加えて、在庫調整圧力が残っているので、引き続き製造業の重しになる。
解説は岡三証券NYの坂下尚人氏
去年の秋以降から損害保険セクターの株価が堅調に推移。金利低下で他の金融セクターは大きく値を下げている中、低金利で自動車や住宅市場の好調が続き、保険需要の高まりが期待されプラス要因と捉えられている。自動車の走行距離が伸びている一方で事故が増加傾向で、損保大手は去年同様に自己頻度が緩やかに増加すると見ている。事故増加で保険料値上げに動いており、業績拡大に寄与している。
【為替見通し】注目ポイントは「原油価格と米経済指標」
解説はJPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉氏
113.00~114.50
最近ドル円相場の短期的方向性は、原油価格に左右されている。JPモルガンでは今後数か月間、原油価格は下落基調をたどるとみており、円高要因と捉えている。一方ドルについてはFRBの利上げ期待の後退で下落してきたが、その反動がしばらく続く。以上の結果、円もドルもしばらく変動は少なくレンジ取引を続ける可能性が高いと見ている。
アメリカの金利とドルの相関関係は今年に入って崩れていたが、足元では復活しつつある。したがってアメリカの経済指標等を受けた金利動向がドル方向性にとって重要になってきている。
【日本株見通し】注目ポイントは「中国人民元の行方」
解説は大和証券の木野内栄治氏
G20で人民元の切り下げがないことが確認できると見ている。そうすれば出遅れている日本株も大幅修正の動きになる。
【世界の株価】17日の終値
■【プロの眼】マイナス金利の衝撃 日銀の誤算
日銀はマイナス金利政策を導入したが、効果はすぐにでず、しばらくは「副作用」の方が目立つだろう。足元の円高で、本来の目的である17年度前半の「2%の物価目標達成」はむしろ遠のいた。日銀の誤算はどこにあったのか?解説は岡三証券の愛宕伸康氏。
金融政策は本来効果が出るのに時間がかかるもので、しばらくは副作用のほうが目立つ状況が続く。国債金融の「トリレンマ」という理論があり、あまり為替に注目しすぎると、金融政策の手足がが縛られる。
国債金融の「トリレンマ」 ・・・ 「自由な資本移動」「安定した為替相場」「独立した金融政策」の3つの目標を同時に達成することはできない。
今マーケットは「金融政策がドル円115円を意識したものではないか、為替相場安定ということにこだわっているのではないか。」と見ている。「黒田レンジ115円~125円に安定させようとした」と投機筋が見た。投機筋(短期筋)がその当たりを試したのだろう。今後も投機的に仕掛けてくるリスクはある。ただ、円高はデフレ圧力につながるので、中央銀行としては物価の安定を目指す限り、円高は好ましくない。
解決策は、地道な政策実行しかない。TPP合意やビザ緩和によるインバウンド需要の増加など、アベノミクスの成果はいくつも出ている。そういった取り組みを着実に継続していくことだ。
■岡三証券 愛宕伸康氏(日銀出身)
・ 利上げペースは鈍る?
今日の住宅着工など、このところ指標が下振れる。若干為替にも影響が出ている。
・経済視点『想像力』
経験のない政策を打ち出している。経済の行方、どんなリスクがあるのか、これから想像力の勝負になってくる。
■特集 中国マネー韓国を席巻
乱シーグループ/申相国副社長
『韓国で数多くの企業を買収したい。原則はひとつ。1位の企業であること。』
中国経済鈍化でリターンが得にくくなっている。そこで豊富な資金を武器に成長性のある韓国企業へ向かっている。
KEBハナ銀行/外国顧客部/趙課長
『(中国からの投資は)増えている。去年は360億円ほど実績があった。(今年は)1200億円ほどを予想している』
岡三証券/愛宕伸康氏
国内経済を金融政策によって浮揚させようとすると、追加緩和になるので資本が流出する。したがってなかなか金融政策で国内経済が持ち上がらない。国内需要が先細りとなると、企業は需要を海外へ求める、即ち日本と同じような状況が起きている。
■今日の予定
1月貿易統計
1月消費者物価
EU首脳会議(~19日)
米2月フィラデルフィア連銀景気指数
米決算ウォルマート
■ニュース
1月FOMC 市場混乱を議論
経済の下振れリスクが高まったと見ているようです。世界的に相場が荒れた1月に開かれたアメリカのFOMC=連邦公開市場委員会の議事要旨が17日公表され市場の混乱について踏み込んだ議論がされたことが分かりました。1月に発表された声明では世界的な株安など金融市場の混乱について「リスクを精査する必要がある」としていましたが今回発表された議事要旨によりますと、ほとんどのメンバーが信用リスクの高まりなどアメリカの金融情勢が厳しさを増していると判断しています。また、今後の見通しについても不透明感が増しているとの見方が大勢です。ただ、2度目の利上げ時期や今後の金融政策については具体的な議論はありませんでした。
イラン石油相 協調表明
イランのザンギャネ石油相は17日、「原油価格を回復するためのいかなる行動も支持する」と述べました。これは、ロイター通信がイランメディアの報道として伝えたものでベネズエラやイラクの石油担当相との会談後に述べました。WTI先物価格は、この発言を受け一時1バレル=31ドル台まで上昇しました。
米住宅着工 3ヵ月ぶり低水準
アメリカの商務省が17日発表した、1月の住宅着工件数は3ヵ月ぶりの低水準まで落ち込み市場予想も下回りました。中西部を中心にすべての地域で着工件数が減少し改定された前の月に比べ3.8%のマイナスとなりました。住宅市場の先行きを占ううえで注目される着工許可件数は0.2%減少しましたが120万2,000戸と3ヵ月連続で120万戸を超え依然高い水準を維持しています。
米生産者物価 予想に反し上昇
アメリカの労働省が17日発表した1月の生産者物価指数は食品の値上がりでマイナスになると見ていた市場の予想に反し0.1%の上昇となりました。野菜や牛肉などが高騰し食品価格が1%上昇しエネルギー価格の下落分を補う形となりました。また、サービス分野での価格上昇が続いていて株や債券などの取引手数料が31%上昇しました。変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数は0.4%上昇と3ヵ月連続のプラスとなっています。
米Tモバイル 増収増益
アメリカの携帯電話サービスTモバイルが17日発表した去年10月から12月期の決算は新規加入者が大幅に増え増収増益でした。純利益は前の年に比べおよそ3倍で一株利益は34セントと市場予想を上回りました。ソフトバンクの子会社で同業のスプリントの新規加入者が50万人に留まった一方で、Tモバイルは130万人の顧客を新たに集めました。今年についても240万から340万人の新規加入者が見込めると強気の見通しで株価は一時、5%上昇しました。
・ 米Tモバイル 10-12月期(前年比)
売上高 82億4,700万ドル(+1.1%)
純利益 2億9,700万ドル(2.9倍)
1株利益 34セント(予想を上回る)
・携帯電話新規加入者数(10-12月期)
スプリント 50万人
Tモバイル 130万人
天文衛星の打ち上げ成功
JAXA=宇宙航空研究開発機構は、天文衛星を載せたH2Aロケットを打ち上げ、成功しました。「ひとみ」と新たに名付けられた天文衛星は、宇宙でブラックホールなどを観測する予定です。種子島宇宙センターから打ち上げられたH2Aロケット30号機。搭載していたエックス線天文衛星は、ロケットから分離され、無事、地球を回る軌道に入りました。JAXAはこの天文衛星を「ひとみ」と命名しました。「ひとみ」は天体が放出するエックス線を高感度で捉え、銀河や宇宙の謎に迫るのが目的で、地球から80億光年離れたブラックホールを観測する能力もあります。およそ、3ヵ月かけて機器を調整し、夏ごろから3年間にわたる本格運用を始めます。一方、H2Aの打ち上げ成功はこれで2005年から24回連続で、成功率は97%となりました。
貯蓄性保険の一部販売停止
第一生命保険の子会社がマイナス金利の影響で貯蓄性の高い一部の保険商品の販売を停止したことがわかりました。対象は、運用期間が5年の円建て個人年金保険と一部の一時払い終身保険の2種類です。また、富国生命保険でも3月から一部の一時払い終身保険の販売を休止するなど、マイナス金利による保険会社の商品の販売見直しや検討が相次いでいます。
タカタ欧州拠点を集約へ
欠陥エアバッグの問題に揺れるタカタがヨーロッパのエアバッグ生産拠点の集約や、海外を中心にした人員削減などのリストラ策を検討していることが分かりました。一部の事業の売却も進めて巨額のリコール費用を最大限確保したい考えです。再建計画策定の委任を受ける外部の専門家委員会が高田重久会長兼社長らによる一族経営の見直しも検討し、4月までに計画をまとめるとみられます。
キリンもウイスキー輸出へ
キリンビールが主力ウイスキーの「富士山麓」の輸出を検討しています。早ければ年内にも輸出を始め、海外でも人気が高まる日本産ウイスキーの一角として売り上げ増を狙います。3月に「富士山麓」を刷新し、輸出に備えて瓶の容量も海外で一般的な700ミリリットルに増やします。ただ、原酒が不足しているため国内外のニーズを見極めて輸出量を検討します。
アンカラ中心部で爆発
トルコの首都アンカラの中心部で17日大規模な爆発があり、これまでに28人が死亡、60人以上がけがをしました。現場は、政府庁舎や軍の本部から近く地元当局は、爆弾を積んだ車が軍の要員を乗せた車両を標的にして爆発したもようだとしています。また、トルコ軍の当局者は、爆発は「テロ行為だ」と述べました。アンカラでは、去年10月に中東の過激派組織「イスラム国」の仕業とみられる大規模な自爆テロが起き、100人以上が犠牲になりました。
最新鋭機F22が韓国に
アメリカ空軍の最新鋭ステルス戦闘機「F22」4機がきのう、韓国北西部に飛来しました。聯合ニュースによりますと「F22」は沖縄県の嘉手納基地から派遣され、4機のうち2機は当面、韓国に残るということです。事実上の長距離弾道ミサイル発射などを強行した北朝鮮をけん制する狙いがあるとみられます。
米ケリー長官「深刻な懸念」
中国が南シナ海の西沙諸島に地対空ミサイルを配備したことについてアメリカのケリー国務長官は17日、深刻な懸念を表明しました。アメリカ政府は中国が、実効支配している西沙諸島のウッディー島に地対空ミサイルを配備したことを衛星写真によって確認しています。この問題をめぐってケリー長官は今後、数日中に中国側と「真剣な協議」を行う方針ですが中国政府は「主権の範囲内だ」として軍事展開を正当化する主張を繰り返しています。
■日経超特急
①マイナス金利、家計に波及、逆風と恩恵が混在。
【逆風】
《貯蓄》
・ 三井住友銀行に続き、郵貯銀行やりそな銀行が普通預金の金利引き下げ
・ メガバンク各行が定期預金の金利引き下げ
《資産運用》
・ 富国生命が一時払い終身保険の一部販売停止
・ 太陽生命が約束した利回りの引き下げ検討
・ MMFなど新規受け入れ停止
【恩恵】
・ 自動車購入、プジョー・シトロエン・ジャポンがゼロ金利キャンペーン
・ 住宅購入、三井住友銀行に続き、りそな銀行も住宅ローン金利引き下げ
・ 外貨預金、ネット銀行などが高金利キャンペーン
・ 百貨店、積立金などで還元強化
②2月17日、銀行間翌日物金利、10年ぶりマイナス
岡三証券 愛宕伸康氏『マイナスになったことよりも、取引が急減していることのほうが懸念される。流動性が枯渇すると、いざ資金が必要な時にリスクがある。』
③機械受注統計の1-3月期受注額見通し(内閣府)前期比8.6%増
但し、中国経済の不安や世界的な金融不安など、経営者が委縮する恐れもあり、見通しに届かない懸念がある。
■日刊モーサテジャーナル
①USA_TODAY『殺人犯のスマホを見せるようにアップルに命令』
カリフォルニア州の連邦地方裁判所が、アップルに対して去年12月に起きた銃乱射事件の容疑者の携帯電話のロック解除に協力するよう要請した。事件から2か月以上経った今もFBIは容疑者のiPhoneロック解除ができていない。何度もパスワードの入力ミスを繰り返すとデータ消去の仕組みがあるからだ。
アップル/クックCEO「個人情報保護の観点から、ロック解除の要請を拒否する」と表明。
WSJ『"安全"と"個人情報の保護"をめぐり、米政府とハイテク企業が激しく対立している』
アメリカ政府『スマホなどの暗号化技術でテロ事件などの全容解明が困難になっている』と批判。
ハイテク業界『サイバー攻撃などを避けるため、暗号化技術は必要』
②FT『EU首脳会議「ブリグジット・サミット」』
ブリグジット(Brexit = 脱EU)『イギリスのEU離脱』の意味。
・・・ 「Brit(Britain)」と「exit」を組み合わせた表現。
イギリスのキャメロン首相は、EU残留の条件として「EU改革を要求」。今回はその改革案が検討される見通し。移民への福祉軽減などが焦点。EU離脱に反対のキャメロン首相は、もし改革案合意なら国民投票(投票日:6月23日から)に突入する構え。ただ合意せず交渉が長期化すれば、キャメロン首相もEU離脱に賛成せざるを得なくなる。
③WSJ『上司がデータを使って部下の病気を早期発見』
アメリカでは社員の物品購入や保険請求などのデータから社員の健康状態を予測し、健康を損なう兆候があれば治療を促すという取組を行う会社が増えている。ビッグデータの分析を専門とする会社と契約。社員の健康維持で福利厚生費用の削減が狙い。ただプライバシー侵害を指摘する声も上がっている。
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