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モーニングサテライト・ウォッチ

2016.9.12 Newsモーニングサテライト

2016年09月12日 07時00分00秒 | MS
■マーケット

9日のNY株急落m1.JPG
金曜日のNY株は、夏休み明けのまったり感も、一気に吹き飛ぶ急落でした。9月利上げへ不安が一気に高まりました。きっかけは、利上げに慎重なスタンスをとってきたボストン連銀のローゼングレン総裁が、早めの利上げに前向きな姿勢を示した事。7月半ば以降、小幅な動きに終始していた株価ですが、金曜日には50日移動平均を大きく下回りました。月曜にはハト派を代表するブレイナード理事の発言が予定され、注目度が高まっています。週後半の、小売売上高や物価指標の発表も市場のマインドに影響をあたえそうです。金曜日の株価終値です。ダウは3日続落、394ドル安の1万8,085ドル。ナスダックは続落、133ポイント下落の5,125。S&P500が3日続落、53ポイントマイナスの2,127でした。下げ幅は揃って、イギリスの国民投票以来の大きさでした。0 指標.jpg









月曜恒例専門家インタビューです。今週は、15日に8月の小売売上高が発表されます。エコノミストは、今回は、弱い内容を予想しますが、アメリカの消費は堅調だと指摘します。

《バンクオブアメリカ・メリルリンチ/エマニュエラ・エナネジャー氏》

【8月小売は軟調も消費堅調】
「8月の小売売上高は、自動車が不振で、前月比0.1%減となるだろう。自動車などを除いたコアは0.2%増と小幅ながら増えると見ている。ただアメリカの消費は非常に堅調だ。4-6月期の個人消費支出は強かった。消費の基礎となる賃金と雇用も、ゆるやかながら伸びている。8月の数字は良くないかもしれないが、消費は非常に強いとみている。」

この他、16日には、8月の消費者物価指数が発表されます。専門家は、物価は緩やかな上昇が確認されると見ています。

【米物価は緩やかに上昇】
「8月の消費者物価指数は全体・コアともに前月比0.2%上昇だろう。これはとてもいい伸びだ。また前年比では1.0%上昇を予想する。1.0%と上昇ペースが遅い理由は、ガソリン価格が大きく下落したからだ。しかし、最近ガソリン価格は回復し、家賃も上がっている。年末から来年初めにかけインフレ率は前年比で大きく上昇するとみている。」







【為替見通し】注目は「FRBブレイナード理事 発言」
解説は三菱UFJ信託銀行の酒井聡彦氏

--先週末のNY市場はドル買い円安の展開でしたね。
長期金利の上昇を背景にドルは対主要通貨で全面高の展開、ドル高と長期金利の上昇によりアメリカの株式市場は先週末、大幅に調整しました。

--予想レンジは、102.00円 - 103.60円、注目は「FRBブレイナード理事 発言」です。
アメリカ債券市場では先週から低金利環境を少しでも生かそうと大型の起債が相次いでおり、FRB のタカ派スタンスと相まってアメリカの長期金利が上昇しています。そうした中、本日はクリントン政権となった場合、次期財務長官の呼び声も高い FRB ブレーナード理事の講演が予定されております。もっともハト派とみられているブレーナード理事が FOMC ブラックアウト直前のこのタイミングで少しでもタカ派色を示すことがあれば、バーケットは 9月の利上げを織り込みに行く可能性があります。

--そうした場合ですと、日米の金利差拡大を見込んだ円売りドル買いの展開となりそうですね。
はい、来週にかけて 105円程度まで円安が進む展開を見ておく必要がありそうですが、ドル高とアメリカの長期金利上昇の組み合わせは、中国をはじめとするエマージング経済にネガティブに作用するため、FRB はその引き金を本当に引く気があるのか、本日のブレーナード理事の発言に注目しております。0 為替.jpg















【日本株見通し】注目ポイントは「曜日効果に変化?」
解説は岩井コスモ証券の林卓郎氏

--今日の予想レンジは、16600~17000円です。ニューヨークの急落を受けまして、週明けはどういうふうに動くでしょうか。
やはり厳しい寄りつきが想定されますが、一方で先週確認された日本株の底堅さ、また米金利上昇に伴う円安が下値を支えると思います。このところ月曜日のパフォーマンスが良好なことも支援材料となるかもしれません。nk1.JPG


--注目ポイントは「曜日効果に変化?」です。
(フリップ1:日経平均の「曜日効果」)
今週はイベントを控えてなかなか読みずらい局面が続きますので、今日は少し違った観点から相場を見てみました。曜日効果は相場のクセとも言われるアノマリーの一種でありまして、一般には古くから月曜日のマーケットが下がりやすいといったことなどが知られています。実際、日本株でも過去10年間のデータを検証すると、月曜日は平均してパフォーマンスが良くないことが確認できます。しかし今年に入ってこれが変化しておりまして、今年は逆に月曜日にこそ株価が強いという結果を示しています。

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(フリップ2:月曜の上昇確立高い)
実は上昇する確率や日中の値動きについても、一週間の中で月曜日が最も好成績となっていまして、さらにここ3ヵ月についてはその傾向は一段と鮮明です。こうしたアノマリーに反するようなパフォーマンスは、地合いの強さの表れとも言える変化でありまして、今後に向けて前向きな材料と考えています。








■【エマトピ】医療分野に商機ema0.JPG
経済状況が良好なオーストラリアですが、リーマンショック以降、消費者の節約志向が続いています。そのため、小売業者間での価格競争が進み、今後しばらくの間、低インフレ状態が続くと思われます。そんな中、新しい経済成長の基盤として政府は医療分野のイノベーションを進めようと考えています。市場規模を拡大することで新たな投資を呼び込みます。中には将来の可能性を見越してすでに動き出している日本企業も。解説は大和証券の藤井園子氏。


【好調なオーストラリア経済に忍び寄る低インフレの影】

--オーストラリアは先週、政策金利を過去最低の1.5%に据え置きましたが、国内の経済状況はあまり良くないのでしょうか。

「いいえ、オーストラリアの景気は穏やかな改善傾向を持続しています。
7月の雇用統計では雇用者数が市場予想を上回る前月比2.6万人増、失業率5.7%と悪くありませんでした。」

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--でも、そうすると金融政策が緩和的になるのは何か理由があるのでしょうか。

(フリップ1:インフレ目標届かず)
「オーストラリア準備銀行のインフレ目標2~3%なのですが、ここ2四半期連続でその下限を下回る状態が続いています。大きな要因の1つが小売店間の値下げ競争で、2大スーパーの「ウールワース」と「コールス」では値下げが常態化しています。その背景には、消費者の節約志向でシェアを伸ばしてきたドイツのディスカウントストア「アルディ」など外資系企業の市場参入があります。価格競争が緩和するまでにはだいぶ時間がかかりそうで、ほかにも住宅価格や賃金の伸び悩みなどの影響で、今後も消費者物価指数がインフレ目標の2~3%のレンジに戻る見通しは薄いと思います。」


【期待の成長セクター、医療分野に商機】

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--低インフレの影が忍び寄っているということですが、政府としては何か対策は考えているのでしょうか。

(フリップ2:豪は医療分野の先駆者)
「ターンブル首相は次の成長セクターを育てるべく、イノベーションに力を入れ始めました。その一つが医療分野です。あまりイノベーションというイメージのないオーストラリアですが、プラスチック製の使い捨て注射器、世界シェア70%を誇る人工内耳など、オーストラリアで実用化されたものです。」

--オーストラリアが医療分野で進んでいるというのは、意外な気がしますけれども、では具体的にどのようなことを始めるのでしょうか。

「政府は先月10日にバイオメディァルトランスレーションファンドを設置しました。オーストラリアはマーケットが小さいため、これまでは重要な技術が資金不足で商業化に至らないことや、海外企業に買収されるケースが多かったんです。今回、ファンドを設立することで、国内企業を支援し、技術の流出を防ぐことで、医療市場を拡大しさらなる投資を呼び込むのが狙いです。」

--医療セクターが成長して活性化すれば、日本の企業にもより多くのチャンスが訪れそうですね。

「はい、遺伝子治療薬の開発を行うアンジェスMGが、来年に高血圧DNAワクチンの臨床試験をオーストラリアで行う予定です。他にも次世代の創薬、医療ビジネスの早期実用化を支援するセルイノベーションパートナーズがバイオベンチャーのエラスタジェン(オーストラリア)に約8000万円を出資するなど、日系企業の動きは活発になっています。医療分野は今後のオーストラリア経済の成長を担う産業となりえますので、日系企業によるオーストラリア進出はさらに増えていくと思います。」





■中国 副業が当たり前?仕事をかけもつワケ
景気減速が鮮明となっている中国で、働き方に異変が起きています。いま中国では、働く人たちの間で「副業」を持つ人が増えています。中国の大手人材派遣の調査では、「副業を行っている」と答えた人が4割を超えました。多いのがネットショップの経営。そして、ウーバーのようなアプリを使った配車サービスなどのドライバーです。また、宅配業者のなかには副業の人材を活用して低コストでスピード配送のビジネスモデルを構築する企業も登場しました。背景には物価上昇で厳しくなる生活を少しでも楽にしたいという働く側の事情に加え、スマホなどの発達によって仕事を細かく発注、請け負うことができる技術革新がありました。中国でブームになっている「副業」の実態と背景を取材しました。

《2016年09月01日 WBS・ワールドビジネスサテライト再放送》
http://creampan.seesaa.net/article/441558810.html
特集 中国 副業が当たり前?仕事をかけもつワケ





■【モーサテ・サーベイ】今週のマーケットを出演者が予想
マーケットや世界経済の先行きを番組のレギュラー出演者へのアンケートから独自に予想します。
(期間:9月9日~11日、番組出演者35人)

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・ 今週末の日経平均予想
予想中央値(16800)先週終値(16965)

《ソシエテジェネラル証券/島本浩司氏》 
(16800予想)
「アメリカ株下落を受け、売り先行となるが、円安や日銀ETF購入で底堅く推移する」

《みずほ証券/三浦豊氏》
(16200円予想)
「リスク許容度の低下により、外国人の手仕舞い売りが出る」


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・今週末のドル円予想
予想中央値(102.50円)先週終値(102.72円)

《三菱UFJモルガン・スタンレー証券/植野大作氏》
(102.50円予想)
「日米の金融政策のイベントを控え、方向感が出にくい展開」

《ブラウン・ブラザーズ・ハリマン/伊庭剛氏》
(104円予想)
「マーケットはドル買いの材料に反応したがっている感がある」


・米利上げ時期予想
9月(9%)、11月(6%)、12月(77%)、17年3月(3%)、17年7月以降(6%)


・日銀追加緩和、時期予想
9月(51%)、11月(20%)、12月(6%)、17年1月(6%)、なし(17%)






■日銀 金融政策の行方は…
今月20日、21日に行われる日銀の総括的な検証。岡三証券・愛宕伸康氏(元日銀、景気・金融・物価分析専門)は2年で物価上昇2%の2年という期間を外し、金融政策でコントロールできない理由として、原油相場、インフレ期待、賃金、自然利子率などを強調するとしています。
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・モーサテサーベイによると・・・

【今回日銀が何を決定するか。】
  マイナス金利深掘り 55%
  2年で2%の物価目標の『2年』を外す 52%
  国債購入目標を柔軟化 48%
  買い入れ対象資産拡大 36%
  金融機関への貸出にマイナス金利 21%

最も多かったのは、「マイナス金利深掘り」。JPモルガン証券の菅野さんは、「黒田総裁などが肯定的な見解を示していること」を理由に挙げています。
続いて多かったのが、「2年で2%の物価目標の『2年』を外す」。バークレイズ証券の森田さんは、「従来のカレンダーベースのコミュニケーションは混乱のもとにしかなっていない」と指摘。
続いて「国債購入目標を柔軟化」。つまり国債の買い入れを70~90兆円などに柔軟化する案です。そして「買い入れ対象資産拡大」と続きます。また「金融機関への貸出にマイナス金利の適用」や「REITの買い入れ増額」「物価上昇2%目標の変更」などにも少数ながら回答が寄せられました。「その他」の回答の中には「マネタリーベース目標の撤廃」などという意見もありました。


--これは合わせ技というところも多いですが、例えば、マイナス金利の深掘りと期間を延ばすとか、いろんな答えが出てきて、これって市場も迷っている感じがしますね。

「そうです。私もそうです。」

--でも日銀にいらしたので、何となく雰囲気がつかめると思うんですけども・・・、では愛宕さんは今回何をしてくると・・・。

「このアンケートでもありましたけども、マイナス金利深掘り、2年撤廃、それから国債購入目標を柔軟化する、この3つは可能性が高いと思いますね。」

--そうですか。まずは2年で2%というところを外すと・・・。外すというのは、見通しの修正ということですけれども、ここに大きな問題があるわけですね。
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(フリップ2:総括的な検証の予想内容)
「やはり今一番混乱しているのは、マーケットとのコミュニケーションだと思うんですね。ですからそのコミュニケーションを修正してくるということが、今回最大のポイントになってくると思います。ですのでコミュニケーションの修正のためには、まず見通しの修正がキーになってくると思いますね。」


t3.JPG(フリップ3:日銀と市場の見通しにギャップ)
--そのキーになってくる見通しの修正がなぜ重要かというと、まず大きな要因はここなんですね。これ(赤色のグラフ)がコアCPIの実数で、日銀と市場の見通しにギャップがあるんだということです。黄色の点線が日銀が出している展望リポートです。

「展望リポートというのは年度の数字しか出ませんので、年度の数字を前提として、私が個人的に四半期展開したグラフになりますね。それとこのマーケットの見通し、ESPフォーキャスト(青色の点線グラフ)の直近の調査を見ていただくと、一目瞭然で、17年度の数字が大幅にかい離しているわけですね。」

--17年度、この辺りで1.8に行くだろうという見通しを立てているわけですね。

「そうですね。17年度中ということを今は言っていますので、17年度中ということは、18年の第1クォーターにこの辺り2%程度に到達するということが前提になっているわけですね。」

--ですからここのかい離(黄色の点線と青色の点線のかい離)があるというところが、結局、市場が「見通しに到達しないということは追加緩和をやるんだろうと・・・」

「そうですね。見通し通りにいかないということで、市場はそこに追加緩和の思惑ということで、毎回毎回、振れの原因になっているということになりますね。」

--ということは、そもそも金融政策というのは、ターゲットを決めると、そのターゲットが2年2%というものがあったから、こだわってしまうということになるんですね。そこを取っ払うと・・・。

「そうですね。」

--となると、そこを修正してきて次はどうですか。展望リポートがかかわってきますね、

「そうですね。11月に公表される展望リポートで、見通しが修正される。そのためにはその準備が必要ですので、今回の総括的な検証でその辺りが修正されてくるというふうに見ています。」

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--結局、その見通しのところは信頼関係ということですね。バーナンキFRB前議長がかつて「金融政策の98%は市場との対話」で決まると言いました。
(フリップ4:バーナンキ)
「そうなんです。いま各中央銀行はインフレターゲティングという手法をとっていますので、インフレターゲティングという手法というのは、ほとんどはマーケットとの対話(コミュニケーション)で成り立っている政策運営だというふうに言えます。」

--ただいま環境がかなり厳しい。アメリカも利上げに向かって市場が動揺してくる中で、万が一、例えば見通しをちょっと変更・修正すると、これはもしかして後退するのではないか、緩和しないのではないか、という見通しになる可能性がある。ですから先ほど追加緩和はこれだと仰いましたね。

t5.JPG(フリップ5:今月の会合で予想されること)
「いまですね、週末もそうだったんですが、マーケットが若干不安定な状態にありますので、そういった市場環境ですとか、日本も長期金利がちょっと上げっているわけですね。それからそもそも物価の環境が先ほどお見せしたように、足下ではマイナスになっている。その2つ、市場環境と物価の環境ですね。そういったところからすると、今回、追加緩和をしてきても、全然おかしくないというふうに考えています。」

--手法としては、①マイナス金利深掘り、それから②国債買い入れ70~90兆円に柔軟化する、というところですね。

「上の、マイナス金利の深掘り、というのはもちろん金融機関のコスト上昇になるわけですから、手法によっては基準比率という、ちょっとテクニカルになりますけれども、そういった操作をすることによって、金融機関のコストをなるべく抑えた形で、マイナス金利の深掘りというのは可能ですので、そうした工夫をしてくるのではないか、と考えています。」

--ということは見通しの修正と追加緩和のセットで、市場と対話をすると・・・。何か一言隠し玉の湯歐なものはないですか。

「どうでしょう・・・。1つ、私の希望でもあるんですけど、例えばコミュニケーションを円滑に行うために、スタッフの見通しを公表するなんていう手法も、あってもいいような気はしますね。いま政策委員会としての(審議員の)見通しは出ているわけです。(加えて)事務方の見通し、数字が出ると、非常にクリアじゃないかなと思いますね。」







■日経朝特急
休刊日のため、日経電子版からお伝えします。

① 変心、ミセス・ワタナベ、逆張りから順張りへ
日本の個人投資家の投資スタンスの変化について伝えている。ミセス・ワタナベというと、相場の流れと逆の、いわゆる逆張りというのが基本の投資スタンス。それがが変わり始めているようだ。記事によると、相場の流れに逆らう逆張り的取引が鳴りを潜め、上昇を見込む通貨の値上がり益で稼ぐ取引が広がっている。その背景として、逆張り投資が通用しにくくなってきたこと、またリスクを長期にわたって抱え込む逆張り投資より、賢く短期でコツコツ稼いだほうが儲かるとの認識が広がっているため、と記事は指摘している。



② 日銀、緩和の手法見直し検討
日銀は来週の会合で総括的な検証を実施し、物価上昇2%の実現に向けた金融政策の枠組みの見直しを検討する。銀行収益の悪化や年金の運用難といった副作用に目配りしながら、どう緩和を強化するかが焦点だ。ただ手法を読み取れない市場は困惑しており、「黒田流」の対話路線は手探りの状況にある。黒田総裁、中曽副総裁は先週の講演でこのような発言をしているが、多くの参加者は日銀への疑念を拭い切れず、金融政策は不透明との指摘がある。

【黒田総裁の主な発言】
 ・ 「総括的な検証」は緩和縮小という方向ではない。
 ・ 金融仲介機能への影響についても考慮する必要がある。
 ・ 量・質・金利、各次元での拡大はまだ十分可能。
 ・ 量・質・金利以外のアイデアも議論のそじょうに。
 ・ 意識すべきは限界ではなく、ベネフィット(効果)とコスト(副作用)の比較

【中曽副総裁の主な発言】
 ・ マイナス金利の効果は金融機関の収益を圧縮する形で実現
 ・ マイナス金利深掘りはなお必要とすることは十分ありうる
 ・ 9月会合で現在の政策の枠組みに修正が必要か、どのような修正が適当か判断






■日刊モーサテジャーナル

① 「利上げの恐怖で市場が大荒れ」
金曜日にダウが急落し、金利が上昇したことについて、ウォールストリートジャーナルの見出しは、「利上げの恐怖で市場は大揺れ」。「投資家は中央銀行の政策がもはや株高の材料にならないのでは、と心配している」と報じている。また週刊投資新聞バロンズは、「去年の8月も静かな相場が続いた後に急落した」と指摘し、「今年の夏も極端に静かな相場が続いてきただけに、今後も急落への懸念が続く」、と伝えている。ただ記事は、去年はFANG(フェイスブック・アマゾン・ネットフリックス・グーグル)などの限られた銘柄に牽引されていたが、今年はより幅広い銘柄が上昇相場を支えているので、去年ほどの反動は起きないのでは、という見方も掲載している。




② 「意図しない検閲社」フェイスブックに批判
欧米の新聞に大きく掲載されているのは、ベトナム戦争中に戦禍から逃げる裸の少女の写真。ピュリッツァー賞を受賞した有名な報道写真だが、あるノルウェー人作家がフェイスブックに投稿したところ、フェイスブックは、写真が児童ポルノに該当するとして削除。その後、フェイスブックは批判を浴びて削除を撤回したものの、ニューヨークタイムズの見出しは、「The Accidental Gatekeeper フェイスブックは意図せずに検閲者になっている」として、そのビジネスの在り方が岐路に立たされていると伝えている。記事は、フェイスブックは自分たちをメディアでなく、ハイテク企業と主張しているものの、投稿される写真や記事の取捨選択をすることで、ジャーナリズムを制限してしまっている、という声を掲載。世界で17億人を超える利用者を抱えているだけに、情報操作に対する影響力大きさに、懸念の声が出ているということだ。

【ひとこと】
今さらながら、何言ってるの、っていう記事だね。Wikipedia(ウィキペディア)だって、韓国に不都合な事実は全部クレームによって消されているじゃないか。Googleだって、嫌韓のサイトはクレームが来たら、検索順位を下げている。一方の言い分だけが極端に多くてしつこいというだけで、そちらが正義であるかのように判定しているのは、この記事にある「ジャーナリズムの制限」であり、「情報操作」に当たるだろう。今回はたまたま対象がピュリッツァー賞受賞作品だったから、投稿のほうが正義と判断されただけのことだ。欧米人の下衆な正義感がいかに底の浅いものかが分かる記事だ。ただこういうことを書くことによって、また検索順位を下げられるわけだが・・・。




③ 無人タクシーの実験、製鉄の街の行方は?
配車サービスを手掛けるウーバーが、今週にも公道での自動運転車による無人タクシーの実験を行う見通しだが、記事は、その実験が行われる都市ピッツバーグに注目。製鉄業の衰退が激しいピッツバーグがハイテク都市に変貌できるか、ほかの都市も固唾をのんで見守っているという。記事によると、ウーバーはピッツバーグで無人タクシー約100台をテスト。走行中のトラブルなどを監視する役が必要で、今後2~3年で、現在の500人から1000人に雇用が増えるという。ただ地元の人々からは「住民の安全を考えずにハイテク企業に譲歩しすぎだ」という批判の声も上がっているそうだ。






■ニュース

イラン ロウハニ大統領 国連総会へ
イランのロウハニ大統領がニューヨークで今月下旬に開かれる国連総会に出席することが11日、明らかになりました。オバマ大統領との初の直接対話が実現するかが注目されます。アメリカとイランは1979年のアメリカ大使館人質事件で断交して以来、去年、核問題で合意に達したあともトップ同士の直接会談は行われていません。



伊 モンテ・パスキ バンカメから新CEO
経営再建の行方が注目されるイタリアの大手銀行、モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナの後任のCEOに、バンクオブアメリカ・メリルリンチのイタリア部門のトップ、マルコ・モレリ氏が就任する見通しだと、フィナンシャル・タイムズなどが報じています。早ければ来週にも指名されるもようで、再建計画にあった増資による50億ユーロの資金調達は、来年まで先延ばしすると見られています。



北朝鮮に「最大限の強い措置」
北朝鮮が5回目の核実験を行ったことを受けて、日米の政府高官が外務省で会談し、北朝鮮に対し、「最大限の強い措置」を取ることで一致しました。外務省の金杉アジア大洋州局長と会談したアメリカのソン・キム北朝鮮担当特別代表は、9日に核実験を強行した北朝鮮を厳しく非難するとともに、「北朝鮮の挑発的行動は脅威であり、地域の不安定化につながる」と指摘しました。その上で、「北朝鮮が安保理の決議違反を続ければさらに重要な措置を取る」と警告しました。こうした中、菅官房長官は新潟・三条市で講演し、北朝鮮に対し、日本としての独自制裁を検討する考えを重ねて示しました。菅長官は、北朝鮮の核開発技術の向上に懸念を示したうえで、政府与党で独自制裁の議論を進めていくと述べました。一方で、北朝鮮との間で「対話の窓は閉ざさない」として、引き続き、拉致問題の解決に取り組む考えを強調しました。



民進党代表選 最後の訴え
民進党の代表選に立候補している3人の候補者が、地方票の投票締め切りを前に最後の訴えを行いました。公開討論会ではアメリカ軍普天間飛行場の移設計画をめぐって、蓮舫代表代行が堅持する立場を示したのに対し、前原元外務大臣と玉木国対副委員長は、見直しを主張しました。代表選は蓮舫氏が優位とみられており、前原氏、玉木氏が決戦投票に持ち込めるかが焦点となっています。



両陛下「海作り大会」で稚魚放流
山形県を訪問している天皇皇后両陛下は、鶴岡市の鼠ケ関港で行われた「全国豊かな海づくり大会」に出席し、ヒラメやクロダイなどの稚魚を海へ放流されました。歓迎行事では、地元の住民がにぎやかに太鼓の演奏を披露する中、色鮮やかな大漁旗を掲げた多くの漁船と漁の方法が紹介されました。両陛下は、船上の漁師に向かって、笑顔で手を振って応えられていました。



米 同時多発テロから15年
アメリカは9月11日、2001年の同時多発テロからちょうど15年です。日本人24人を含む、およそ3,000人が犠牲となったあの惨劇から15年、アメリカ各地は追悼ムード一色となりました。国防総省で行われた式典にはオバマ大統領が参列し、改めてテロの脅威に屈しない決意を示すとともに、国民に団結を求めました。また、航空機が激突したニューヨークの世界貿易センタービルの跡地でも追悼式典が開かれ、厳重な警備態勢が敷かれる中、多くの遺族らが花束などを手に現場を訪れました。式典では、テロが発生した時刻に合わせ黙祷がささげられ、犠牲者の名前が読み上げられました。大統領選の共和党トランプ候補や民主党クリントン候補も参加。ただクリントン氏は途中で具合が悪くなり式典を退席する事態となりました。未曾有のテロから15年、こちら、デイリーニュースは特別号を出しています。犠牲となった人々の写真で世界貿易センタービルを表現、見出しは、「Haveweforgotten?」アメリカ国民は、15年前の団結の気持ちを忘れてしまったのか?と、大統領選などを巡って分裂するアメリカの現状に警鐘を鳴らしています。





■今週の予定

12日(月) 7月機械受注統計、8月企業物価指数
13日(火) 中国8月小売売上高、中国8月鉱工業生産
14日(水) ユーロ圏7月鉱工業生産
15日(木) 英中銀政策金利発表、米8月小売売上高、米8月鉱工業生産、米9月フィラデルフィア連銀景気指数
16日(金) 米8月消費者物価指数






■【コメンテーター】岡三証券/愛宕伸康氏(元日銀、景気・金融・物価分析専門)

・米注目の小売りと物価、利上げは12月か

--ニューヨークのマーケットが荒れてきました。そうした中で、指標も相次ぎますけれども、どういったところに注目されていますか。

「米国の小売りと消費者物価ですね。この辺りでしっかりした数字が出てきて、どの程度市場が追加の利上げを織り込んでいくか、その辺りを注目しています。」

--織り込みが進むと、やはりマーケットは動揺してくるというふうに・・・。

「多少はあるんでしょうね。ただ、ちゃんと織り込めば、動揺の度合いが小さくて済むということになりますので、ちょっとずつ織り込みが進めばいいというふうには思いますね。」

--となると9月というのは厳しいですか。

「私は12月かなと思っていますね。」






・中国 副業が当たり前?仕事をかけもつワケ

「所得をアップするということと、物価高というのと、追いかけっこなんでしょうね。」





・日刊モーサテジャーナル/「利上げの恐怖で市場が大荒れ」

--先ほど愛宕さんから、利上げを織り込ませないと、という話がありました。なんかマーケットが脆弱になっている印象があるなあ、とつぶやいていましたけど・・・。

「そうですね。先週末、ちょっと相場が荒れましたので、相場というのは日本も連動しますので、ちょっと今週が心配だなあという感じで見ています。」






・今日の経済視点 「折り合い」

「日本銀行とマーケットの折り合いです。今回の総括的検証で、どう日銀が結果を公表するか。それからその後の政策運営をどう柔軟化するか。この辺りでコミュニケーションがどう折り合うかですね。」

--日銀にとっても、そこのコミュニケーションをとる、例えば修正する大きなチャンス機会ではあるんですよね。

「そうですね。チャンスだと思います。」

--そしてマーケットもそれを期待している。

「そうですね。その後の運営というのが本当に重要になってくると思いますね。」











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