特定非営利活動法人精神医療サポートセンター

発達障害、統合失調症、アルコール依存症、ベンゾジアゼピン系薬剤の依存等々、精神科医療についての困りごとに対応いたします。

看護師の言葉の重み

2007年02月09日 | 看護論的経営論
ある人の一言で人生が変わった・・・。

その様な体験がある人も多いのではないだろうか。人の言葉は、時にその相手の一生を大きく左右する。

ことに患者には、病気(精神科疾患に限らず)を患ってメンタル面が弱くなっているわけであるから、より左右されやすい対象といえるかもしれない。精神科疾患に罹患している人であるならなおのことではないだろうか。私達看護師は、冒頭にあげた例とは少し違うが、常に患者の状況を左右してしまう環境の中にいることは事実であるのだから、重々認識しておく必要があろう。

私の専門の分野に関して話をしてみる。
精神科では、患者の精神状態が悪いからといって、薬剤(抗精神病薬)の投与量が増えることはよく見られる光景である。これ自体は、治療上否定されるものでもないし、むしろ必要なものだ。だが、中には増薬しなくてもよい、換言すれば増薬する必要の無い患者もいるはずである。増薬する必要のない患者の中には、看護師の対応一つに過敏に反応してしまい、“不穏”と判断された事が原因だったという患者も少なくないだろう。

※私達看護師は、精神状態の不安定な患者を言葉・対応一つで“不穏”にしてしまう事は容易である。

恥ずかしながら、患者対応の一局面を振り返って“不穏”にしてしまった(もしくは、「かもしれない」)と気付ける看護師は少ない。振り返る事ができれば、看護師自らの言葉の一つ一つの重みに気付けるはずなのだが、むしろ得意げに「不穏だ」と声を荒げて、Dr.に報告するか、もしくは不穏時の頓服薬を投与する看護師のほうが多い。

これらの情けない事実は、どの病院でも見られる光景かもしれないが、可能性と視野を広げて見てみた場合、逆に、言葉・対応一つで患者を不穏から良い方向へもっていく事も可能であるとの見方もできる。また、急性期においては、患者の状態を左右する意味で看護師のその責任は大きく、コミュニケーションという位置づけで考えてみても治療的意義は大きい。ここでは私が、簡単に述べているように思えるかもしれないが、看護師として患者にかける言葉には、普段から重みを意識し、その重要性を認識しながら関わって欲しいものである。


ということで、NPO泉州精神看護研究会の寄付金・募金を正式に開始いたします。募金に関しては、使途を明確にし医療の発展に役立てたいと思います。

振込先:三菱東京UFJ銀行和泉支店(店番210) 
普通口座 4631947 
口座名義 泉州精神看護研究会 ナカオ

※泉州精神看護研究会の会員を暫定的に募集いたします。ご興味のある方は、まずはmoth3@mail.goo.ne.jpまでメールをお送りください。

※拙著「精神科看護師、謀反」をご入用の方は、moth3@mail.goo.ne.jpまでメールをお送りください。送料は、当方負担で無料送付(本代別途)させていただきます。

※NPO精神看護研究会につきましても、ご興味のある方は引き続きメール受付をいたします。moth3@mail.goo.ne.jpまでよろしくお願いいたします。









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1 コメント

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Unknown (ゆる看)
2007-02-20 01:42:13
確かにあります。
職員の対応、患者間のトラブル、家族とのトラブル・・・
色々ありますが、「不穏」とか「調子が悪い」で片付けるのはどうかと思う場面があります。
「ふつう、怒らない?」
「ふつう、焦らない?」
「ふつう、泣かない?」
「ふつう、落ち込まない?」
って、「不穏発言」した同僚に尋ねちゃいますけど。私。


関係が取れていれば、興奮時でも
間に割って入って
「煙草1本付き合ってぇ。」で
いつもの患者さんに戻ることがあります。
約5分程お話をします。長くても2本(約10分)。

しかし、そのうち煙草使えなくなりますね・・・
どんな薬や対応よりも効くときあるのになぁ。

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