特定非営利活動法人精神医療サポートセンター

発達障害、統合失調症、アルコール依存症、ベンゾジアゼピン系薬剤の依存等々、精神科医療についての困りごとに対応いたします。

私は精神病になんかならない

2008年09月01日 | 看護論的経営論





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言葉にこだわって言葉狩りをするのは好きではないが、

“精神病”

という響きはいまだに好きになれない。

“精神科疾患”

少なくともこう呼びたいものである。精神科というカテゴリの改名を推奨している私からするとこれもしっくり来ないが、現状で意味が伝わるように言うにはこの言葉が適切ではないだろうか。


前者と後者はどう違うのかと言うことは、NPOの懇親会などで話を深められればと思うが、今日はそれに加えて



※私は精神病になるはずがない



と思っている人に是非読んでほしいと思う。

ここでもあえて“精神病”といっているのは、深い意味があるわけだが以下を読み解きながらそこは考えていただければと思う。


一つの重い病気にかかったことのある人は、人の苦しみがわかるという話を時々聞く。確かにそうだろう。ある一人の人間がその病気にかかるのとかからないのとでは、他人の苦しみの感じ方は違うはずである。しかし、死に目にあっても、人生に危機を感じてもいざ治癒あるいは寛解すればそのときの苦しみをすっかり忘れて、病気になり、手を煩わせる人間に悪意さえ持つ人もいる。


だが、一つの苦しみを経験することは無駄なことではない。多くの人間は継続的に人のために何かをしようとするだろうし、何かをすることが無くても理解しようとするひともいる。
苦しい経験をした人はその経験を人生の糧にしてほしいものである。

ところで、まったくそのような苦しみをしたことがないという人。
話を精神科の疾患に絞るとすると、

※私はしっかりしているから精神病になるはずがない

こう思っている人は大間違いである。
私がここでこのように言っても実感がわくわけもないだろうが、次の瞬間統合失調症になっている可能性だってある。

それは、
※気持ちの問題ではなく、脳の神経伝達物質の異常であるから
である。

これはいまだにあくまでも仮説とされているが、神経伝達物質のサジ加減が今後証明されていこうとはあってもほぼ揺るぎない仮説であろう。(もちろん環境要因その他の関連が大きな影響を与えることも重要な要素である)


そう、私達が風邪や癌にいつなるかもしれないのと同様、統合失調症や鬱病などになる可能性も十分あり得る。
私たちが特別になり得ないと言うことはあり得ない。我々はこの事実を認識すべきであろう。
そのようになったとき、私たちはどこに相談に行けばよいのか。

「精神科にかかるようになると人生が終わりなのか。」
「抗うつ薬や抗精神病薬を飲めば頭がおかしくなるのか。」

私はこのような言葉を耳が痛くなるほどきいてきた。そのたびにそうではない事を説いてきた。しかし、世間がいまだにそうであることは否定できない。


私はこの誤解を世間に理解してもらうためにこれからの活動してゆく。




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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (くぼっち)
2008-09-01 22:01:52
肝臓の病気になる人、高血圧などになる人、いろいろな病があって、たまたま私は心の病気だったと思っています。
苦しみを経験してこそ、健康のありがたさや人の優しさ。いろんなことに気づかされます。
いつも支えてくれてありがとうございます(^^)
返信する
ご無沙汰しておりますm(_ _)m (えりか)
2008-09-02 17:39:28
まったくの同感です!
まさにそれは「偏見」というものだと思います

周りの人間の間違った知識のせいで
どれだけの人が苦しんでいるか

間違った薬を処方されて
間違った対応をされ続ける
こんな精神科医療早く終ってほしいです

応援してます!!
返信する
脳挫傷による見えない障害と闘いながら・・・ (智太郎)
2008-09-03 21:31:12
・・・自分は静岡県駿東郡在 住 先月40歳になりました。現在は建築現場監督休業してますが・18歳時、大学入学前に交通事故にて脳挫傷で1ヶ月意識不 明・・CT(脳のレントゲン)では、一時・脳が半分になった程でした。大学復帰したが、人からは分かりにくい障害持ち奇跡の復帰!大学では頑張りましたしかし.社会に出て絶えない苦 労ですが、楽観主義で闘ってます!よかったら自分のブログも事故発生の始めから読んでやって下さい。尚、ブログには、当時の写真・面白い・可愛い・画像・動画ありますので、時あれば、楽しんで見てやって下さい。<m(__)m>拍手及び左下のボタンをプチプチして下さったら幸いに感じます・
返信する
Unknown (もっさん)
2008-09-07 17:58:18
>くぼっち

支えてるなんてとんでもない!少しでもどうにかして楽になってもらえたらと追っているだけで^^
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Unknown (もっさん)
2008-09-07 18:01:15
>えりかさん
 応援ありがとうございます。
精神科疾患がもっと世間に当たり前にとらえられるようになればと思っています。
我々の活動が、その一端を少しでも担うことができれば幸いです^^
返信する
Unknown (もっさん)
2008-09-07 18:03:52
>智太郎さん

とてもつらい経験をされたんですね。当事者である人が過去の出来事を今はどのようにとらえているのか、われわれ体験していない人間はその辺から学ぶようにしなければならないような気もします。ただ、つらかったととらえるだけではなく・・・
返信する
Unknown (野々花)
2008-09-13 19:21:13
はじめまして。あなたの思慮深い文章に惹かれ拝見しました。統合失調症の私は「何の病気ですか」と聞かれると、まず「神経科の病気です」、さらに突っ込まれると「脳神経の病気です」と答えます。心の病気という言い方は好みません。
私は人文系研究者で、精神疾患を抱え研究者を志す人の励みになりたいと思いブログを綴っています。いろいろな方がいろいろな立場で発信しているのですね。よろしければ見にいらしてください。
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Unknown (もっさん)
2008-09-22 00:37:38
>野々花さん
お返事が遅くなりました。
思慮深いなどと言って下さりありがとうございます。
野々花さんがお答えになるようなこだわり、よくわかるような気がします。こだわりという表現は失礼かと思いますが、でも、そのようにして事実を伝えるだけでも相手の印象が変わるのなら・・・とそう思うと思います。それはごまかしでもなく、嘘でもなく逆に真実を伝えてるのですからね。

こころ=気持ちの問題=精神論

これで追い込まれていった患者さんはたくさんいると思います。もっともっと、メディアで病気の理解を広めていってほしいものです。うつ病に関しても少しは(少しはです)理解されつつあるんですからそのほかの疾患も無理ではないはずです。
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