特定非営利活動法人精神医療サポートセンター

発達障害、統合失調症、アルコール依存症、ベンゾジアゼピン系薬剤の依存等々、精神科医療についての困りごとに対応いたします。

統合失調症は100人に1人か

2009年02月17日 | 看護論的経営論


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教科書や文献等で、統合失調症は100人に1人、詳しくは0.85%程度。つまり1%弱ということが広く言われているのはご存じだろうか。

また、統合失調症は多くの人が普通にかかる病気で、「こころの風邪」であるという表現もよく耳にする。

たしかに、そういう話を聞いてほっとする人もいるのかもしれない。
しかし、私はその数字と、この表現方法に疑問を感じる。


統合失調症は「こころのかぜ」などではない。免疫力で自然治癒するというものではないし、軽い病気であるとも言いたくはない。だからと言って、治療法がないのかというとそうでもないし、難治性でもない。その多くは寛快し、社会復帰が可能である。 とはいっても、残念なことにその通りに治療が進まないことが多く、そういう現状があることも事実である。

つまりどういうことか。




※誤診・誤処方があまりにも多すぎる



ということがその多くの理由・原因である。

統合失調症でもないのに統合失調症と診断されれば統合失調症用の薬剤が処方される。まぐれで、あるいは運良く統合失調症であると的中しても今度は多くが誤処方を受け続けて症状を悪化させる。気がつけば統合失調症と見分けがつかなくなる薬剤性精神病の症状が出ているのである。



なにも根拠なくいっているわけではない。

・子どもで様子がおかしかしく、被害妄想が見られるだけで統合失調症だという診断
・幻聴が聞こえる・被害妄想があるというだけで統合失調症
・当初は精神発達遅滞という診断であったのに、いつの間に統合失調症の診断が加わっていた




笠医師とそこに相談にきた家族や当事者さんたちの書いた「精神科セカンドオピニオン」をみるとわかりやすい(当事者の方や、家族さんは必ず読むべきである)が、決してそれに影響されて適当に言っているわけではない。



・当法人の精神医療ホットラインにかかってくる統合失調症と診断されている患者さんの多くが、というか、今のところ明らかな統合失調症の人からの相談が来たことがない。統合失調症との診断を受けているが、明らかに違う人が多すぎる。じっくり話もできるし、では薬物が奏功しているから落ち着いているのではないかということも言われるかもしれないが、当初の症状も被害妄想があったという程度だけであるとか、むしろ薬剤を飲んでからのほうが調子が悪く、錐体外路症状のみが出ているとか、こちらが適切な薬剤に減量・中止・変更してくれる医師を紹介することでかなり軽快したりと、冷静に考えて見れば、多くの文献で言われている100人に1人(0.85%)が罹患する疾患であるという根拠はどこにあるのかというところに疑問をもつ。いや、それ以上に訂正を求めたい。逆に訂正すべきであると言ったほうが手っ取り早いのかもしれない。


誤診や誤処方があった患者も含め、結果的に統合失調症と診断されたすべての患者数から統計を出したのであろうが、これらの現状をみると信憑性に欠けるどころか、極めて曖昧なものであることがわかる。また、これが公に問題になっていないところをみると、誤診や誤処方、つまり、これまでに見ない広義の医療過誤と薬害であるということにマスコミも気づいていないのだろう。


私は統合失調症に関しては、1000人に1人かあるいはそれ以下の割合であると考えている。
病院で長期入院している患者さんの多くも、当時の誤診から+α誤処方の結果生じた薬剤性精神病であるように思う。


こころの風邪と触れ込んで、一時的に安心させるのはいいがその陰で誤診から多剤大量療法の枠にはめられ、症状が悪化し一生のほとんどを入院生活で過ごすような状況になるのであれば、私は

“極めて慎重に見る必要がある疾患であるとしながらも適切な診断と適切な処方によりその多くが日常を普通に過ごせるようになる”

と説明したほうがよっぽど嘘がなく、適切な表現であると思う。


特に精神科に関係する医療従事者は


※「統合失調とは」


これをもう一度学びなおしてほしい。















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10 コメント

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Unknown (マロン)
2009-02-18 00:49:25
※「統合失調とは」
これをもう一度学びなおしてほしい。

本当に そう思います。
越智さんにとって 統合失調症の患者さんって
決定的 こうだ・・と言える自信が ありますか・・
我が娘を含め 多くの方々は その診断を
受けた事から 抗精神薬を始め 薬漬け・・
我が国の精神科医療事情・・犠牲者は 患者さんと 言っても 過言ではないかも・・
精神科医を始め 精神科医療に関わる方々が
診断名に関して 視野を 少しでも 広げて
頂けたら・・統合失調症を始め 非定型精神病
発達障害 解離障害 躁うつ病他・・メンタル疾患・・幅広く・・とても 大変です。
各々が 被る部分も 多々あり・・でも よ~く 患者さんなり ご家族の思いに 真剣に
傾聴して下されば 一つでも キィワードが
見つかるかも・・それが 誤診 ご処方によって 慢性の精神疾患患者を 出さない・・
出来る範囲で 構いません・・患者さん ご家族のメッセージに 耳を傾けて頂き 一緒に
考えて頂けますか・・
返信する
誤診について (仮福真琴)
2009-02-18 10:22:02
越智さん
本当に「統合失調症は100人に1人」か?
良くぞ、おっしゃってくれました。
私も、同じ様に訴えていますが、所詮素人です。越智さんのようなプロの方のご意見は、大変貴重だと思います。
私の意見をかかせていただきます。
良くなられた方は、典型例(典型的な教科書通りの統合や鬱)だと思います。
こういう方たちには、薬が効をなすようです。
ただ、私たちのように、薬で益々状態が悪化される方も数多くいらっしゃいます。こういう方たちは、薬の量や薬の種類が正しいのかどうか、本当に薬が必要なのかを疑った方が良いかと思います。
最近、精神科の敷居が低くなり、ちょっと調子を崩したくらいでも、すぐに精神科にかかるようになりました。同時に、精神病の分類もかなり拡大され、たいていの方には、病名がついてしまいます。内科や外科では、なんでもなければ薬は処方されません。でも、精神科は、行けば必ずといっていいほど薬が処方されます。精神科は、病気ではない人の除外診断をしません。薬は、典型例の方には効いても、他の方には副作用の方が強く出ることが多いようです。この副作用をみて、精神科医は症状と間違い更に薬を増やすようです。たとえば、精神科で、○○人格障害などと病名がついた場合、本当に薬が必要なのかを見直したほうが良いと思います。統合の場合も、診断基準の枠がかなり広がっていますので、精神科医は病名がわからない場合、安易に統合と病名をつけることがふえているようです。
ですから、病人?がどんどん増えるのです。
昔だったら、ちょっと変わった人で済んでいた人が、病人にされてしまうのです。

これからも、越智さん達のご活動を応援させていただきます。


Unknown (マロン) さん
Unknown (マロン) さんのご意見、私も全く同感です。精神科医で、患者の心の声をまともに効いていただける方は、残念ですが、日本に数人しかいませんね。
多くの精神科医は、次の殺し文句で患者を騙します。「病名は関係ありません。大切なのは、今の症状を抑えることです。」
大切な生育歴も聞きはしません。
これで、多くの方は薬漬けになってしまいます。
返信する
困ってること (ミナ)
2009-02-20 23:42:57
私が悩んでるのは
何なのでしょう

被害妄想、?

相手が 今、心で思った事がわかってしまう、、
と いっても
ちゃんと 唇の微かな動きと目を見てるのです。
あ、今この人、、と感じるものです。

困るのは、その人は 何も言葉を発してないのに、 その人の考えてる事がどんどん心に湧いてきて、自分の感情が維持出来なくなる事です(周りの人間からすれば私が一人で泣き出した!)

私は言葉を発しない患者さんの為に、常に電波を張ってるつもりなのに、
スタッフの心のざわめきまでわかってしまう。
今は、なるべく普通にしてますが、
少し 頭がおかしいんじゃないの? って
スタッフに見られてるようです

返信する
Unknown (通りすがりの人)
2009-02-22 02:48:38
今日は…うまくコメントができないかもしれませんが(^^)
越智先生のおっしゃっていること…わかります。

 昔読んだ文献…確か、神田橋譲治先生だったかな。
 「わからない疾患は「分裂病(統合失調症)」にしていたら間違いない。」というブラック・ユーモア的なものがある。
 と記載されてましたね。

 当事者にとって「診断」とは人生のライフサイクル上において「救い」として作用してほしいのだけど…そのように作用していることが、少なく感じますね。
 「レッテル」としての意味が強く作用している気がします。
 
 心理系の人間として…私はライフサイクルにこだわってしまうため…視点的にズレテいるかもしれませんが…
 診断…
 当事者にとって「救い」として作用するよう慎重に扱っていただきたい…と個人的には感じております。

 活動、大変でしょうが…お身体には気をつけて下さいね
返信する
Unknown (もっさん)
2009-02-26 03:52:54
>マロンさん
統合失調症については、典型的な症状の解説があるにもかかわらず、なぜかそれを無視して誤診されるんですよね。
単に妄想といっても、他の疾患にも見られるし、統合失調症特有の妄想とはどのようなものなのか、そして、これまでの発達過程や家族環境などからも統合失調症による諸症状でないことがわかり、一つ一つが除外されていくはずなんですが、その過程を経ずすべて統合失調症であったり、うつ病だと診断したり。

私は看護師という立場でありながら、そのような生活背景を聞き出すことで医師に情報を提供することも一つの看護だと考えています。

ほんとうなら、我々のそのような動きは補助的なものであってほしいのですが、そうしたとしても誤診が普通に繰り返されている現状、本当に何とかしなければなりません。
返信する
Unknown (もっさん)
2009-02-26 03:57:23
>仮福真琴さん
応援ありがとうございます。

本当に笠先生のように誤診を見抜く腕と知識と気持ちがある先生は決して多いとは言えませんよね。

われわれの現場でも誤診やご処方と思われるものは多数ありますが、最近看護サイドの責任も大きいと感じております。

患者さんの入院生活では、徘徊や不穏はよく見られる光景です。しかし、スタッフにうまく伝えることができなかったり、わずか1時間ほどの中途覚醒などでも頓服を平気で言ったり、翌日の診察で、「先生、薬増やして」
看護師のこの一言でわけのわからない薬を処方されたりもします。医師も医師ですが看護師も看護師です。
NPOとしての活動は、精神医療ホットラインも重要ですが、看護師の教育にも重きをおいて、最終的に患者さんへ看護力として還元されるようになればと考えています。
返信する
Unknown (もっさん)
2009-02-26 03:58:55
>ミナさん

いろいろ不安があると思います。もしつらい時は、いつでも電話してきてください。090-4295-9743精神医療ホットいらんですが、基本的に私が出ますので。
返信する
Unknown (もっさん)
2009-02-26 04:00:08
>通りすがりの人

いつもコメントありがとうございます。

いつも博学には驚かされます。
これからもいろいろと知識をわけてください。
それと、ときどき連絡くださいね。心配です
返信する
ありがとうございます (ミナ)
2009-02-27 02:23:47
私は女性なので、
ホルモンのバランス的にセロトニンの量とか 多少関係してるのかな?と思ってます、
それに 3ヶ月前に部所異動してから 人に慣れるのに 時間が かかっているのかも知れません。 誰ともすぐに明るく接していくのが私の表の姿ですが、本当は疲れてます。挨拶や会話のないスタッフだと、嫌われてる?と気になり過ぎていらいらと落ち着かなくなります。なるべく笑って、お腹も空きすぎないように努力してます。
返信する
Unknown (もっさん)
2009-02-28 03:58:11
>ミナさん
先ほどもコメントしましたが、一度お話できればと思います。差支えなければご連絡ください。お待ちしています。
返信する

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