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一介の看護師がこのようなことを言っても説得力がないのかもしれないが、精神科医療における性急な問題であると判断したので今回書いてみることにした。
では、さっそく述べてみたい。
ここしばらく
精神的・身体的な不定愁訴を訴えて、かつ精神科の治療をしても軽快しない患者のいくらかは、甲状腺機能に異常がある可能性があると思えるようになった。
甲状腺機能の異常とは、甲状腺機能亢進症や機能低下症を含む免疫疾患等々のことだ。
しかし、甲状腺の機能検査だけではそれがわからないことが多い。
私の経験則であるが、
甲状腺の抗体検査をすることで問題が明らかになるケースが少なくない。
多くは、甲状腺機能検査のみを実施して、正常であれば
「甲状腺に異常はない」
として、そこに問題はないとされる。
しかし、当法人に電話相談(メールも)が来た時に、疑わしいケースで検査を勧めたらそのいくらかは抗体値に異常があったりするのだ。
ところが、それが判明しても
医師は機能検査が正常だからと問題視されないケースがほとんどだ。
抗体値に異常があるものは、その時は機能検査に異常がなくとも、日内変動あるいは時間ごと、日にちごとに甲状腺ホルモンが上下するときがある。
これを意識して日々診療にあたっている医師は非常に少ないように感じる。
また、甲状腺の専門家も甲状腺機能の異常で幻覚や妄想・興奮状態を起こすなどとは、さほど思っていないのかもしれない。
ここからは話が複雑になる。
甲状腺の異常は、自己免疫疾患であることがそのほとんどであると推測する。
いきなり発達障害の話になるが、発達障害の傾向のある人は、アトピーや喘息を含む自己免疫疾患(あるいは兎唇、漏斗胸などの身体奇形)を持っている人が少なくない(おそらく文献などにはない。症例を多く見ている人は同じことを感じるのかもしれない)。
そう考えると、発達障害(あるいはその傾向が強い)の人は、何らかの奇形や自己免疫疾患を持っている可能性があり、発達障害ベースの神経過敏や自己免疫疾患ベースの精神状態のぶれが考えやすくなる。
甲状腺の検査は非常にとらえやすいが、そのほかのホルモンは日内変動が激しすぎて検査として正常か異常かを確認することは非常に難しい。
だから、甲状腺の抗体検査から、発達障害との関連の可能性をつかみ、かつ、そのほかの免疫系異常、あるいは脳の神経伝達系ホルモンの異常の可能性を探る必要があるのである。
この問題を抜きにして、統合失調症だの難治性うつ病だのと語るのはあまり症例を多く見ていない者というしかないだろう。
最後に―
長年入院している精神科疾患の患者の中に甲状腺機能異常(抗体検査はしてないケースだけで見ても少ないとは言えない)のある患者がいないか、既往歴等も含め、慎重にカルテを見てみてほしい。
診断名はついているが、今は甲状腺薬を飲んでいないとか、過去は甲状腺機能が異常であったとかがあったりしないだろうか。
そういう患者が少なくないとすれば、実際に難治性の精神疾患とされている患者のすべての甲状腺抗体検査をした場合、どれほどの免疫異常が出るのかと思うと恐ろしくなる。
あまり早々には記事にしたくはなかったが、検査をすることで発見されることがあればいいと思って我慢できず記事にしてみた。
参考までに。
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これらが機能検査というもので、他にも甲状腺の抗体検査として
抗サイログロブリン抗体(TgAb)、
抗ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)、
TSHレセプター抗体(TRAb)
があります。
診療報酬の観点から工夫して請求せねばなりませんが、不可能ではありません。
また、機能検査が正常で抗体に異常があっても他のホルモンのアンバランスが示唆されますのでそれらが精神のバランスを崩している可能性もあります。
全ての疾患にというわけではありませんが、ふるいにかけるという意味では、必ずする必要のある検査ですね。
T3とT4ですが、
F-T3とF-T4が正確な表記になります。
FはフリーのFですね。
血清中での「遊離」という意味を指します。
ご参考まで
私は、双極性Ⅱ型と診断され1年経ちました。
橋本病歴は、27年になります。
橋本病の中でも、時々、無痛性甲状腺炎を繰り返しているそうです。
そのせいで、ホルモンの数値が安定しないことを何度か経験しました。
ただ、甲状腺の薬は飲まなくても良い程度ですが・・・。
偶然なのか?双極性の病気の方の中にも、甲状腺の持病がある方が結構多い気がしています。
甲状腺の機能異常は、亢進でも低下でも精神的なさまざまな異常が起きる可能性がありますよ。
ホルモンは、心身に様々な影響を及ぼしますから、まず、わかる範囲の検査は絶対必要です。
>ホルモンは、心身に様々な影響を及ぼしますから、まず、わかる範囲の検査は絶対必要です。
年1回、甲状腺専門病院で、検査受けています。
安定剤のお話も、すごく考えさせられました。
というのも、前の主治医は、1日あたり、セニラン2ミリグラムを6錠飲んでもOKで、今の主治医は、「そんなに飲んだらダメ」という考え方なのです。
どういう処方をされるお医者さんにかかるか?によって、変わってしまうか・・・・色々考えさせられます。
どの医師にあたるかで人生が変わるのは事実ですね。
いまだ、基本すら押さえていない医師が多すぎます。