プチ早期退職者の資産運用+αブログ

ベトナム株の投資信託の成績検証

 昨年11月初旬にツイートしていた内容のまとめ記事で、図表は最新ではないですが、内容に影響はないと思います。


成績検証対象の投資信託

 ベトナムの成長性は何年も前から期待され、運用各社で投資信託も設定されてきた。Monexのファンド検索で「ベトナム」で検索して出てくる11件の中で、3年トータルリターンが11.49%で1番成績のよい投信は、DIAMベトナム株式ファンドだった。

 DIAMベトナム株式ファンドは2015年6月15日に設定された。その後の価格と純資産額を調べてみたのが下のグラフだ。分配実績はなく、2019年11月1日までの4年半弱で11,216円、12%程度の低成績だった(今年1月15日だと10,806円とさらに低い)。米中貿易戦争による中国からベトナムへの工場シフト期待からか2018年から資金が流入していることも分かる。

  
 【運用会社のアセットマネジメントOneのサイトから引用】


ベトナムのVN指数の確認

 低成績はベトナムの株式市場自体によるものかとベトナムの株価指数であるVN指数を確認してみると、チャートの形は似ているものの上げ具合はぜんぜん違い、同時期に600→1000ドンくらいで約66%も上がっていた

 【SBI証券から引用】


ドン円レートの確認

 原則為替ヘッジなしの投資信託なので、為替レートの影響を確認するため、同期間の為替レートを確認した。同期間では0.57→0.47と約18%円高だったので、それを加味すると円換算でVN指数は約54%の上昇になったはずだ。ところが、投資信託の方は約12%の上昇に過ぎないから、円建てVN指数の1/4以下のひどい成績だったということになる。



 【SBI証券から引用】


やっぱり投資信託の運用能力は低い

 購入手数料とか約1.9%/年もの信託報酬をとっても、長期で為替考慮後でVN指数の1/4以下の実績しか出せなかったのだとすると、やっぱり投資信託/運用担当者にまともな運用能力は期待できないというしかない(投資信託の運用能力は低い)。ベトナムの株式自体は出直ってきてる感じなのに残念だ。

 マネックス証券の投資信託のページ(下の切抜)の最初の売り文句が「プロが運用」だ。真剣に調べて、こういう成績だと分かると、もう笑うしかない。プロが運用するから成績がいいとは言ってないのは確かだけど、期待させる書き方にはなっている。もちろん、マネックス証券が運用している訳ではなく、販売しているだけだ。


 【マネックス証券の投資信託・投信つみたてのページから引用】


当初集時は特に釣られ易い

 DIAMベトナム株式ファンドの当初募集時のパンフレットがあったので、そこから参考実績として表示されていたグラフを抜粋した(下の図)。いかにも右肩上がりで儲かりそうだ。投資信託は、こういうタイミンクで設定・募集されるのが普通だ。パンフレットを見る時点で既に投資する気で関心があり、有望な理由がこれでもかと書いてあるので、釣られてしまうのも当然だ
 こういう資料を作ってお金を集め、信託報酬を得るのが運用会社の仕事だとすると、ちゃんと仕事をしていることになるのだけれど。


 【DIAMベトナム株式ファンドの当初募集時のパンフレットから引用】


ベトナム株のETF

 ベトナム関連の投資信託が軒並みひどい成績だったとすると、次に考えるのはETFになる。日本にはベトナム株専門のETFはないようで、米国上場のヴァンエック・ベクトル・ベトナムETFあたりが候補になる。以下に紹介記事を見つけた。



 なお、ベトナムは、外国人による上場企業の株式保有制限を実施している。緩和傾向にあるようだが、その影響を受ける可能性がある点にも注意が必要だ。
 以下の資料の中にも投資制限関係の記載もあった(本資料作成の証券会社と利害関係は一切ない)。
2019/10/03 ベトナム株式投資の魅力


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