円の価値は基本的には高い
日本で働いていると給料は円建てだろう。年金とかも円建てだし、貯金も基本は円建てだろう。今のところ円の価値が失われる恐れはほとんどないし、日本で普通に生活している分には外貨を持っておく必要性は感じないだろう。
国の借金が大きくて破綻しそうだとか財務省主導で宣伝されているが、大きいのは政府の借金で、国としては豊富な対外純資産を持っている世界一の金持ち国であって、金融収支は大幅な黒字だ。だから、何かあると円が安全資産として買われて円高になる。長期的には戦後はずっと円高だった。
選挙のたびに政治家たちが集票のために色んな無償化や補助拡大を打ち出し、増税しても政府の支出は増え、政府の財政が苦しいのは事実だ。少子高齢化もあって、医療や年金などの社会保障費に減額圧力がかかり続けるのは避けられない。
日本銀行国際局が昨年7月にまとめた「2018 年の国際収支統計および本邦対外資産負債残高」から、金融収支と対外資産負債残高のグラフを抜粋すると以下だ。
日本は長期にわたり経済成長していない
円の価値には当面問題ないと思うが、将来、何が起こるかは分からない。
長期にわたり日本経済の停滞は続いていて、GDP(国内総生産)は世界3位とはいえ、上がり続ける米国や中国とは比べようもないのも事実だ。IMFの予測も含めた主要国のGDPの推移グラフが以下だ。
各国の株式市場単位で見れば、基本的にGDP成長に合わせて時価総額が上がっていく。バブル崩壊後、日米の間で株価にとても大きな差が出たのも当然だ。
円建て資産だけだとリスクが高い
政府の財政状況や日本の経済成長のことを考えると、全資産を円建てだけで持っているということにも結構リスクがある。ずいぶん前からそう考えていた。それで、メイン口座でも外国株等の投資信託を持っている。
まだブログの方には書いていない金(ゴールド)やFXの分、後述する外貨預金を合わせると、現在、純資産の20%程度は円建て以外の資産に投じていることになる。感覚的に30%強(三分の一)にはしたいと思っていたが、そこまでは至らなかった。円高の歴史が頭にあって、増やしきれなかったのだ。
どの程度の外国資産割合が適切かは分からない。資本主義を信じ、米国のダイナミズムを信じるならば、米国株を中心に資産をもつという考え方もある。少なくとも過去のGDP成長や株価を見れば、それが正しい選択ではあった。
外貨預金も持っている
ネット銀行の外貨預金でも、米ドルを中心に何百万円分かは外貨を持っている。円定期と外貨定期のセットで金利がお得というようなキャンペーンにつられて少し増えたりしまったのだが、大半は解約の利便性等を考えて元々外貨MMFで運用していた分だ。
昔、外貨MMFは、分配金は20%の分離課税で、為替による値上がり益は非課税だった。ところが税制が変わって為替差益も課税対象になり、特定口座を開設して移管するとか面倒な話になってしまった。それで、解約して外貨預金にしたのだ。
基本は定期預金だが、ユーロだけは金利がほぼゼロなので普通預金のままにしてある。