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初めて寄席に行った

 大人になってからテレビで落語を観るようなこともほとんどなかったし、特に興味もなかった。しかし、子供が都合で行けなくなった11月27日の三越落語会のチケットをくれたので出かけた。場所は日本橋三越本店にある三越劇場で、チラシと当日のパンフレットは以下の通り。



 演目は写真の通りだが、前座は若い女性落語家 三遊亭こと馬さんの「桃太郎」だった。さすがに話しぶりが若い感じ。

 本編に入る前のまくら(枕)は噺家それぞれだが、まくらも含めて一番笑いを取っていたのは柳家権太楼師匠だったと思う。
 まくらでは勘違いで値引きしてくれた帽子屋の話のほか、娘から預かった犬に対して奥さんが大谷選手のデコピン始球式の真似をさせようとしてうまくいかなかった話で大いに受けていた。元気よく明るい話しぶりもいい。
 本編の「猫の災難」は酒好きの男が友達の買ってきた酒を先に飲み始めてしまい、酔いが回っていく様子や酒などがなくなったことを猫のせいにしてしまおうするくだりの話しぶりが非常に面白かった。

 瀧川鯉橋師匠「時そば」は落語とは縁遠い私でも何度も聞いたことのある噺だ。屋台のそばをすすりながらそばをほめて最後に時刻をきいて勘定を1文ごまかす様子、それを見ていた男が翌日真似しようとしたらとてもほめられるようなそばではなくて戸惑う様子などが噺家によって違うので、その違いも含めて楽しむ演目なのだと思う。落ちはもちろん勘定を余分に払ってしまう所。
 まくらは屋台のそばを二八そばということに関する説明とか、そばが16文だったこと、昔の時刻は九つ(午前0時前後)とか言ったことの説明で、時そばのための予備知識になっていた。ちなみに、余分に払うことになった理由は早く真似をしたくて早い時間帯(四つ)に屋台のそばを食べてしまったからだ。

 古今亭志ん輔師匠の「小猿七之助」は、講談連続物の内の一つで「永代橋・一人船頭一人芸者」の部分だったようだ。ちょっと怖い内容で、緊迫感のある話し方で、他の笑いを誘う演目とは違っていた。

 その他の師匠もそれぞれ持ち味を活かした噺で楽しめた。機会があればまた行きたいと思った。


 なお、当日の観客は私より年上のシニア男性が多く、女性もちらほら。場所柄のせいか、和服の上品な女性もいた。さすが三越本店。

 新館から入ってエスカレータで上がりながら店舗を様子を眺めたりしたがブランド品のショップばかり。三越劇場のある本館6Fは美術サロンがあって高級品がずらり。こういうところに縁のある富裕層も三越本店の顧客には多いのだろう。

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