楽天カードで2019年1月から2年間かけて積み立てた楽天・全米株式インデックス・ファンドを2021年1月から解約し始め、昨日をもってすべての解約を終了した。
積立と解約の状況
昨年12月に半分解約した時点で一度記事にまとめたので、詳細はそちらをご確認頂きたいが、楽天カードでの積立でも楽天ポイントがもらえるようになったため、2019年1月から毎月1万円だけ積立を始めた。その後、2年間続けたが、米国株の買われ過ぎ感が拭えなくなってきたので、積立はeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)に替え、その積立に合わせて楽天・全米株式インデックス・ファンドを毎月解約してきた。
毎月解約を続けていれば今年12月で解約完了になるはずだったが、投資信託の購入・保有による楽天ポイント付与の条件が改悪されたため、eMAXIS Slimバランスの積立は今年8月1日分で終了とした。そのため、全米株式インデックスの解約ペースを適当に速めた結果、11月1日解約分をもってすべての解約が完了した。
トータルリターン等の状況
全米株式インデックスのすべての解約が完了したので、この積立での運用成績も確定した。2年間で積み立てた金額は24万円になるが、解約によるトータルリターン(税引前利益の累計)は140,312円、利益率58.4%となった。平均で概ね2年間保有していたことになるので、年利換算29.2%となかなかの好成績だった。
基準価格の推移と円安の影響
先の好成績は、必ずしも米国株が堅調だったからという訳ではない。米国株は今年に入ってから軟調な動きを続けている。全米株式インデックスの基準価格の推移と、米国株のS&P500指数との比較チャートを以下に示す。
全米株式インデックスの投資対象は、USトータル・マーケット・インデックスが対象でS&P500よりは投資対象が広いが、基本的な動きは変わらない。2021年頃から成績差が開き始め、今年に入ってからは顕著になっている。これは、全米株式インデックスは為替ヘッジなしであるため、その運用成績は円安の恩恵を受けているためである。
ドル円の月足チャートを以下に示すが、ちょうど2021年1月から円安に転じている。そして、2022年3月以降は円安が加速し、10月には一時151.9円台に達した。私が解約を続けた期間、全米株式インデックスの成績は円安の恩恵を受け続けた訳だ。
出所:セントラル短資FX|為替チャート一覧
私は外貨預金やFXもやっており、為替動向にはかなりの注意を払って見続けているが、ここまで円安が進むとは思ってなかった。結果的に、米国株の下げにもかかわらず、円安のおかけで高値圏の基準価格で解約を続けられた。
全米株式インデックスの成績は、米国株とドル円の動向次第だし、今後どうなるかは分からない。最近米国株は少し戻しているが、まだ高値切り下げのトレンドからは脱していない。一方、円安の方も為替介入はあっても、米国の金利引き上げの流れは変わっておらず、日米金利差拡大に伴う円安は続きそうな気配である。ただ、米長期金利がピークアウトしてくれば円高に進む可能性もある。
私の場合、全米株式インデックスへの投資は楽天ポイントがもらえるのでちょっとやってみたという程度のものであり、ポートフォリオとしての投資信託での運用は別途もっと大きな資金で長期で行っている。そのため気軽に今回の解約を続けてきた訳だが、投資信託の積立投資は外部環境にかかわらず長く続けることが基本だ。投資先の組み換えを行ったり、お金が必要になったら別だが、うまく解約することは考えない方がいいと思っている。
【2023.1.13追記】
楽天証券の昨年の特定口座年間取引報告書が交付されていた。本記事の解約分と、楽天ポイントで投資していた投資信託を順次解約していった分だけだったが、口座としては8.2万円近くも利益が出ていて、1.6万円ほど税金を払っていた 。利益率でみると62.3%、平均約2年保有していたので年利31%は得られたことになる。
楽天ポイントでの投資は、株式の買われ過ぎ感があったのでeMAXIS Slim 先進国株式インデックスからeMAXIS Slimバランス(8資産均等型) に変えていた。ただ、投資信託の購入・保有による楽天ポイントの付与条件が改悪されたので、昨年9月から追加投資は中止した。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) も楽天・全米株式インデックスと同様、昨年は投資対象の原資産は値下がり傾向だった。しかし、やは円安で値下がりは円安でカバーされ、好成績につながったのだった。