(写真は、大谷石造りの「松が峰教会」)
「大谷資料館」での大谷石の採掘跡見学を
終わって、来た道を資料館入口バス停まで
歩いて戻ります。
この辺りは、田園風景の中に、特異な形状の山や
奇岩が連なる独特の景観です。
バス停の前は、次頁の写真の様に、切り立った
岩肌の「大谷景観公園」です。
「名勝・大谷の奇岩群:御止山(おとめやま)」
との説明碑が建っています。(国指定名勝)
この辺りの山々は、石の品質が良い山と悪い山に
分かれており、品質の悪い山は、この様に採掘
されずに放置されているそうです。
この奇岩群を通り抜け、細い道を2分くらい歩く
と、天台宗「大谷寺」の朱色の門が見えて来ます。(300円)
門をくぐり中へ入ると、風雨に侵食されて
えぐられた巨大な凝灰石の岩壁に、食い込む
ように建てられた下の写真の本堂がありました。
迫力があります!
本堂の中には、高さ約4メートルの弘法大師の
作と伝えられる日本最古の磨崖仏(大谷観音)
があります。
(国特別史跡、重要文化財)
本尊の千手観音像は岩肌に刻まれていますが、
本堂の中は、撮影禁止なので、入口にあった
看板の下の写真でご覧下さい。
1,200年前の完成時には、金箔が施されて黄金の
輝きを放っていたそうですが、現在は、風雨に
さらされ周囲の凝灰石と同様の色になって
いましたが、間近に見るその大きさには圧倒
されました。
千手観音以外にも、釈迦三尊像、薬師三尊像、
阿弥陀三尊像の9体の石仏が、壁面に、大小
並んで彫刻されていて、壮観です。
ここは、天皇陛下もご覧になられた様です。
本堂を出ると、次は宝物殿で、昭和40年に、
ここの防災工事中に出土したという11,000年
も前の「縄文最古の人骨」の実物が展示され
ています。
こちらも撮影禁止なので、入口にあった看板の
写真でご覧下さい。
宝物殿を出ると、小さな弁天池に弁天様、そこに
2匹のセメント製の白蛇の置物がありました。
蛇の頭をなでるとご利益があるそうです。
大谷寺を出ると、門前の道を挟んだ先に、大谷石
の採掘場跡があり、その奥の切り通しの壁を
抜けると、全長27メートルの巨大な「平和
観音像」が建っていました。
第二次大戦の戦没者慰霊のため、昭和26年に建立
されたものだそうです。
観音像の横から階段が伸びていて、観音様の
ちょうど胸の辺りまで歩いて上ることが
できます。
間近で、拝顔します。
平和観音の近くに、次頁の写真の「天狗の投石」
という奇岩がありました。
天狗が向かいの山から投げた石が、この岩の上に
止っているというものらしいです。
平和観音像から北へ5キロ、道の駅「ろまん
ちっく村」近くの「徳次郎(とくじら)町」の
「西根の町並み」を見に行きます。
西根集落は、旧日光街道近くにあり、大谷石で
建てられた家が最も固まって存在する地区です。
大谷石は、柔らかい多孔質の凝灰岩の一種で、
「ミソ」と呼ばれる茶褐色の斑点があるのが
特徴です。
そして、ここで産出された「徳次郎石」は、この
「ミソ」がほとんど無く、また上質で均質、細工
に適しているため、彫刻や石瓦などに重宝されて
いるそうです。
また、大谷石は、現在では、その耐火性・蓄熱性
の高さから、パン窯やピザ窯などの構造材として
も用いられているそうです。
また、西根集落では、火災が多発生したので、
防火性の高い大谷石造りの建物が普及し、石蔵
と石塀が連続する町並みが出来上がりました。
石造りは、土蔵や納屋が中心ですが、主屋が
石造りになっている家もあります。
石塀や石造りの小屋に、ナマコ壁の様に、漆喰が
厚く盛られた建物もあります。
中には、屋根が石瓦の珍しいものも残っています。
西根集落から、宇都宮市の中心部に戻り、松が峰
教会へ向かいます。
「松が峰教会」は、宇都宮市の中心部に位置し、
東武宇都宮駅から徒歩3分で、大谷石造りの
聖堂が目印です。
大谷石を使った建築としては、現在、最大級と
言われるロマネスク・リヴァイヴァル建築で、
国有形文化財です。
ステンドグラスの窓がオシャレです。
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