その①、その②の続き 実はポーの村では、人間を動物同然に檻に閉じ込め飼っていたのだ。毎年ひとりずつ、若い男や女を騙して連れてきては順番に血を吸い、1年後には殺していた。外で狩るより飼育した方が安全だから。村人の普段の食事はバラのスープのみだが、やはり血を吸わねば生きていけぬ化け物ゆえ、新しい血を必要とするのだ。 ポーツネル男爵一家が村を出たのも、メリーベルが生贄の若い娘に助けを求められ、妹の頼みを . . . 本文を読む
その①の続き 新作『春の夢』には、個性的な新キャラのバンパネラが2人登場する。スラヴ系のヴァンピール(吸血鬼)ファルカと、女バンパネラのクロエ。 前者がオネエ風という設定はユニークだが、それよりも驚くのは瞬間移動という特殊能力があること。壁も簡単にすり抜けられ、瞬時に望む場所に移動できるというのは、いかに漫画でも奇想天外なSFのようで少し興醒めさせられたが、萩尾望都氏はSF作品も多く手掛けていた。 . . . 本文を読む
40年ぶりの新作ということで話題となった、「ポーの一族」シリーズの『春の夢』を見た。発表は昨年だが、間もなく単行本化されると思い、連載雑誌の方は買わなかった。正直言って見るのに迷いがあったが、単行本のレビュー次第で買ってもイイと思った。便利なことにネットでは中古品を扱っているし、1度読んだだけという新品同様の「非常に良い」中古本を、送料込でも書店で売っている品より安い価格で入手した。 但し作品の . . . 本文を読む
その一の続き 会場の入口には'60年代作品の原画が飾られており、わたなべまさこの『ガラスの城』もあった。1歳年上の従姉から紹介されて知った作品だが、少女漫画らしからぬダークなストーリーが良かった。70年代初めまでは私の近所に貸本漫画屋があり、ここで色々な漫画を借りて見たものだった。wikiで見たら、何とわたなべまさこは1929年生まれ、未だに健在らしい。 スポ根漫画の金字塔『アタックNo. . . . 本文を読む
先日、せんだいメディアテークの特別展「わたしのマーガレット展」を見てきた。入場は無料だったが、期間は6月18日~6月21日までという僅か4日間の強行軍イベント。せんだいメディアテークのHPでの特別展紹介はこうあった。「主催者から一言!少女まんが誌「マーガレット」「別冊マーガレット」の創刊50周年を記念した複製原画による展覧会です」
集英社の公式サイトにも「わたしのマーガレット展」があり、これ . . . 本文を読む
その一、その二、その三、その四、その五、その六、その七、その八の続き 初めにアニメ版を見た人と違い原作から入ったファンには、やはり違和感と戸惑いがあるはず。殊に週刊誌連載時から見ていたファンには思い入れが強く、それがアニメ版への違和感となっている。私自身、宝塚版もТVで見ただけだし、メーキャップの濃さに閉口して未だに宝塚歌劇は劇場で見ていない。アニばらは初放送から30数年後、やっと見れた有様。
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その一、その二、その三、その四、その五、その六、その七の続き「愛すること、誠実に生きること、その苦しみから解き放たれるオスカル。そして今、アンドレの待つ天国に召され、再び光と影は一つになる。民衆の勝利の声を聞くこともなく…」 この最終話予告編ナレーターに、えっ?と思った。それもそのはず、最終話でオスカルが死んだ時、こんなテロップが流れる。「1789年7月14日 オスカル・フランソワ絶 . . . 本文を読む
その一、その二、その三、その四、その五、その六の続き アンドレに続き、オスカルも銃弾に倒れるのは原作通りだが、アニメ版でのアンドレの死はかなり変えられている。オスカルを庇って自ら楯になり、狙撃される原作と違い、流れ弾に心臓を撃ち抜かれて死ぬ。アンドレを撃ったのは無名の歩哨に過ぎず、この歩哨を先に撃ったのはオスカルだった。戦闘状態にあって敵の歩哨に発見されれば、部隊全員が殺される。オスカルが彼を撃っ . . . 本文を読む
その一、その二、その三、その四、その五の続き アニメ版でオスカルとアンドレがついに結ばれるのが第37話。この回のはじめでオスカルは、ジャルジェ家の侍医ラソンヌから、結核で余命半年と診断される。原作よりも早い時点でオスカルは結核に罹っているが、それを誰にも話さなかったのはアニメ版も同じ。さらに治療のために医者に掛からなかったのも原作通り。オスカルの喀血シーンは3度くらいの原作に対し、アニメ版ではその . . . 本文を読む
その一、その二、その三、その四の続き ジェルジェ将軍もアニメ版ではかなり改変されているが、特に第30話では家の体面よりも父親としての愛情が全面に出る展開となっている。父がオスカルにジェローデルとの結婚話を持ち出し、娘が拒むのは原作とは同じにせよ、父の対応はかなり穏やかである。アニメ版ではジェローデルを交えずに書斎で父娘のみの会話だが、いきり立つオスカルに父はこう切り出す。「まあ、いいから(椅子に) . . . 本文を読む