トーキング・マイノリティ

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護憲派の言い分

2006-03-19 20:26:23 | マスコミ、ネット
 最近、護憲派のブログを拝読した。一つは『ねじれ川柳惑星』。このブログはムハンマドの風刺画に関した記事を検索して見かけた。様々な見方がある中で、イスラムの歴史を取り上げた私の記事と同様異色だった。「さて日本自身はどうだろうか。他の民族を馬鹿にし、見下したりしていないだろうか」で締めくくり、コメントでも「日本の政治屋どもが何度も繰り返す暴言がそれ」とある。
  改めて護憲派というのは常に日本に対し自省を求める姿勢なのが知れて興味深い。このようなブロガーに中華思想やウイグル、チベットなど中国の少数民族弾圧 を指摘しても全くムダである。不適切なコメント、トラックバックとして早々に削除されるか、よくて黙殺なのが特徴なのだ。日本や欧米の傲慢は糾弾する一 方、中国、朝鮮、ロシアの人権蹂躙を無視する厚かましい偽善者が本性。

 あと一つは『お玉おばさんでもわかる政治のお話』。これはさすがに人気ブログだけあり、題名や語り口といい文章表現力はある。何故政治でなく読書部門に登録してるのか不可解だが、表現は違っても所詮護憲派とは政治センスゼロの連中なのが分かる。
 護憲派のロジックは決まったパターンがある。憲法改正すれば戦争に巻き込まれる、このままではアメリカに搾取され続ける、隣国との友好をもっと心掛けるべき…
  まず不快でも、日本はアメリカの属国状態にあるのは認めた方がよいだろう。アメリカが日本により戦争の負担や肩代わりを求めるのは当然の流れだが、現代の 日本でノーと言える国力があるのか?果たして日本一国で自由と独立を維持できると思えるのか?搾取してるのはアメリカや中国だけでなく第三国からもたから れ放題なのは何故なのか?

 属国が宗主国の戦争に巻き込まれるのはよくあることだが、それ以上に巻き込まれやすいのは非武装や武力の劣る 国なのだ。覇権国はまず強そうな国とはことを構えない。支配下に置いた国に“平和”維持のため金や人を負担させるのは、インドを支配したイギリスがまさに そうだったが、当時のインドは拒否できなかった。
 ODAを例に挙げ日本の外務省の外交の拙さを批判するのは容易だが、強い国になびくのが世界史の常。大人しく金を払う国より、ドス(武力)を持つ国の言うことに従うのはいつの時代も同じ。中国も宋の時代は、にカネや女を提供して和平を保っていたのだ。
  護憲派、改憲派問わず中国の外交の巧みさを褒めるが、中共幹部の頭が切れるということは、悪事や汚職を行うのにも悪知恵が働くといえる。事実中国の汚職の 凄まじさは日本の比ではないし、乾隆帝の盛世から進歩はないようだ。中国と違い選挙制もあり、政権交代まで果たしたインドも役人の汚職では隣国と張れるだ ろう。ただ、ボンクラ役人の国と絶対階級と化した共産党党員の支配する国では、民衆はどちらが暮らしやすいか書くまでもない。

 専守防衛は大いに結構。だが、眼前の紛争にのみ役立つ対策を講じるだけでなく、将来起こりうる対策もまた専守防衛の一つである。まだ芽のうちに摘み取っておけば、対策も容易になる。昔からよく言うではないか。「悪い芽は早いうちに摘み取れ」と。護憲派には非武装中立と未だに世迷言を叫ぶおバカさんすらいるが、常に変化する世界情勢にさえ盲目だから救いようがない。

 護憲派の連中の偽善性を示すのは、平和憲法が素晴らしいといいながら、中国や朝鮮にはこの精神を“布教”しないことだ。中国、朝鮮には何一つ言えない連中だから当然にしても、意図せずとも中共の走狗となっているのは明らかだ。反論に対して画一的で偏狭な姿勢を取るのも護憲派の特徴である。何かと日本の画一性を批判する連中が、反対意見にすぐ「レッテル貼りだ」など型通りのいじけた被害妄想に陥るのも滑稽そのもの。現代の憲法を維持して、わが国をどのような国にしたいかビジョンを示さないのは、日本を中国や朝鮮の植民地にするのが本来の目的だ、とは公言できないからだろうか。

「自らの安全を自らの力によって守る意志を持たない場合、いかなる国家といえども、独立と平和を期待することが出来ない。何故なら自ら守るという力量によらずに、運にのみ頼るということになるからである」 ―マキアヴェッリ

◆関連記事:「素晴らしきかな、日本国憲法」「アジアがアジアであるために

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2 コメント

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泥酔者 (Mars)
2006-03-19 23:15:42
こんばんは、mugiさん。



mugiさんもコメントされたそうですが、私も、以下の意見に対し、コメントしてもました。

>他の民族を馬鹿にし、見下したりしていないだろうか

日本人はアジアに対し、見下していないとはいえない。しかし、韓国人は日本人に対し、チョッパリと罵り、中国人は日本鬼子と罵る。インド人は日本人を格上とは思っていないものの、格下とも軽蔑していない、と。それを知らず、スルーして、私の意見を削除をするのは、○の穴の小ささと、知識の少なさを感じざるを得ません。



護憲派の最大の弱点は、自身の主張に反する、反平和主義、力の正義を認めてしまうことでです。

そもそも、占領国に対し、独自に憲法を押し付けるなど、国際法無視もいいところです。また、本当に平和主義であれば、米国の攻撃だけでなく、旧ソ連のアフガン侵攻、イラン=イラク戦争、中国の数多くの侵略、イスラエルの侵攻、それに対するアラブ人の非道、など数多くありますが。結局は、ある特定の者のみ非難し、自分を振り返ることがないですね。



マキアヴェッリの引用ですが、本当は、先に使いたかったのですが、越されましたね(笑)。でも本当に、兵は戦いの為に養い、一度として使われない作戦の為に度重なる訓練をしているのです(全然、比較の対象にはなりませんが、野球もそうです)。

ある意味、頼もしく、怖い事実を一つ。もし、日本国籍の船が他国に攻撃されても、簡単に反撃できないのが日本の自衛隊です。でも、当海域にいる、自衛隊員は、後に殺人罪で起訴されてもいいから、同胞を助けると。これは、ある意味、頼もしいもののシビリアンコントロールに逸脱し、せざるをえないということです。バ○政治家よりも、現場の方は覚悟を決めている、かもしれません。こんな歪んだ国を守るのは、(アテナの)イージスの盾以上に、きついかもしれません。



ある意味、私やmugiさんの意見は正しくもあるかもしれませんが、間違っているかもしれません。しかし、それを考え、判断するのではなく、頭ごなしに批判するのは。。。

私はmugiさんと親しい関係(といわれてもしょうがない)ですが、お互い、相手の意見に対し、評価するところは評価し、おかしい所はおかしい、といって来たつもりですが。そういう意見の交換(時には、きつい意見もありますが、)があってこその、友人関係だと思います。

それも出来ずに、必ずYESマンであり、それ以外はNOマンでは。人間は考えること放棄することで、他の動物と変わりない、という方もいます。

ある意味、惰性で、考えること放棄することは絶対無いとはいえませんが、できるだけ、そうならないように、努力するべきですね。

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天邪鬼 (mugi)
2006-03-20 21:37:02
こんばんは、Marsさん。



私もMarsさんの反論を拝見してました。あの御仁がMarsさんや私のコメントを削除したのは知識が少ないからでなく、都合の悪いことを見たくもなかっただけでしょう。中華主義を指摘されたら、日本をやり込められなくなるご都合主義があの手合いの本音です。



私は護憲派のほとんどは平和主義を装った中朝の提灯持ちと見なしています。かつての西欧も平和や文明の恩恵の名の下でアジア・アフリカを植民地にしました。もちろん西欧も日本に工作は劣らずやってますが、メキシコとチベットどちらがよいか、書くまでもありません。



軍隊は国の安全のために必要不可欠ですが、シビリアン・コントロールがうまく出来ないと民衆弾圧にもなりかねません。それ故、憲法改正が必要と私は思います。護憲派は軍事の事を考えるのもおぞましいと思考停止に成り果ててますから。

中共の軍隊名が“人民解放”軍とはブラックジョークですね。



私は護憲派やアジア諸国との友好主義ブロガーとやり取りした事がありますが、彼らの反応はパターンはほとんど同じなのが笑えます。頭ごなしの批判はしないものの(出来ないか?)、黙殺か論点ずらしをする。中朝の問題点を指摘すると、「日本だって~」とすり替えに躍起になり、事実を指摘しただけで「彼方が中朝の批判ばかりするから」と憤慨。果ては「彼方はすり替え話とレッテル貼りをする」とヒスを起こす。自分がやってるから、他人もそうだとの思い込み。とかく、世間知らずで幼稚なのは痛いものがあります。



私のこれまでの意見できついコメントもあったと思いますが、生来天邪鬼で皮肉屋ですので、どうかご容赦の程を。逆に私は彼方のコメントで岡目八目の言葉どおり、はっとさせられたことがあります。
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