トーキング・マイノリティ

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知られざる“コミケ”の世界

2015-01-26 21:40:00 | 音楽、TV、観劇

 1月12日、NHK特集『知られざる“コミケ”の世界』が放送された。録画していた件の番組を先日見たが、これで初めて私は“コミケ”なる用語を知った。番組サイトもあり、以下の青字はそこからの引用。

マンガやゲーム、アニメ、音楽、鉄道、SFなどのサブカルチャーのファンが、年に2回世界中から東京ビッグサイトに集結する。めざすは「コミックマーケット(通称コミケ)」。あらゆるジャンルの同人誌がならぶ、“トップ・オブ・サブカルの祭典”だ。
 2015年で40周年を迎えるコミケは、3日間の開催でなんと60万もの人を集める。規模でも、歴史でも、世界に類を見ない大イベントといわれる。コミケは、これほどの巨大イベントにも関わらず、その実態はあまり知られていない。どんな人が集まり、何が行われ、何が生まれているのか。知っているようで知らないコミケの内側を徹底取材。いかにして60万人もの参加者を集め続けているのかを探る。

 番組では昨年12月末の3日間の開催で、56万人の来場者があったと報じていたが、いずれにせよ参加者の数は凄まじい。イベントに来たのは若者ばかりではなく、中高年世代の社会人、外国人もいた。来場者の約2%は外国人だそうで、参加者が50万人であれば1万人は外国人となる!台湾や中韓はともかく欧米からも参加していたのは驚いた。
 参加者の顔触れも興味深かった。大学卒業後はバイトしながら絵本作家をめざしている若い女性がおり、彼女はブースで手作りの豆本を売っていた。見るからに可愛らしくてきれいな豆本だったし、出展した作品は殆ど完売状態。このイベントには出版業界関係者も来場するそうで、彼らの目に留まればプロの絵本作家も夢ではないかもしれない。

 東北情報の同人誌を出していた宮城県出身者がいたのは心強い。彼らの中には東日本大震災の被災者もいて、震災でそれまで集めていた漫画やゲームは自宅ごと津波に流されたという。そんな逆境にも拘らず漫画オタクらが集まり、地元情報を発信、復興に向けて努力する姿勢は頼もしい。肝心の情報誌の絵柄は今の主流の美少女キャラで、この手のキャラが苦手の私には買いたいとは思えなかったが。
 そもそも私は、同人誌というものを見たこともなく買ったこともない。既に中高年世代になっているためか、暫く前から漫画も殆ど見ておらず、アニメはたまに見る程度。ましてオンラインゲームは1度もしたことがないし、したいとも思わないアナログ人間。映像で見る限り来場者は30代くらいまでの人々が中心だったが、少数でも中高年世代はいたし、しかも男性が大半のようだ。

 コミケについて、私のブログ&メル友の30代男性から教えて頂いた。件の男性自身はコミケには行ったことはないが、秋葉原や中野等の中古ショップで同人誌を扱っているのを見たことがあるという。同人誌といっても色々で、アニメやゲームのネタも様々、エロ・非エロもあるとか。同人誌の絵も様々で、中には単行本を出した漫画家のサークルがだしたものもあり、絵のレベルもそれぞれらしい。
 また、コミケには同人誌を購入するだけではなく、アニメやゲームのコスプレをする人(コスプレイヤー、通称:レイヤー)も少なくないそうだ。こちらのレベルも様々で、服装も体型も??な人もいれば、モデルさんばりの方もいるという。

 コスプレイヤーも番組に登場したが、モデルばりの美形は映されなかった。尤も私が女ということもあり、同性のコスプレイヤーよりも異性のほうに注目した。20世紀前半のドイツ将軍の軍服を着て参加したり、宇宙戦艦ヤマト沖田艦長に扮した52歳の男性もいた。
 コスプレイヤーではないが、四国から参加した住職もいた。番組では蝉丸PというHNで出ていたが漫画大好き坊さんで、ひと月に買う漫画は30冊にもなるとか。「蝉丸P」で検索したらヒットしたサイトは多数あり、「ニコニコ大百科(仮)」には彼のプロフィールが詳しく紹介されている。ネットを駆使して仏教講座の他に動画もアップするなど、今風で世俗的な坊主もいるようだ。

 コミケ参加者の1人が言っていたように、このイベントはオタクの集まりなのだ。コミケの間は思い切りバカになれるし、それが楽しいという。今はアニメや漫画に関心のなくなった私だが、イベント来場者は楽しそうだった。56万人も集まるのだから、オタクを決して馬鹿に出来ない。
 とかく世間一般はオタクを馬鹿にするが、参加者の言うように人間誰もがオタク。興味の対象が歴史なだけで、私自身もオタクなのだ。しかし、歴史オタクにはこれほどのビックイベントの催しはやれない。この辺、アニメ・漫画オタクは本当に羨ましい限り。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
紹介 (コトタマノマナビ)
2015-01-29 20:44:02
日本語の起源

言霊百神

kototama 100 deities
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見ました (ハハサウルス)
2015-01-29 21:05:34
こんばんは、私はたまたまでしたので途中からでしたが、この番組見ました。

「コミケ」という大規模なイベントが開かれているのは知っていましたが、確かに実態はよくわかっておらず、とても興味深く見ました。昔はマンガもアニメも大好きでよく見ていましたので、「オタク」という言葉には何となく「うらやましい」という感じがします。あのエネルギーはすごいですね。培ったノウハウで設置も撤去もスムースに行われ、それがまた受け継がれていくんでしょうね。

あのすさまじいばかりの行列の様子を見ると、とても会場に足を運ぶ勇気は出ませんが、もし行ったとしたらすごく楽しめると思いますし、いろいろ買い込んでしまいそうです。

ドイツ軍の軍服を着た方や沖田館長のコスプレの方など、結構おじ様方も楽しんでおられましたね。堂々としていて「バカになれる」という気持ち、いいなと思います。さすがにコスプレをしたいとは思いませんが、見る分には楽しいです。

外国人にも人気のコミケ、これからも「オタク文化」は世界に広がっていくんでしょうね。(こういう番組はやはりNHKだなって思います)
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Re:見ました (mugi)
2015-01-30 21:12:12
>こんばんは、ハハサウルスさん。

 私もNHKの番組紹介でこの特集を取り上げていたため、録画して見た次第です。それまでは「コミケ」という大規模なイベントが開かれていることも知りませんでした。あれだけの規模にも拘らず、設置も撤去もスムースに行われていたのはスゴイと私も思いました。40周年を迎えるにしても、あの手際の良さは見事です。

 やはり中高年女性はイベント会場で見かけませんでした。たまたま映らなかったのかもしれませんが、男性は50代でも参加しているのだから、「バカになれる」度胸は羨ましい。仙台の街の中心で、ピンク色の髪(かつら?)をしたコスプレイヤーを見たことがありますが、どう見ても20代でした。アニメキャラのコスプレは抵抗を感じますが、時代劇のそれには密かに憧れています(汗)。

 一昔前までは「オタク文化」はとかく際物扱いでしたが、現代は評価されるようになりましたね。最近では犬HKとまで罵倒されますが、この番組は良かったです。
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