英国のベストセラー作家フレデリック・フォーサイスは新作『アヴェンジャー』の24章「計画」でテロリストをこう定義していた。以下はその抜粋。
「テロリズムと は、かつてフランスの黒人精神科医で社会思想家だったファノンが“地に呪われたる者”と称した人々の貧困や欠乏から発生したものだという、西側世界で従来 唱えられてきた、ほとんど泣き言に近い見方は、まことに便宜的で、“政治的に正しい”-ということは、きれいごとにすぎる-戯言だということである。
帝政ロシアのアナーキストから1916年結成のIRA、ユダヤ人がイスラエルを建国する前に宗主国イギリスの駐屯軍に対して作った武装抵抗組織イルグンや スターン・ギャングからキプロスのEOKA、また赤い旅団、バーダーマインホフ・グループ、日本赤軍、南米ペルーのセンデロ・ルミノソに至るまで、テロリ ズムを産んだのは、楽な生活を送り、高等教育を受けた中産階級出身の理論家であり、彼らの心は傲慢極まりない虚栄心と恣意的で手前勝手な欲望に蝕まれている。
こうしたテロリストたちについて綿密に研究した結果、デブロー(登場人物名)は、同じ結論が彼らのリーダー、労働者階級出身の独り善がりのごろつきにも当 てはまると確信した。中東でも、西ヨーロッパで、南米でも、極東アジアでも全く同じことがいえる。イマト・ムグニヤ、ジョージ・ハバシュ、アブ・アワス、 アブ・ニダル(イスラム過激派名)、その他のアブもすべて、毎日たらふく食って生きてきたものたちである。しかもほとんど全員、学位を持っている。
この種の連中には、共通点が一つある。限りなく憎悪を再生産できる悪魔的な能力を備えているという点である。そういう遺伝子を所与のものとして持っているのだ。まず憎悪があって、ターゲットはあとにくる。この順序が変わることはほとんどない。動機もまた憎悪の能力の次にくる。ボルシェビキ革命も民族解放運動や何百とあるその変種も、合同から分離まで、すべて同じである。反資本主義的な熱狂という形をとる場合もあるし、宗教的な高揚として表れることもある。
しかし、いかなる場合でも、まず憎悪が先にあり、次に原因、ターゲットがあり、それから方法がきて、最後に自己正当化がある。そうすると、レーニンのいう“役に立つ愚か者” が必ずそれを鵜呑みにしてくれる。・・・彼らはパレスチナの人々を、テロの実行行為者として、或いはテロ正当化の手段として利用するだけで、本当は彼らの 行末のことなど全く考えていない。彼らはアメリカが何を為したかではなくて、現代の有りようそのもののゆえに、アメリカを憎悪しているのだ」。
作家特有の詳細かつ見事な人間洞察力に驚く。TVに登場する真面目なイスラム学者たちより鋭い指摘をしている。
「テロリズムと は、かつてフランスの黒人精神科医で社会思想家だったファノンが“地に呪われたる者”と称した人々の貧困や欠乏から発生したものだという、西側世界で従来 唱えられてきた、ほとんど泣き言に近い見方は、まことに便宜的で、“政治的に正しい”-ということは、きれいごとにすぎる-戯言だということである。
帝政ロシアのアナーキストから1916年結成のIRA、ユダヤ人がイスラエルを建国する前に宗主国イギリスの駐屯軍に対して作った武装抵抗組織イルグンや スターン・ギャングからキプロスのEOKA、また赤い旅団、バーダーマインホフ・グループ、日本赤軍、南米ペルーのセンデロ・ルミノソに至るまで、テロリ ズムを産んだのは、楽な生活を送り、高等教育を受けた中産階級出身の理論家であり、彼らの心は傲慢極まりない虚栄心と恣意的で手前勝手な欲望に蝕まれている。
こうしたテロリストたちについて綿密に研究した結果、デブロー(登場人物名)は、同じ結論が彼らのリーダー、労働者階級出身の独り善がりのごろつきにも当 てはまると確信した。中東でも、西ヨーロッパで、南米でも、極東アジアでも全く同じことがいえる。イマト・ムグニヤ、ジョージ・ハバシュ、アブ・アワス、 アブ・ニダル(イスラム過激派名)、その他のアブもすべて、毎日たらふく食って生きてきたものたちである。しかもほとんど全員、学位を持っている。
この種の連中には、共通点が一つある。限りなく憎悪を再生産できる悪魔的な能力を備えているという点である。そういう遺伝子を所与のものとして持っているのだ。まず憎悪があって、ターゲットはあとにくる。この順序が変わることはほとんどない。動機もまた憎悪の能力の次にくる。ボルシェビキ革命も民族解放運動や何百とあるその変種も、合同から分離まで、すべて同じである。反資本主義的な熱狂という形をとる場合もあるし、宗教的な高揚として表れることもある。
しかし、いかなる場合でも、まず憎悪が先にあり、次に原因、ターゲットがあり、それから方法がきて、最後に自己正当化がある。そうすると、レーニンのいう“役に立つ愚か者” が必ずそれを鵜呑みにしてくれる。・・・彼らはパレスチナの人々を、テロの実行行為者として、或いはテロ正当化の手段として利用するだけで、本当は彼らの 行末のことなど全く考えていない。彼らはアメリカが何を為したかではなくて、現代の有りようそのもののゆえに、アメリカを憎悪しているのだ」。
作家特有の詳細かつ見事な人間洞察力に驚く。TVに登場する真面目なイスラム学者たちより鋭い指摘をしている。
七月も中旬で暑い日が多くなりましたね。
でも、局地的な大雨も多いですから、気をつけましょうね。
ところで、mugiさんが紹介される通りだと思います。
>まず憎悪があって、ターゲットはあとにくる
結局のところ、テロを起こしても、その後のことを考えて実行しているようには思われませんね。
かの国の安某も、伊藤公を暗殺した後、日韓関係がどうなるかまでは、考えていなかったでしょうね。
(テロは歴史を停滞させても、進展することはありえないでしょう)
>レーニンの いう“役に立つ愚か者”が必ずそれを鵜呑みにしてくれる。
武市半平太と岡田以蔵の関係もそうでしょうね。指導者は実行者をさんざんりようし、最後は切り捨てる。熱狂があるうちがいいですけど、それが冷めた時、散々、利用された自らを知る。
まぁ、利用された悲しさはあるでしょうけど、その手で殺められた者のことを考えると、どちらも許せませんけどね。
私は北部日本に住んでいるので大雨はまずないのですが、毎年九州地方を中心に犠牲者が出るのは痛ましいです。
後先のことを考えないから、テロがやれるのでしょうね。
結局、安は何が目的だったのでしょう。伊藤博文一人暗殺したところで、朝鮮支配は変わらない。歴史に名を残したかったのか?
現代は愛国者と讃えられる安に、暗殺直後同胞は実に冷淡だったけど、日本人看守だけが親切だったのは皮肉です。
>武市半平太と岡田以蔵の関係もそうでしょうね。
それもそうですね!幕末日本にもその類がいました。
まだこの二人なら国内問題で済みますが、外国の喧伝を鵜呑みにするお人よしこそ、ある国々に取り“役に立つ愚か者”そのものです。
つたないコメントで申し訳ないです。
でも、mugiさんのコメントを見て少し思ったことを述べさせていただきます。
mugiさんはお酒を所望されますか?
ここから、酔っ払いの戯言だと思って、聞き流してください。
安重根の暗殺実行には、日本人の協力者もいたでしょう。韓国(当時)人だけで、あのような事件を起こせるとは思えないし。日本人側でも、伊藤公を快くないものもいたでしょう。
これは、あくまでも私の空論なのであしからず。
それともう一つです。
アル○イ○ダもやはり、計画性がないというか、天下を狙う戦略がないのでしょうね。
合衆国が嫌いで実行するのはおいといて、では、次に何かを主張するかといえば、同じことのみです。
アル○イ○ダは合衆国と昔、繋がりがありましたが、今はないでしょうね。現在は、合衆国が利用しているだけでしょう。
日本でもテロの起こる可能性は否定できません。また、そういう場面に遭遇したくはありませんが。
でも、日本でテロを起こしたとしても、右往左往するだけで、根本的には変わらないと思います。
もし、万が一(でも、確率的には万が一でも可能性大)、テロが起こっても、極端な保守的にはならず、かえって左寄りをよろこばしそうです。
日本でテロが起こったとして、正常な国家となりえそうもない現状を見ると、悲しくなります。
私も酒は大好きですよ。缶ビール片手のネットは楽しい
>安重根の暗殺実行には、日本人の協力者もいたでしょう。
これは目からウロコです!私はこれまで安重根単独犯を露疑ってなかったので。可能性ありですね。
日本でイスラムによるテロが起きたら、左派勢力が手引きしたのでは?との疑いをもたれるかもしれない。
昨年春のイラク人質事件は自作自演、との見方が飛び交ってましたよね。日本のイスラムシンパの背後に左派がいるのは有名だから。かつてアメリカがタリバンを支援したように、中国もイスラムを時に支持します。ISI(パキスタン軍情報部)と中国は日本より友好。
どうせなら偏向報道してるマスコミを標的にして欲しいです(笑)。