海外在住日本人や来日外国人も当たり前になった現代、さぞ日本人の国際結婚は増加しているという印象がある。特にマスコミによる韓国への殆ど称賛一辺倒報道の影響で、隣国人と結婚する日本人も増えていると思っていた。
しかし、最近私が見ているブログ『Darkness』には必ずしもそうでないことが載っていた。2013年2月2日付けの記事名はズバリ、「中国や韓国の男と結婚したがっている日本女性は増えたのか?」。これによれば何と隣国はもちろん、外国人と結婚する日本人男女はほぼ横ばい状態だったのだ!
上のグラフは件の記事に載っていた日本政府の婚姻データの2010年度版(夫妻の国籍別にみた年次別婚姻件数)で、日本人男性と中国・韓国人女性との結婚数。青が「韓国・朝鮮」女性との結婚数、赤が中国女性とのもの。このデータの結果から管理人は、「日本人がそれほどまで韓国人が好きになっているのであれば、もちろん爆発的な勢いで韓国人との結婚が増えているはずだ」「2010年に韓国人女性と結婚した日本人男性は3,664人だから、1995年の4,521人の水準すら「割り込んでしまった」という状況」と述べている。「近年はむしろ急激に落ち込んでいるのが見て取れる」とまで書いている。
日本女性側も興味深い。上のグラフは中韓の男と結婚した日本人女性のデータ。1995年の最高値ですら3,000人に届いておらず、管理人はこう言いきる。
―非常に大々的な「韓流」があって、日本人女性はどんどん韓国人男性と結婚するようになっているのかというと、そんな兆候はどこにもなく、むしろじり貧で落ちているのが見て取れる。
実は中国人男性と結婚したがっている日本女性が増えているという報道のネタは「中国网」だったそうだ。正確なタイトルも「日本人女性はなぜ争って中国人男性に嫁ぐか?」という。その理由がまた中華的願望妄言そのものであり、また記事から引用する。
―日本の男尊女卑の思想は相変わらず深刻だとか、専業主婦を強いられるとか、中国人男性は妻を守るとか、そういった理由で、日本人女性は中国人男性に「争って嫁ぐ」というのである。
少しでも中国のことを知る人ならば、中国人による日本女性観は中華社会の投影そのものであるのが知れよう。表向きは男女平等を掲げても重男軽女(男尊女卑)は変ることがなく、それが一人っ子政策による女児間引きに拍車をかけ、出生時の男女比の異様なバランスとなっている。妻は所詮他人であり、血族最優先なのが儒教社会。
女は結婚して男児を産み、やっと一人前と見なされるのは女性大統領を出した韓国も変わりなく、延世大教授(心理学)が現大統領を「生殖器だけが女性であり、女性としての役割は何もしていない」と罵倒したことを取り上げたニュースサイトもあった。
拙ブログにも国際結婚について、madiさんから興味深いコメントがあったので紹介したい。
―日本の国際結婚のおおくを占めるのは日本人男性とフィリピン人女性、中国人女性、韓国人女性となっていますが入管政策によって変動がはげしくなってます。在日関連も国際結婚にかぞえますけどフィリピン中国のほうがおおくなっています。
madiさんのコメントで初めて在日と日本人の結婚は国際結婚に含まれることを知った。入管政策が絡んでいるのは偽装結婚への対処なのは想像がつくし、続けて彼はこう言っている。
―在日韓国人・中国人(永住権のあるもの)については日本人との結婚のみの比較です。在日韓国人と日本人の結婚より日本人とフィリピン人・日本人と中国人の組み合わせがおおいのです。
その二に続く
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国際結婚についての統計、大変興味深かったです。
私も国際結婚した一人ですが、結婚生活というのは忍耐やら融通性やらが必要なのは万国共通でも、やはり国籍の違いというのはなんともしがたいなあ、と思うことしきりです。
やはりなんといっても、気心が知れていて同じ言語で話し合いができる同国人と結婚するのが一番だろうなあ、と最近は思っているところです。
また続きも楽しみにしておりますね。
私は貴女と異なり外国人男性との交際さえありませんが、『Darkness』の記事には驚きました。「日本人女性が外国人と結婚する割合は1%」に過ぎず、貴女はその稀有な女性です(笑)。
私のように国外に住んだ体験もない者から見ると、国際結婚で長くパートナーの国に居住、子育てされている日本女性は「逞しい」の一言に尽きます。貴女も塩野七生氏のファンでしたね?塩野氏も同国人で同出身地者同士の結婚は極めて安定していると言っていたのを憶えています。それでも別れるケースはありますが、国際結婚に比べればその確率はずっと低いはず。文化習慣の違いは難しいのでしょうね。