6月19日の河北新報コラム『あすを読む』に、何時もながらブログに格好のネタを提供してくれる、ロンドン大学政治経済学院名誉客員 ロナルド・ドーア氏の、「一元的な米癒着外交、既に許されぬ時代」と題した論文が載った。以下はその一部抜粋。
「ボルトン米国国連大使は去る8日、ロンドンの中央政策研究所で講演して、安保理事常任理事国候補国の日本、ドイツ、インド、ブラジル 四カ国の中で「安保理事会の常任理事国として相応しいのは日本だけだ」と言ったそうだ。
褒められたつもりでいい気になる読者もいるかもしれないが、私に言わせれば、まるで麻原教祖にオウムの信者として相応しいのはあな ただけだといわれるに等しい賞賛である。ボルトン氏は生粋のネオコンで、「国連は無用の長物、国連本部は十回飛ばされてなくなっても 世界にとって何も損にならない」という名言・方言で有名であった。彼を国連大使としてブッシュ大統領が指名した時、N.Yタイムズなどが 「まさか」と反応したのは当り前だった。
ボルトン氏の演説はイギリスの新聞でかなり大きく取り上げられたが、安保理事国拡大の問題に触れた記事は見当たらない。むしろ話題 だったのは、国連副事務総長のブラウン氏が2、3日前にニューヨークで行った演説への攻撃だった。その演説でブラウン氏は一般のアメリ カ人(ミドルアメリカンという言葉を使ったが)の国連の認識が、ラッシュ・リンボーやFOXテレビなど国連を絶えず罵倒する放送にあまりに も影響されており、アメリカ政府がそれに対抗するような言説を控えているのが残念である、と嘆いたのだ。
いつも苛立ちに燃えているかのような顔をして、話し方もぶっきらぼうなことで有名なボルトン氏は、「ミドルアメリカンとは何だ。人を軽蔑している。謝らなければアメリカは分担金の総額を払わない」と怒った…
一昨年の「国連改革に関する有識者懇談会」を見れば、日本にとっての「国連改革」は、日本が常任理事国になることと、分担金を減ら してもらうことの2つだけである。「国連中心主義」を標榜してきた自民党政府は今いずこ…
まさに21世紀初頭の国際政治の中核的な問題は米国の一国裁量の覇権下の世界を目指すか、国連を中心とする法秩序を目指すかである。 「一元的米国癒着を外交の機軸とするのはもう許されない」と、私の国の英国政府にも、日本政府にも言いたいところである」
まさにツッコミどころ満載というか。未だ「国連中心主義」の虜となっている人物の世迷言を見たようだ。ボルトンの発言で舞い上がっ た日本人もいるだろうが、単なる外交辞令なのは書くまでもなく、ATMにもたまに油を差さなければカネの出が悪くなるからに過ぎない。いかにボルトンが問 題のある人物といえ、カルト教祖の麻原と同列に扱うのは不適切。もしボルトンがドーア氏の例えを聞けば、また怒るだろうか。
国連中心主義など、私に言わせればまるでヒトラーに宥和政策の果て増長させた英国首相チェンバレンに等しい政策である。チェンバレンは実は対ナチ戦争の時間稼ぎをしていたとする見方もあるが、国連中心主義など何の展望もない外交冒険主義そのものだ。
昨年4月、インドのセン国連大使が米中を痛烈に非難してこう言い放った。
「安全保障理事会の5常任理事国の間でさえ合意が出来ないのに、191ヶ国の合意など期待できようか。5常任理事国の一部から反対意見が 出たのは、僅かでも優位性を侵食されないようにするためだろう」
ドーア氏の祖国イギリスにとっての「国連中心主義」は、イギリスが常任理事国であり続けること、スズメの涙程度の今の分担金を維持 若しくはさらに減らすこと、常に優位性を侵食されないようにすることの三つだけである。
最後の「「一元的米国癒着を外交の機軸とするのはもう許されない」と、私の国の英国政府にも、日本政府にも言いたいところである」 は、彼の立場を如実に表している。日本の地方新聞風情にコラムを寄稿する程度では、日本はともかく英国政府に何も影響力がないという ことだ。いくら日本のメディアで「一元的米癒着外交、既に許されない」と吼えたところで、本国では相手にもされない人物で、その程度の知識人をご意見番に しているのが日本の地方新聞。
ちなみにドーア氏のアドレスはこちら。rdore@alinet.it ただし、批判、反論メールは受け付けない人物でもある。
「(国際)連盟というものは、大国に対する苦情には見ざる、聞かざるで押し通すに決まっているのだ」―J.ネルー
◆関連記事:「大人の国であることを示せ」
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「ボルトン米国国連大使は去る8日、ロンドンの中央政策研究所で講演して、安保理事常任理事国候補国の日本、ドイツ、インド、ブラジル 四カ国の中で「安保理事会の常任理事国として相応しいのは日本だけだ」と言ったそうだ。
褒められたつもりでいい気になる読者もいるかもしれないが、私に言わせれば、まるで麻原教祖にオウムの信者として相応しいのはあな ただけだといわれるに等しい賞賛である。ボルトン氏は生粋のネオコンで、「国連は無用の長物、国連本部は十回飛ばされてなくなっても 世界にとって何も損にならない」という名言・方言で有名であった。彼を国連大使としてブッシュ大統領が指名した時、N.Yタイムズなどが 「まさか」と反応したのは当り前だった。
ボルトン氏の演説はイギリスの新聞でかなり大きく取り上げられたが、安保理事国拡大の問題に触れた記事は見当たらない。むしろ話題 だったのは、国連副事務総長のブラウン氏が2、3日前にニューヨークで行った演説への攻撃だった。その演説でブラウン氏は一般のアメリ カ人(ミドルアメリカンという言葉を使ったが)の国連の認識が、ラッシュ・リンボーやFOXテレビなど国連を絶えず罵倒する放送にあまりに も影響されており、アメリカ政府がそれに対抗するような言説を控えているのが残念である、と嘆いたのだ。
いつも苛立ちに燃えているかのような顔をして、話し方もぶっきらぼうなことで有名なボルトン氏は、「ミドルアメリカンとは何だ。人を軽蔑している。謝らなければアメリカは分担金の総額を払わない」と怒った…
一昨年の「国連改革に関する有識者懇談会」を見れば、日本にとっての「国連改革」は、日本が常任理事国になることと、分担金を減ら してもらうことの2つだけである。「国連中心主義」を標榜してきた自民党政府は今いずこ…
まさに21世紀初頭の国際政治の中核的な問題は米国の一国裁量の覇権下の世界を目指すか、国連を中心とする法秩序を目指すかである。 「一元的米国癒着を外交の機軸とするのはもう許されない」と、私の国の英国政府にも、日本政府にも言いたいところである」
まさにツッコミどころ満載というか。未だ「国連中心主義」の虜となっている人物の世迷言を見たようだ。ボルトンの発言で舞い上がっ た日本人もいるだろうが、単なる外交辞令なのは書くまでもなく、ATMにもたまに油を差さなければカネの出が悪くなるからに過ぎない。いかにボルトンが問 題のある人物といえ、カルト教祖の麻原と同列に扱うのは不適切。もしボルトンがドーア氏の例えを聞けば、また怒るだろうか。
国連中心主義など、私に言わせればまるでヒトラーに宥和政策の果て増長させた英国首相チェンバレンに等しい政策である。チェンバレンは実は対ナチ戦争の時間稼ぎをしていたとする見方もあるが、国連中心主義など何の展望もない外交冒険主義そのものだ。
昨年4月、インドのセン国連大使が米中を痛烈に非難してこう言い放った。
「安全保障理事会の5常任理事国の間でさえ合意が出来ないのに、191ヶ国の合意など期待できようか。5常任理事国の一部から反対意見が 出たのは、僅かでも優位性を侵食されないようにするためだろう」
ドーア氏の祖国イギリスにとっての「国連中心主義」は、イギリスが常任理事国であり続けること、スズメの涙程度の今の分担金を維持 若しくはさらに減らすこと、常に優位性を侵食されないようにすることの三つだけである。
最後の「「一元的米国癒着を外交の機軸とするのはもう許されない」と、私の国の英国政府にも、日本政府にも言いたいところである」 は、彼の立場を如実に表している。日本の地方新聞風情にコラムを寄稿する程度では、日本はともかく英国政府に何も影響力がないという ことだ。いくら日本のメディアで「一元的米癒着外交、既に許されない」と吼えたところで、本国では相手にもされない人物で、その程度の知識人をご意見番に しているのが日本の地方新聞。
ちなみにドーア氏のアドレスはこちら。rdore@alinet.it ただし、批判、反論メールは受け付けない人物でもある。
「(国際)連盟というものは、大国に対する苦情には見ざる、聞かざるで押し通すに決まっているのだ」―J.ネルー
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時には虎の威も必要です。
虎がその威を貸してくれるのは日頃の付き合いがあればこそ。
交渉相手が金は持っているが丸腰とくれば、
考えることは誰しも同じ。
相手が理想論を振り回すのはこちらを何とか
自分の土俵に上がらせようとしているだけ。
乗ったら負けです。
国際社会の金持ちのボンよりも、
米国の提灯持ちの方がまだマシですね。
日本の常識では、「金を出さない者は、口は出すな」が普通ですね。しかし、国際間では、「金は出さないが、口は出す」で、更に我が国には「金は出しても、口は出すな」です。それが常識だと考えている国には、日本の常識を出すと慌てふためいて、非難する。「品格」という言葉が正しければ、どちらが「品格がない」のでしょうね。
国連といえば人権委員会のメンバーに、中国、リビア、スーダン、ジンバブエ、キューバ等といった人権侵害国家の急先鋒たちがそのメンバーに名を連ねていたそうですね(現在は分かりませんが)。また、現アナン事務総長の息子には、「Oil-for-Food」に関わる汚職事件もあったそうですね。自浄作用もない国連に過大な幻想を抱いても、無意味だと思うのですが。
そもそも国連が、第二次大戦の連合軍であり、対日・独の敵国条項は、現在も存在しています。また、国連の常任理事国の内、大戦後に戦争を経験していない国がどれ程あることか。ドーア氏のUKも、フォークランド、中東、イラクなどの戦争に率先し、どこが平和を司る常任理事国なのか、説明不可能だと思います。
結局、過去も、現在も、未来も、「力こそ正義」がはびこる、無法な世界情勢なのでしょう。
(更に、常任理事国=武器輸出大国ですね。)
※米国の提灯持ちに金をせびる、自称、父・兄国家の情けなさとえばないですね。また、父・兄国家は不法に土地を占拠していますね。乞○・泥○国家呼ばわりされても、文句ないですよね。
冷戦時代から「日本は米国一辺倒でいいのか」との意見は散々ありましたし、毎度ながらの焼き直しキャンペーンの一環でしょう。
もちろんこの手合いは中露朝の完全な提灯持ちだし、今でもマスコミ界を牛耳っていますからね。
各国の情報機関が資金を出し、友好、敵対国の新聞に自国に有利な情報を書かせるのは知られたことです。
ただし、親同様カネもいつまでもあるものではなし。
カネがなくなったら、果たして国内で怒りの矛先はどこに向うか、攻撃はどの対象なのか、見ものですね。
特に危ないのは中朝の提灯持ちの金持ちのボン( ´,_ゝ`)
>乗ったら負けです
乗るも何も、私は日本政府に何の力もない一ブロガーに過ぎませんが、何か?
もっとも、国際社会では何も反論しなければ、負けと見なされるのを知らないとは言わせませんよ。
私の記事にご不満なら、このサイトを見なければよいだけのこと。
読者がブログを選ぶ自由があるように、ブロガーもコメントを選ぶ権利があるので、そのつもりで。
戦前の国際連盟もひどい代物でしたが、戦後の国連もほとんど変わりませんね。
最近、国際連盟の会議に関して面白いことを知りましたので、近くエントリーにする予定です。
国連人権委員会こそ、国連最大のブラックジョークです。「人権」など、所詮外交の具に過ぎません。
国連などに品格を求めること自体、幻想ですね。幸いネットのお陰で、国連なるものの実態が知られるようになったのは、大変結構なことです。残念ながら、過去も、現在も、未来も、「力こそ正義」が世界の常でしょう。
※米国の提灯持ちの国にぬくぬく居座っている、役立たずの厄介者も大勢いますからね。
その類の某掲示板における主な特徴を挙げると
①ピントはずれのレスで、知性が疑われるのに反しHNは大げさなものを使用→自分を大きく見せたい心理
②韓国マンセー主義→出自が想像できます
③何とも陰気くさいコメント→引きこもりゆえ、性格も人生も暗い
④自殺者への異様なほどの感情移入→深刻な絶望体験者と思われ
そして「国畜」「米国の提灯持ち」の言葉も使用してました。
結果としてそうなったのであれば申し訳ない。
なるほどネットで自分の考えや気持ちを伝えるのは
難しいものですね。
やはりきちんとお詫びしようと思い書きました。
こちらのブログは以前より拝見しており、
毎日の楽しみにしておりました。
自分の教養の無さは自覚しておりますので、
あなたの様な方と会話できれば少しは自分にも
それなりのものが備わるかと思い書き込みを始めた次第です。
ですがそのようなものに貴方が付き合わされる謂れは無く、
結果として余計な手間をかけさせ不快な思いをさせる結果と
なってしまったことをお詫びいたします。
恥をかくのは最初から承知していましたが、
思いの他早く自分の素養の無さが露呈してしまいました。
『ピント外れのレス』も『コメントを選ぶ権利』も、
全くその通りで、お恥ずかしい限りです。
また読者の皆さんに対しても楽しみにされている雰囲気に
水を差してしまったことを申し訳なく思います。
今後はこちらへの書き込みは一切致しませんので、
それで不快に思われた貴方の心が少しで晴れますことを
願っております。
大変申し訳ありませんでした。
今後のブログでの御活躍をお祈りいたします。