その一、その二の続き
男のエゴやナショナリズムが刺激されるのか、ネットでは外国人、殊に欧米人と交際したり結婚する日本女性を叩く意見も見かける。国際結婚に破れた日本女性くらい、彼らにとって溜飲を下げるのに格好の対象もないだろうが、文面からは歪んだ嫉妬心も浮かび上がる。
「じゃあ、白人との結婚生活」というブログ記事かあり、中々興味深かった。タイトル通り、「圧倒的に多い白人男性、日本人女性の組み合わせを記しましょう」と白人との結婚生活を解析、管理人は白人男性の妻を①対等型、②ペット型、③ヒモ型と呼称している。
何とも辛辣な表現だが、これは当の管理人シン氏自身の異性観と結婚観の投影に思える。国際結婚では東アジア人男性と日本人女性の組み合わせの方が4割ちかくと最も多く、非白人男性の日本人妻にもペット型やヒモ型はいるのだ。アジア諸国出身男性の結婚目的は、主に経済面や滞在、永住許可目当てというケースも少なくない。
この記事には多くのコメントが寄せられており、盛り上がっていた。「あなたみないな人が来るとは思っていましたよw」という管理人のレスから、端から白人男と結婚した日本人妻に対する“釣り”なのだ。白人の夫がいると称する女性コメンターと、管理人氏とのやり取りは面白かったが、シン氏はコメンターに早々と返信しており、1日に何度も連投していたのが私の気を引いた。
「私は結婚、出産は個人の自由であって、他人がとやかく言うことではないと思っています」と言いつつ、白人と結婚した(またはしようとする)日本の女に氏はとやかく言いたくて堪らないようだ。白人との結婚はもちろん付き合いもない私には、白人との結婚生活の論評は出来ないが、シン氏自身も文面からまず独り者だろう。
「じゃあ、ニート界の巨匠」という他の記事で、「いつもニートになろうと画策しております」と氏は正直に述べていたし、ブログタイトルは『ぬるりと生きる。』。“ニート界の巨匠”と彼も同類だろうと私は見ている。シンガポール在住を自称するシン氏だが、海外在住で外国人のパートナーがいると詐称する日本在住ブロガーもいて、そんな者は拙ブログにも現れた。
自慢げに白人男との結婚生活を書込み、日本の男や日本社会を貶しつける女も不愉快だが、白人と結婚した日本女性を嘲る姿勢も醜悪だ。モテない男のやっかみにしか見えない。「私は夫に依存し切った女性より、自立した女性の方が好き」という管理人氏だが、男の口と腹が違うのは人種を問わないはず。己を養ってくれるヒモ型パートナーがゲット出来れば、シン氏もこのような記事は書かなかったかもしれない。
一方、日本人夫と外国人妻との離婚率の高さを挙げ、いかに日本の男が男尊女卑で外国女性から敬遠されているのか書いていた女もいる。この者も独り者だったし、外国人妻に去られる日本の男のケースが嬉しくて堪らない様子。俗に人の不幸は蜜の味と言われるが、外国人と離婚した日本人を論うところに、寂しい男女の僻みを感じた。
国際結婚の離婚率について、何時も鋭い見解をされるmotton さんから、「統計」というタイトルでコメントを頂いたことがある。以下はその全文。
―離婚率の統計ですが解析が難しいですね。まずは、Wikipediaの「離婚」のページで離婚率の定義を調べてみてください。話題になっている一度結婚した夫婦が離婚する割合は、離婚率とは言わず、値も「その年の離婚件数」を「その年の新規婚姻件数」で割った数字で代用することが多いようです。
厚生労働省のHPから婚姻件数と離婚件数をとってこようと思ったのですが、前者は H17年まで後者は H20年のデータしか、すぐには見つけれられませんでした。参考までに挙げると、全体では 250,000/710,000 (ほぼ 1/3)、妻が外国人の場合は、15,000/33,000 、夫が外国人の場合は、3,600/8,400 でした。(H17 より H20 は婚姻件数が少ないので)、国際結婚の場合は約半分が離婚するということのようです。
なお、厚生労働省の統計は届け出があったものだけで、事実婚や結婚後帰化した場合は統計に出てこないでしょうから、注意が必要でしょう。
その四に続く
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