
私の見る映画は結構オジサン俳優が出てくる作品が多い。オジサンでも渋かったり、苦みばしっている役者もいるが、若者そこのけのパワフルなオヤジもいる。少なからぬ日本人には親近感のある短足、出腹体型のジャック・ブラックがこの映画の主役。花や風景と同じく美しい容姿のスターは目の保養だが、元気なオヤジは心の保養だ。
メキシコのとある村の修道院。ここで育ったイグナシオは、大人になっても修道院で調理係の修道僧として働いている。修道院には何人も孤児がいるが、小さく 貧しい修道院では満足な食事が与えなれないので、子供好きのイグナシオには悩みだった。ある日この修道院に、場違いと思えるような若く美しいシスターが来 る。イグナシオが彼女を誘った台詞は笑えた。「今夜、一緒にトーストを食べない?」
イグナシオが町で偶然目にしたポスターは、彼の人生を変える。「新人ルチャドール(レスラー)求む!」。ルチャ・リブレ(メ キシコ独自のプロレス)はメキシコでサッカーに次ぐ人気で、チャンピオンは英雄なのだ。昔日本のプロレス界でも、ミル・マスカラスというメキシコ出身の覆 面プロレスラーが活躍していた。イグナシオは孤児院用の食糧を奪ったこともある“ヤセ”と組んで、プロレスを始める。
教会ではプロレスを罪なスポーツと見なしていた。修道僧がやるのは論外なので、イグナシオは覆面をしてリングに上る。リングネームはナチョ。彼の修道服は茶色の素布に荒縄で腰を締めているところから、フランチェスコ派なのだろうか?
ナチョの夢は賞金を得てバスを買い、修道院の孤児たちを遠足に連れて行くこと。だが、本格的なコーチもないナチョと相棒は試合では連戦連敗続き。それでもファイトマネーが入り、その収入でナチョは孤児たちにおいしい食事を振舞う。
この映画で見るルチャ・リブレは楽しいショーだった。反則技や場外乱闘は当り前、パイプ椅子で相手を殴りつけるのは、日本のプロレスも同じ。メキシコで貧 しい家の子が金持ちになれる手っ取り早い職業は格闘技なのだろうか?覆面レスラーが多いのは、専業選手が少ないのかも。町の様子からメキシコの貧しさが分 かる。
メキシコには死者の目の上にコインを置く習慣があるのだろうか。イグナシオが死んだと思い込んだ老人の目の上にコインを置く場面があったが、一昨年公開された映画『トロイ』でも、ギリシア人は死者の目の上に金貨を置いて火葬していたのを思い出す。
いかにもB級映画で、結果は早々予想が付くストーリーだったが、ヘマばかりの心優しき主人公が最後に勝つという娯楽映画の王道。美女にも慕われ、メデタシメデタシの映画も悪くない。
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メキシコのとある村の修道院。ここで育ったイグナシオは、大人になっても修道院で調理係の修道僧として働いている。修道院には何人も孤児がいるが、小さく 貧しい修道院では満足な食事が与えなれないので、子供好きのイグナシオには悩みだった。ある日この修道院に、場違いと思えるような若く美しいシスターが来 る。イグナシオが彼女を誘った台詞は笑えた。「今夜、一緒にトーストを食べない?」
イグナシオが町で偶然目にしたポスターは、彼の人生を変える。「新人ルチャドール(レスラー)求む!」。ルチャ・リブレ(メ キシコ独自のプロレス)はメキシコでサッカーに次ぐ人気で、チャンピオンは英雄なのだ。昔日本のプロレス界でも、ミル・マスカラスというメキシコ出身の覆 面プロレスラーが活躍していた。イグナシオは孤児院用の食糧を奪ったこともある“ヤセ”と組んで、プロレスを始める。
教会ではプロレスを罪なスポーツと見なしていた。修道僧がやるのは論外なので、イグナシオは覆面をしてリングに上る。リングネームはナチョ。彼の修道服は茶色の素布に荒縄で腰を締めているところから、フランチェスコ派なのだろうか?
ナチョの夢は賞金を得てバスを買い、修道院の孤児たちを遠足に連れて行くこと。だが、本格的なコーチもないナチョと相棒は試合では連戦連敗続き。それでもファイトマネーが入り、その収入でナチョは孤児たちにおいしい食事を振舞う。
この映画で見るルチャ・リブレは楽しいショーだった。反則技や場外乱闘は当り前、パイプ椅子で相手を殴りつけるのは、日本のプロレスも同じ。メキシコで貧 しい家の子が金持ちになれる手っ取り早い職業は格闘技なのだろうか?覆面レスラーが多いのは、専業選手が少ないのかも。町の様子からメキシコの貧しさが分 かる。
メキシコには死者の目の上にコインを置く習慣があるのだろうか。イグナシオが死んだと思い込んだ老人の目の上にコインを置く場面があったが、一昨年公開された映画『トロイ』でも、ギリシア人は死者の目の上に金貨を置いて火葬していたのを思い出す。
いかにもB級映画で、結果は早々予想が付くストーリーだったが、ヘマばかりの心優しき主人公が最後に勝つという娯楽映画の王道。美女にも慕われ、メデタシメデタシの映画も悪くない。
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暴走神父さんは80年代にもメキシコにいたようです。
タイガーマスクのアニメはスペイン語圏には輸出されているようですが、その影響もあったのでしょうか。
子供だった私は「チャンピオンは力・技・反則ともオールラウンドでなければならない」「反則には反則で返すだけの力量が必要だ」というタイガーマスクの教えはけっこう影響されました。
「暴走神父」が「タイガーマスク」の元になっていたのは初耳です。
上記の映画はタイガーマスクの影響があったかは不明ですが、このアニメもメキシコのプロレスをヒントに作られた作品ですね。
私も子供の頃タイガーマスクを見ましたが、結構流血シーンが多くて苦手でした。
何となく正義のレスラーのイメージがあったのですが、紹介されたような教えもあったとは知りませんでした。
B級映画の王道を行くようなお笑い作品でしたが、
すごく好感が持てました。
これもジャック・ブラックの人徳と言いましょうか、
彼の魅力抜きでは考えられなかったですね。
意外と本格的なルチャ・リブレも、
大いに楽しめました。
娯楽映画はこうでなくっちゃ!!
B級映画でも楽しめるのは主役で決まると思います。
あのジャック・ブラックでなければ、ここまでよかったかどうか。
他にも“ヤセ”や美人シスターのような脇役も光ってました。
頑張るオジサン、マンセー