その一の続き
第5章「幽霊の正体」の扉には専門家らによる言葉が載っている。
「浅い眠り(レム睡眠)の時、ひとは夢を見る。そしてしばしば幻覚を見る。」(シカゴ大学ユージン・アセリンスキーの発見)
「暗示にかかりやすい人ほど「幽霊」を見やすい。」(ジェームズ・フーランの実験)
「「ポルターガイスト」は超低周波音のしわざだった。」(電気技師ヴィック・タンディの再現実験)
以上の3人の専門家たちの名は本書で初めて知ったが、5章で特に面白かったのは「幽霊を出現させる方法」。本書表紙にも手を広げた女性のシルエットが載っているが、シルエットの中心には白い丸がある。その丸を30秒ほどじっと見つめる。次に白い壁を見つめると、大きな黒い姿が壁に浮き上がる。
心理学者は読者が見た幽霊のような影を「残像」と呼ぶ。色彩の知覚には3種類の系統がある。この系統の色はそれぞれ2つの色、つまり赤と緑、青と黄色、そして黒と白の組み合わせからなっているが、これら2つの色は互いに対立しあっていて、2色を同時に見ることはできない。
著者は壁に浮き上がった「幽霊」の正体をこう解説する。
「図の中の黒い人物を暫く見つめる時、あなたは白に反応する神経細胞を無意識のうちに暫く休止させている。そしてあなたは隣の白い枠のほうへ注意を移すと、白に反応する神経細胞が働き始める。この時白の神経細胞はそれまで休止させられていたため過剰反応し、反動効果で白い残像が見えるのだ。」
実際にこの方法だと、私も壁に大きな黒い姿が浮き上がるのを見た。楽しくて、つい何度もやってしまったが、この「幽霊」は瞬きをしたらすぐに消えた。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という諺を思い出す。
第1章「占い師のバケの皮をはぐ」の扉にある専門家の言葉は意味深い。
「あなたの脳は、自分が見たがっているものしか認識できない。」(社会心理学者アルバート・ハストーフの実験)
「ヒトの認知システムは、意味のないものにも意味を見出してしまう。」(南カリフォルニア大学、ドナルド・ナフテュリンの実験)
「相手の心理を読み取る極意は、「ほめあげて、自己中心的な意識をくすぐること」」(レイクウォビゴン効果)
「人間ならば、誰にでも全てが見える訳ではない。多くの人は、自分の見たいことしか見ていない」、と言ったのはカエサルだが、社会心理学など無縁だった紀元前でも、人間心理の本質を見抜いていたのだ。心理学者には、この偉人の心理を分析してほしいものだ。
本書にはプロの占い師が使う心理的テクニックが色々紹介されており、彼らは相手によって様々な「術」を使い分ける。例えば相手が手相に弱い場合、相手の手のひらを見ながらあれこれ話す。星占いが好きな相手には、その誕生日から相手の過去と未来について話す。相手が占いの類を全て信じてない場合は、家の絵を描いてもらい、それをもとにして相手を“心理の面から”占うそうだ。
止めとして、「見知らぬ相手に、すべてを見抜かれたと思わせる方法」が載っている。6種の方法が挙げられているが、このやり口は占い師に限らず有能な政治家やセールスマンも駆使するという。
1.相手の気持ちをくすぐる
2.どちらにもとれる言葉を使う
3.表現はあいまいに
4.探りを入れる
5.誰にでも当てはまりそうなことを口にする
6.“抜け道”を用意しておく
著者の主張は占い師を目指している人には大変参考になるはず。
「占いの方法を習得するのに必要なのは、占い教室に参加したり、占い師養成学校で学んだりすることではない。大切なのは人の気持ちをくすぐり、どちらにもとれる言葉を使い、表現をあいまいにし、探りを入れ、誰にでも当てはまりそうなことを言い、失敗を成功に変えることだ。」(56頁)
その三に続く
◆関連記事:「金縛り」
「悪霊の存在を信じる人々」
昔バイクで雨の中、道東を夜通し1人で走り続けたとき、耳元でずっと女の声で歌がかすかに聞こえていた。『あっ、キツネに化かされる、あれだな』と思ったので、ずっと知っている歌を全部歌いながら走り続けた。
むろん脳が作り上げた幻だ。
私は幽霊は信じない。
私の超常現象体験は十代の頃の金縛りが1度だけなので、そのような体験は羨ましく思います。
ドッペルベンガーを見ると死ぬとか言いますが
脳腫瘍患者がよく見る幻覚の一種だそうです。
近所のおじさん(約20年前)ですが当時50台
で脳腫瘍で急死してしまったのですが、よく幽霊の目撃談を語っていたと父が言ってましたね。
そんなわけで致命的な脳の異常に直結していることもあるので。
10年ぐらい前、幻聴も聞いたことがありあすが本当に耳もとで話しかけられているようで鮮明に聞こえてびっくりしました。(車で寝てたら寝起き)にこれも1次的に精神がおかしかったのでしょう。その後はありませんでしたが。知人で精神科にかかっており自殺未遂の経験のある方も幻聴は非常に鮮明に聞こえたと聞いております。
>人間の声に似た動物の鳴き声と
山中でオーイと呼びかけたら声を聞いたらそちらに行っては危険です。熊の声で呼びかけるような
声を出すこともあるとのこと。山中では呼びかける
ときは「こっちだ こっちだ」とか繰り返して
呼び合うのがよいそうです。
自分の変わった経験は火の玉を2回みてることでしょうか?これは複数の目撃者もいる状況だったので幻覚ではないでしょうが。どちらも電柱の高さを、銅の燃焼反応そっくりの色でゆったり飛んでました。
今のところ幻聴の体験もありませんが、金縛り遭った時、耳もとで話しかけられているように声が鮮明に聞こえたのは憶えています。不気味な笑い声だったし、あの声は未だに忘れられません。
熊って人に呼びかけるような声を出すこともあったのですか。熊が怖いので1人では山に入れません。
火の玉も見たことはありませんが、早稲田大学の大槻教授は子供時代に火の玉を見たのがきっかけで科学者になったとか。ちなみに教授は宮城県出身です。
自宅で幽霊を見て、翌日夫婦で引っ越しした人がいます。この行動力と手早さは見習いたいです。台所で見たそうですが、なぜそのような場所で見たのか知りたいです。
私は金縛りにあった事はありますが、必ず手を腹部に載せて押し付けていた状態で見てました。
件のご夫婦は普段から幽霊に縁があったのかは不明ですが、台所で幽霊を見たという話は初めて聞きました。台所はあまり出にくいイメージがあるので。
私が金縛りにあったのは1度だけですが、その時はまさに金縛り状態で体が全く動かせず、目も開けられませんでした。確か手は体に乗せてなかったと思います。
金縛りに関しては、つま先からいきなり痺れだして体の上に痺れが登っていくのです。一応周囲は見える状態ですが、あれが半覚醒なのでしょう。そして手は必ず組んだ状態で、腹部に押し付けているのです。最初は驚きました。
台所で幽霊を見るや、家が揺れるとはスゴイ。ポルターガイストという現象がありますが、家の物体は飛んでも家そのものが揺れるというのは聞いたことがないような。これでは引っ越しもしたくなりますよ。
私の金縛りではいきなり体全体が動けず、瞼も開けられない状態になりました。そのため周囲は全く見えず、かろうじて舌は動き声は出せました。金縛りでも個人差がありますね。
「台所で幽霊を見るわ、同時刻に家が揺れるわ」と書いたのも、幻覚と現実では因果関係がないのでそのような書き方をしたのです。
幽霊って叩けるものなのですか??叩いても手がすり抜けるでしょうが、家が揺れたことと関連があるのでしょうか?近くで何かの工事をしていたか、超局地的地震、強い風が吹いたのやら。
わが家でもたまに家の振動が起きます。原因は不明ですが、新築ではないため……と思っていました。