伸ちゃんのブログ

ひたちなか市にある、お寺の住職のブログ
毎朝の境内の一コマと坊主の一言を毎日更新中

“ひび”のはいった鐘

2010年01月16日 | Weblog
今朝も昨日並みに冷え込んでいます。どうせなら雪が降ってもらいたいです。今シーズン雪の境内を期待しているんで…。

こわれた鐘のように、声をあららげないならば、汝は安らぎに達している。
汝はもはや怒り罵(ののし)ることがないからである。
                      『法句経』

以前外で法要を行っている時に誤って携帯用の鐘(柄の先に小さな鐘がついている法要具)を石の床に落としてしまったことがあります。
小さくてもとてもいい音を出す鐘でしたが、落とした際に小さな“ひび”がはいり、まったく鳴らなくなりました。
よ~く見ないとわからないくらいの“ひび”でも全然使い物にならないぐらい鳴らなくなるんですよね。
生活していると思わず声を荒げる時もあります。その後の雰囲気は最悪になります。“ひび”のはいった鐘からは大きな音は出ることはありません。
出なくていいんですよね、生活の中で荒らげるような声で怒り罵る大きな音は。
あの時落とした鐘は使い物にならなくなって買い換えましたが、拾って打って全く鳴らなかった瞬間はいまだによく覚えています。
あの時の鐘を思い出して、声を荒げることのないようにしたいですね。
鳴らない鐘をいつも心に持っていたいです。