免震設計入門鹿島出版会このアイテムの詳細を見る |
仕事で久々に免震の設計をすることになった
北海道の仕事(北海道の仕事のとっかかり)が免震装置を備えたものである.
免震とは,地震に対して,構造物を守る技術である.その方法とは,究極には構造物を地盤と絶縁すること=浮かせてしまうことで,地盤からの震動が伝わらないようにすれば良い.しかし,構造物は地盤と繋がっているため,絶縁するに等しいような装置をつける.ちなみに,絶縁=isolationというコトバを使ったのは,免震のことをVibration Isolation(振動絶縁)というからである.
さて,地震は基本的に地域毎に特性が多少違う.また,発生した地震源により特性も変わる.これは,簡単に言えば地盤の固さが振動の伝わり方に影響すること,発生した場所の発生の仕方により振動が違うことと考えればよい.免震設計するためには,地域の特性=構造物の設置場所の地盤の特性と,地域の想定している地震波(=過去にその地域を襲った地震の特性を考えたものが採用されている)が必要になる.
さて,絶縁するために従来の免震設計では基礎部分と構造部分の間を水平方向にスライドする仕組を組み込んでいる.そのスライド機構には建物の場合,積層ゴムというゴムを鉄板でサンドイッチにしたものが使われる.積層ゴムは鉄板を挟むことで建物のの自重を支えながら,水平方向にスライドできるものでrabber bearingと言われているように,水平方向には転がるように滑る.
振動絶縁の場合,ころころ転がっていけば振動は伝わらないが,構造物が転がっていってしまってはまずい.そこで,元の位置に戻る機構も必要である.積層ゴムであればゴムの弾性により元の位置に戻る.
ここからが,振動工学の出番である,振動工学によると,構造物の自重=質量と弾性=ばね(積層ゴムのばね機能)があれば,そのものは振動する.単純なモデルとしては重りをばねの先につけてみれば 質量とばねの状態により振動し,その振動の様子が質量とばねに状態により変化する.
さて,地震により伝わってくる振動により構造物が振動してしまい,もしそれが共振という現象になったら,構造物が壊れることも考えられる.
それをどうしたら良いか検討するのが免震設計である 次回につづく