技術士(総合技術監理・機械部門)のブログ

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免震について(2)

2006-11-14 22:15:30 | 技術
免震について
2回目である

免震と制振 どこが違うのか?

前回,簡単に紹介したように,住宅やマンションで用いられている免震は,水平方向にスライドすることで,振動を絶縁していた.
振動という現象は,実は,振動の形がいろいろとある.
例えば,自動車で言えば,上下に振動することもあれば左右に回転した振動もあるし前後にギッタンバッコンする振動もある.それらのことを振動モードと呼んでいる.
しかも,振動モードは,その振動数により区別できることが多い.振動数とは,一秒間に何回揺れるかということで,揺れ方が振動数により違うということである.
さて,免震のスライドする機構,これは一つの振動モードを付け加えたことに他ならない.つまり,本来の建物の振動モードに一つの振動モードと新たに付け加えている.この振動モードが建物に対して支配的(それが良く出る振動モードということ)になれば,地震に対して,その他の建物にとって危険な振動モードが出てこないことになる.
これが免震の考え方である.

一方,制振とは読んで字のごとく,振動を制することである.元々ある振動モードに対して,減衰するようにダンパーや動吸振器などを配置する.ダンパーというのは自動車で言えば,タイヤの上にばねと一緒について,振動エネルギーを吸収するものである.一方,動吸振器は,ばねと錘により振動を吸収する機械である.
いずれにしても,元々ある振動モードに対して,その振動を減少させるようにする方法を制振と呼んでいる

さてさて,続きは次回に