朝日新聞によると、Natureに次のような論文が掲載されたそうだ。Natureは権威ある雑誌だが、掲載された論文がすべて正しいわけでもないだろうと思うが、少し内容を考えてみたい。
2018年の噴火、引き金は雨だった? キラウエア火山https://t.co/UXg13CRA7y
— 朝日新聞デジタル編集部 (@asahicom) May 2, 2020
米ハワイ島のキラウエア火山で2018年、溶岩が住宅地まで達した爆発的な噴火は、平年の2・5倍の降水量の大雨が引き金だった可能性がある。米マイアミ大などの研究チームがそんな試算結果を英誌ネイチャーに発表しました。 pic.twitter.com/3NbywoxCmN
詳しく原文を読んだわけではないのだが、本当にそうだろうか、と思う。2018年のハワイ島のキラウエア火山の、長く続いた噴火活動の最後のクライマックスに、溶岩が住宅地まで達した爆発的な噴火があったことと、2018年は、ハワイ島で平年の降水量の約2.5倍の雨が降ったことは、おそらく事実であろう。
しかし、その雨が多かったことと、爆発的な噴火があった事実との間に、明確な因果律がなければ、雨が多かったことが、問題となる噴火活動をもたらしたとは言い切れないような気がする。たとえ、どのようなシミュレーションで計算したとしてもである。
もし、降水量が多かったことが、火山において一般的に、爆発的な噴火の引き金になるのであるならば、世界中の火山の大噴火は、その地域の雨期との相関があるはずだと思う。しかし、おそらく、そのような相関性は認められないのではないだろうか?データを集めてみれば、ややっということがあるのかもしれないけども、にわかには信じがたい。
そんなことを考えていると、後ろで、そんなことを書くのなら、Natureの原文があるから読んでから書いたら、と声をかけられた。誠にもっともであるが、どうもいまいち気が乗らないので、そのうち気が向いたときに読んで、それから続きを書くことにする。そのときには、180度違う意見を述べるかもしれない。