発表が遅れましたが、ネット歌会の結果発表(月刊「五行歌」12月号に掲載してあります)をお伝えします。
合わせて次の題詠は「空」要綱はいつもと同じです。匿名で、左下のブックマークから入るかhttp://gogyoka.bbs.fc2.com/まで投稿して下さい。基本的に投稿者は採点も御願いします。
今回は私がハードスケジュールの上に体調不良が重なり、レポーターを桜井様に御願いしました。
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八王子五行歌会ネット歌会
桜井 凜
十月十八日(土)
試行錯誤を重ねながらのネット歌会も第六回になり、「面」の題での題詠で開かれました。
後ろの正面 坂木つかさ(一席)
振り向けば
クロネコが
赤紙差しだし
ハンコください
今の緊張した政治状況を、宅配便で召集令状が来るかもしれないと機知に富んだ表現で風刺している。同じ危機感を持っている人も多い。作者は「かごめ」を思いだしながら、戦争もさりげない形で進められたのかもしれないと思うと恐ろしい、と。
泣きっ面には 中 人(なかと)(一席)
なりたくないと
鏡に向かって言い聞かせ
凛々しい顔で
よし行くぞ
わかりやすく勢いがある作品。外出前などに同じように気合を入れている、と共感した人が多かった。作者は、「面」から「泣きっ面」が思い浮かび、シンプルに泣きっ面は嫌だな~と思って詠ったそうだ。
ザラついた GENTA(一席)
一言に
切り取られた
傷だらけの
断面
硬質、簡潔で効果的、などの評価とともに、言葉が時に凶器にもなることを読み取って点を集めた。作者は、つい最近もあったこと、自分も文字だけのネット世界では特に一語一語を大切にしたい、と。
以上が同点一席で、同点二席が四首、同点三席が三首だった為、以下、二席の作品と作者を記します。
初秋の陽を/たっぷり湛えた/海面に/夏の残響は/さざ波になる 成宮 圭(二席)
車椅子から/初めて手にする山吹に/思いを馳せる孫の顔/いつまた会える/今日の山吹 みつる(二席)
緑豊かだった/斜面に/いく筋もの/茶色い土石流/魔物の爪痕 沢辺温子(二席)
パルは外面がいい/ふだんはワンワン/うるさいくせに/美人の前では/かわいいお顔をしている 桜井 凜(二席)
〈出席者〉頸城おとめ、GENTA、坂木つかさ、沢辺温子、持国天、中人、那田尚史、成宮圭、ねり女、みつる、桜井凜