長崎めぐみ教会 tearoom 2

日本イエス・キリスト教団 長崎めぐみ教会から、楽しいお知らせ、牧師のつぶやき、日記、メッセージなどお楽しみください!

”本当の自分探し” しませんか? -2-

2016-08-04 11:15:27 | 教会イベント
”本当の自分探し”をしませんか?
-2-
「スピリチュアル・ペインと援助者の姿勢”丸屋真也著から


人間の限界
「人間には本質的に限界があるのですが、…
自己充足的になると不可能なことでも安易にできると思い込んでしまったり、
また、できないことまで引き受けてしまったりするようになります。

(※ところが、困難があっても)
援助を受けて問題を解決すると、いままでのことはすっかり忘れ、
再び自己充足的な生き方に戻るのです。
それは、現実の自分の姿には気づきませんので(※自分の本当の姿を知るに至らないので、)、
どのような体験も真の自立にはつながりません。」(36P)

※しかし人は生きていると、いつかは、
人生の危機な状況(病気、経済的問題、人間関係、家的庭問題、個人的問題、
セルフイメージの問題、キャリア等)に行き当たり、最終的には誰かの助けを受けても
解決できない問題にぶつかります。

「特に、精神的に自立していないと、人間関係を築くことは容易ではありませんし、
自分についてのイメージ(セルフイメージ)が不健全ですと、いろいろな領域に支障を来します。」
(37-40P)

スピリチュアル・ペインのプロセス

スピリチュアル・ペインが体験されてゆくプロセスは、
人間の自己充足的なものが、危機に直面するところから始まります。

「なぜ私だけがこんな問題を…」「自分は悪いことはしていない」と周りと比較して、
むしろ自分は真面目に生きてきたと思い、
「こんな状況で自分は生きる目的があるのだろうか」
と考えはじめるところから、スピリチュアル・ペインを体験し始めます。
(41-42p)

(※真の自分の姿と対面するところから、初めてケアが始まる訳です)

スピリチュアル・ケア・サイクルについて、

<援助者の基本姿勢>

1.確な自己認識

 援助者は、援助を必要としている人が正確な自己認識がもてるような援助をすることです。
正確な自己認識が与えられますと、正しい自己ニーズの認識が可能となります。
(自分自身が本当に必要としていることに気づく)
そこから、癒しのかかわりをもつことができるようになります。
そのことが正確な自己認識につながり、
正確な自己認識が正しい自己ニーズにつながってゆくというプロセスで、
スピリチュアル・ケア・サイクルが始まっていきます。(44P)

「とくに子どものときに自己の限界を自我の中に十分に取り込まなかった場合は、
大人になっても、自己充足的な生き方を継続するようになり、
正確な自己認識をもつのが困難です。
危機に直面していく中で自己の限界に気づくことが必要ですが、
それは、人は傷つきやすく、壊れやすい存在で、
また、何かに依存しなければ生きていけない存在なのだということです。
当然、自己充足的なフィーリングとは相反するものです。
したがって、人は自己の限界を受容し、人生では苦痛を体験せざるを得ない自分を受け入れて
いくのが正確な自己認識のプロセスです。」(44p)

2.真の自己ニーズ

※危機的な状況の中で、個人主義的、自己充足的な生き方が壊され、
真の必要性を知らされた人は、他者とのかかわりの必要性を感じるようになるということでもあります。

「しかし、他者とのかかわりの必要性を感じない人は、
被害者意識をもつようになります。自分の抱えている問題が、
自分の育った家族とか、もしくは学校や社会にその原因を転嫁して行くのです。
そうしますと、自分を過去の被害者の立場におき、他者を責めるようになります。…
※通り魔事件、児童虐待などの具体例記載」
(45p)
「しかし、正確な自己認識なしに扱うと、
家族だけを責めるようになります。
それで解決できるならそれでもよいのかもしれませんが、
そのような対応からは癒しのかかわりの土台を築くことは困難です。
ところが自己の限界を受容していますと、確かに家族は悪かったかもしれないけれども、
いま抱えている問題は自分の問題であって、
責任をもって解決していく必要があると思えるようになるのです。
親にも限界があり、その結果そのようになったのであるというように、
自己の限界ということがわかってくることによって、
他者の限界も受け入れることができるようになります。


正確な自己認識をすることによって、正しい自己ニーズの認識、
つまり、かかわりの必要性を感じるようになる中で癒しの関係に入っていくことが可能になるということです。」
(46p)






追記
学んでいて、とても良い内容でしたので、
多くの人に知って頂きたいと書き始めましたが、
続いての「援助者の真の姿勢」は、あまりにも専門的な分野ですので、
抜粋させていただいた著書を紹介させていただくことに致します。

抜粋させていただきましたのは、

財団法人ライフ・プライニング・センター
健康教育サービスセンター 発行
「スピリチュアル・ペインと向かい合うケア」
の中から
「スピリチュアル・ペインと援助者の姿勢」丸屋真也師著述部分からの転記させていただきました。

以上です。