葉織る。

言葉の中にそれを紡ぎ織った人が見えても、それは虚像かもしれない。

リハビリを提供「される」側も、その姿勢を問われる。

2019-05-26 11:05:07 | 仕事
 5月23日にオンエアされた「ためしてガッテン」を、リアルタイムで飛び飛びに見た。
 特に、ラストの方で紹介されていた「最新のリハビリ」には、少々複雑な印象を受けた。

 その最新のリハビリというのを少々乱暴にまとめてみる。
 「脳血管疾患で片麻痺が起こった場合、麻痺側だけでなく、健側も訓練することで、脳の機能が低下した部分により効率的な刺激を与え、回復を促す」といったところか。

 そうだろうな、と思う。
 「へえ」というより「ふうん」という感じだ。
 いや、このことを証明するために、脳の画像をチェックし、医師から理学療法士までチーム全体で情報を共有しようという姿勢は素晴らしいと思う。
 ちょくちょく書いていることだが、この辺はさすが西洋医学である。

 だが、マッサージにせよ鍼灸にせよ、患部だけでなく、色々な方向から刺激を加える方が効果が高いというのはデフォルトである。
 ただそれは「経験的」にであって、客観的に証明されたものではないから、「健側に施術したって意味がないだろう」と多数派から言われたら、返す言葉が無かったのである。
 だから例えば、マッサージで医療保険を使おうと思ったら、麻痺などがある部位の施術しか認めてもらえないのだ。

 …まあそれは、自分達の仕事に何が出来て何が出来ないのかを真摯に考えてこなかったこちら側にも責任がある。

 これからもテクノロジーの進歩にしたがい、精確で緻密な情報を手軽に安価に大勢で共有できる環境が整うほど、より効率的な手法が確立されていくのだろう。

 ならばリハビリを提供する側もされる側も、患者(お客様?)が満足するからとか、「運動した気がするから」「とりあえず気持ちが良いから」とか、そういう理由で旧態依然としたやり方を漫然と続けてはいられなくなる。

 患者がどういう状態にあって、どうなりたいのか。
 リハビリを提供する側だけでなく、される側も、それをしっかり考えなければならないだろう。

 鍼灸やマッサージの手法も、「これは使える」「これは無意味だ」と、エビデンスで振り分けられていくだろうが、少なくとも「患部だけでなく、健側も含めて多方面から刺激を加える方が、より回復が促される」という方向性は簡単にはブレない筈だ。
 この調子なら、あと10年もすれば、より健全で本質的なリハビリがおこなわれるようになって、マッサージ師も今よりはまともな仕事ができるようになるんじゃないかという気がする。
 10年ぐらいなら、私もまだ60代だし、いける。
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