最高勲章
ヨハネ十字をしらべてたら、ギルのブラコンをみつけてしまった。 大王様もギルには甘かったのかもしれない。 うちのギルはしんろの弟である前にヨハネの弟です。ギルの中では普通に両立してます。ドイツはそれを全然知りません。フランシスは知ってます。
勲章を創ろうという話が出たとき、ギルベルトは普段とあまり変わりない様子でかっこいい物をつくれよ、と言った。
それが今回造るのを最高勲章にするとフリッツが言った時、目線を泳がせた。
ちょつと下を向き、それから顔を上げる。
「なぁ、フリッツ。それのデザイン俺が決めていいか」
自国の珍しい様子に目を丸くした大王はしばらく返事をしなかった。
ギルベルトは普段はあまりファッションに興味を示さないがセンスはいい。
そもそもプロイセンの軍服はすべて、この子に似合うか否かで決められているのだ。もちろん公式にそんな選択基準を好評しているわけではない。
翌日ギルベルトは数枚の紙を持ってきた。見ると勲章のデザイン画である。
おや、と大王は思った。
十字を基本にしたすっきりしたデザイン、どの1枚もすぐ正式採用していいほど完成度が高い。
「どうだ。かっこいいだろう」
えっへんとでも擬音語をつけたくなるようなギルベルトの声はいつもと変わらない。昨日のうつむいた顔を見なければフリッツですら何の違和感も感じなかったほど。
「なぜ、黒十字ではないのかい、ギルベルト」
国王の質問に対する返答はちょうど入ってきた伝令の小姓の声に遮られた。
「これに決めたよ」と言い残して国王は部屋を離れた。
ひとり残されたギルベルトは軍国プロイセンらしくない行動にでた。両手を祈りの形に組み空を見上げる。
「いつか、いつかにいさまが見てくださいますように」
プール・ル・メリット勲章 は1740年にプロイセン王国で制定されたの勲章の一つであり、戦功章 (Militärklasse) と平和章 (Friedensklasse) がある。そのどちらも基本はヨハネ十字である。
戦功章は第一次世界大戦終結までのプロイセン軍における最高の名誉勲章であった。
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