実家で過ごしていたら、母が思わぬものを出してきた。
わたくしが使っていた塗り絵用の筆記用具が入っていました。
それはクレヨンではなくてクーピーペンシルだったけれど。
その中にお手紙がたくさんはいっていたのです。
小学生中学年から高学年くらいではないか?と思われる頃のお手紙です。
そのあやちゃんの硬い表情と、手紙の中に時々出てくる「さとこちゃん」の名前で、わたくしはすっかり忘れていた過去のことを思い出したのでした。
きれいに袋にいれて仕舞い込んでいた、赤い小さなバスケットです。
わたくしの小さいときのお出かけの写真は、いつもこのバスケットと一緒でした。
母の手縫いの起毛素材のペールブルーのワンピースや、黄色いセーラーカラーのセットアップを着て、夏も冬も季節を問わず持って歩いていました。
バスケットの中には
わたくしが使っていた塗り絵用の筆記用具が入っていました。
「○○ちゃん(わたくしの名前)使用のもの」と「クレヨン」とお茶の缶にわざわざシールを貼って記してあります。
それはクレヨンではなくてクーピーペンシルだったけれど。
こんなものまで大切に取っておいてくれたんだな…😢とジーンとしました。
(だから家が片づかないのね…とも)
しかし。
「いいお話」はここまでで、この後、わたくしは冷や水を掛けられたような思いをします。
バスケットの中には、クーピーの他にも華やかな紙袋が入っていました。
その中にお手紙がたくさんはいっていたのです。
小学生中学年から高学年くらいではないか?と思われる頃のお手紙です。
頻繁にやりとりしていたお手紙交換。
懐かしいなぁ!と何通か読みすすめて気づきました。
ここにあるのは、お友達がわたくしにくれたお手紙ではなく、
”わたくしが”お友達にあげた(はずの)お手紙の数々だったのです。
違和感を覚え、更に何通か読みました。
その手紙は、当時仲良しだった”あやちゃん”にあげたものでした。
ある日、あやちゃんはわたくしの手紙をまとめて返して来たのです。
「あれ?何で返されたんだっけ…」
おぼろげに思い出したその時のあやちゃん
の表情や態度は、とても硬かった。
の表情や態度は、とても硬かった。
そのあやちゃんの硬い表情と、手紙の中に時々出てくる「さとこちゃん」の名前で、わたくしはすっかり忘れていた過去のことを思い出したのでした。
わたくしは、あやちゃんと一緒になって「さとこちゃん」をいじめていたのです。
一緒なって、と書きましたが
むしろわたくしが主導していじめていました。
当時、いじめているとは思っていなかったけれど、今こうしてハッキリ思い出した数々のことは、明確な「いじめ」でした。
乱暴をした事はありませんが、悪口を言ったりからかったり、さとこちゃんにだけ嫌なことをやらせたりしたと思います。
もともとあやちゃんとさとこちゃんは仲良しで、そこにわたくしが入って関係性を壊したのです。
ここからは想像です。
おそらく、さとこちゃんは親御さんに相談したのかもしれません。
もともと仲良しだったあやちゃんの親御さん同士でやりとりがあり、「首謀者」であるわたくしと切り離すべきと判断したのでしょう。
あやちゃんはわたくしとの関係を断つべく、手紙を返したのだろうと思います。
さとこちゃんをいじめていた時のシーンや、手紙を返された時の事をハッキリ思い出したわたくしですが、その後、あやちゃんやさとこちゃんとどうしたのか、記憶は曖昧です。
その頃の記憶自体が薄いのです。
この手紙達を前に、誠に苦い気持ちになりました。
自分の都合の悪いことは、きれいサッパリ記憶から消し去って、あたかも「いい人」でい続けていたような顔をしている自分の頬を叩きたいような気分です。
そのくせ、幼い頃に虐められたことや仲間はずれにされたことは、いちいち明確に憶えている自分のいやらしさよ。
さとこちゃんやあやちゃんにしてしまった事を消し去ることは出来ません。
本当に申し訳ないことをしてしまったと、今更に悔やみます。
わたくしは都合の悪い記憶を封印し、無かったことにしてきましたが、さとこちゃんは忘れることはなかったはずです。
合わせる顔もありません。
当時の記憶を無かったことにしていた、という事実。
つまりきっと認めたくなかったし、自分が悪いとも思っていなかったのかもしれません。
さとこちゃんをいじめた事に対して、大人から叱責をされることはありませんでした。もし、事が表立ったとしても、「でも」「だって」と自分に都合よく捻じ曲げた理屈で言い逃れしようとさえしたかもしれません。
とんでもない事です。
あやちゃんが手紙を(つき)返してくれたことで、さとこちゃんいじめは終わりました。
いじめた側が、自ら改心していじめをやめることなどほぼ無いです。そんな人はそもそもいじめたりしません。
わたくしは、他でも記憶を封印していることがあるのだろうか?
母がこんなに可愛がってくれた娘は、こっそりお友達をいじめていたのです。
さとこちゃんにもあやちゃんにも、母にも父にも申し訳ないことをしてしまったと、今、とても後悔しています。
さてさて何かのメッセージなのでしょうかね。ひょっとして一生見ることのなかった思い出すことのなかったネガティヴな思い出
でも葉月さんには申し訳ないですが、私なら思い出させてくれてありがとうと解決するかもしれません(散々自身のブログで愚痴っている私が言うセリフではないのですが...)
聡明な葉月さんなら、きっとこのバスケットからのメッセージをこれからの人生に活かしていくのだろうなぁと確信しております
ええ決して「パンドラの箱」ではないと思います
偶然、今「G対策」を行うために押入れをひっかきまわしています。私はパンドラの箱を見つけない様にしないと~
女の子の世界あるある話です。
私も 仲良くしてた友だちが 違う友だちと親しくしてたら その友だちに対して嫌な顔してたかなー?いや絶対してたと思う。
それは逆もあったと思う。
でも それからは成長し、いろいろ分かってきます。
もし、私に娘がいたらそんな話してたかなあーと 拝読して思いました。
ブログ更新ありがとうございました。
読み始めは”私も同じバスケット持ってました!!ピンクだけど形は全く同じ💓”って。
でも、読み進めていくうちに、、、
さすが葉月さまだなあって。
思い出したときは苦々しい気持ちがしたと思います。
でもそれを受け入れられるのがすごいです。
Jはどちらかと言うと仲間外れにされる方でしたけど
それを”私が一人でいたいだけ”って思い代えてました。
プライドだけはきっと高かったんだと思います。
(ひどいいじめを受けていた訳ではありませんので
きっと向こうにも理由があったはず。)
そして、大人になっても根本は変わってない私です。
気づきのある葉月さま、やっぱり尊敬します✨
コメントありがとうございます。
タイムカプセル、まさしくそうですね。
これを書く事も、もしかしたら”いじめた側”の勝手なノスタルジーなのかもしれないと悩みました。
過去に辛い思いをした方が読んだら、怒りがこみ上げてくるかもしれません。
でも、自分に都合よく捻じ曲げた事実を「思い出させてくれた」事、確かに感謝したいです。
葉月
コメントありがとうございます。
実は、わたしもいじめ・意地悪を受けて辛い時期を過ごして来たことがあるんです。
その事は時々思い出していたのに、自分の行為は全く消し去っていた事に驚きました。
そして怖くなりました。
確かに「よくあること」なんですよね。
大人になってもイロイロあるし。
乗り越えられた人(サバイバー)は良いけれど、乗り越えられずにいた(いる)人は必ずいるだろうと思って、胸がチクチクします。
葉月
コメントありがとうございます。
まず、バスケットお持ちでしたか✨
今回調べてみたら「なるちゃんバスケット」という名称が出てきました。
どうやら、今上天皇陛下がご幼少の頃に持っていらしたみたいです。
へぇ!とビックリしました。
けいこさんがおっしゃるように、誰もが大なり小なり経験してきた事だと理解しています。
「皆そうだったよねー」
と言っていい側と、言っちゃいけない側がある気がしています。
わたくしは言っていい側に立ってたけど、実は人を辛い立場に追い込んでいたんですよね。それを無かったことにしていた、その自分に驚いています。
この事をアイカタさんとシェアしようか迷い中…。
その前にブログで皆さんに読んでいただきましたが、もしかしたら辛い気持ちになった方もいたかも…。
コメントありがとうございます。
嬉しかったです。
葉月