栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

スプリンターズS回顧~涼しい顔で駆け抜けた

2013-09-29 16:27:25 | 血統予想

中山11R スプリンターズS
◎10.ロードカナロア
○6.ドリームバレンチノ
△1.グランプリボス
△3.アドマイヤセプター
×9.サドンストーム
土曜の競馬を見ていると、中山芝は東京向きのナスキロ柔い体質の差し馬が外からよく差し届いていて、これは開幕週のオータムHの馬場に酷似していて、マーブルカテドラルやダノンジェラートがエクセラントカーヴやダノンシャークのように差してくる馬場だった。例年ほど高速ではなく例年よりも外差しがきく馬場だとすると、ハクサンとフォーエバーがやり合えば、東京1400mに向くような外差しが間に合うかもしれない…という頭でヒモを拾ってみたい。ロードカナロアは母がセクレタリアト=シリアンシー3×4、エイトサーティ≒ウォーレリック6×6・6で、自身はニジンスキー≒ストームバード6×4だから、母父ストームキャットの血脈構成を全てクロスしている。その配合どおりにストームキャットが強い短距離体型で、無駄のない脚捌きで抜群に俊敏でベストは1400mとみているが、1200mに対応できるパワーも1600mに対応できるしなやかさも兼備しているのは凄いとしか言いようがない。高松宮は◎ドリームバレンチノで突っ張ってみたがもうそんな気力すら湧かない、それぐらい素晴らしい名馬だと認めたい。

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ハクサンムーンはこんなに速いのかという見事なスタート、最初の100mで隊列を決めてしまったほどで、それでも32.9-34.3の前傾ラップでギリギリ踏ん張ったのですから立派な2着とほめるべきでしょう

マヤノリュウジンはPound Foolish≒Mudville3×4の「キングヘイロー黄金配合」で、1400mのお手馬としてひいきにしていて心斎橋も火内山も◎でしたが、それだけにセントウルをみるとやっぱり1200mは微妙に忙しいよなあ…という感想しかなかったです(^ ^;)
後から考えてみるとあれは太目残りやったんですね…でも買えないことに変わりはないですが…
ただ今年は馬場が少し緩くて上がりが12.0とかかったので、それはパワー型のこの馬にとっては好都合やったと思います

グランプリボスは若いころよりは短距離仕様になってきたというかバクシンオーに似てきたというか、もともと1400mベストになる配合ですからそこらへんに落ち着いてきたのかな~と思いながらみてましたが、この馬は欧州や香港の馬場ではヘロヘロになってしまうように極軽高速馬場がベストで、また直線に急坂がないほうがベターでもあります

アドマイヤセプターはパドックでの気配が素晴らしく、やっぱりこのエアグルーヴ牝系は晩成というか成長力に富むというか、今の充実ぶりならたとえばヴィクトリアマイルでも重い印が打てるんじゃないか…なんて思いながらみてました
欲を言えば四位らしく外をブン回して、Hornbeam≒パロクサイドのストライドを伸ばしながら追い込んでほしかったですが、内容には満足してます

結果はヒモ荒れになりましたが、世界のロードカナロアは別格として2着争いは7着ぐらいまで一団だったし、マジンプロスパードリームバレンチノもまあ力は出していると言っていいのではないかと

「今年はセコく乗りたい」と松山くんが言ってたように、ドリームはカナロアの直後のインで我慢する形でしたが、マイネルラヴがタイキシャトルを負かしたあのスプリンターズを持ち出せば、そしていっくんが包まれたとはいえカナロアを負かした函館SSを持ちだせば、やっぱりこの血統は捲りきってどこかで先に出てしまわないと、万が一の勝機もなかったんじゃないかと思います

私はロードカナロアはずっと1400mベスト説で、1200mだと4角で岩田が少し仕掛けるのはいつものこと、そこからは激しい2着争いを尻目に、G3でも勝つように涼しい顔で勝ってしまいました

ちょっと急用でこれから出かけないといけなくなったので、血統解説については「血統クリニック」再掲を読んでください…ということで

コメント (11)
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血統クリニック~スプリンターズS

2013-09-29 16:12:25 | 血統予想

「Netkeiba.com(PC版)」と携帯スマホの「競馬総合チャンネル」では、「血統クリニック」と題してメインレースの出走予定馬の血統解説をしています
スプリンターズSはこんな感じです

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◆母の名血名配合で走る名馬
ロードカナロアは母がSecretariat=Syrian Sea3×4、Eight Thirty≒War Relic6×6・6で、自身はNijinsky≒Storm Bird6×4だから母父Storm Catの血脈構成を全てクロスしている。Storm Catが強い短距離体型で無駄のない脚捌きで抜群に俊敏で、しかも体質はナスキロ柔く追って全身がしなって斬れるのが素晴らしい。ベストは1400mとみているが1200mにも1600mにもレベルが落ちずに対応してしまうのは凄いの一語で、高松宮はドリームバレンチノで突っ張ってみたがもう逆らう気力がない。それぐらい素晴らしい馬だと認めたい。

◆母譲りのスプリント資質
ロージズインメイはアウトサイダー血脈豊富なアウトブリードなので、産駒は主に母の資質で走っているケースが多い。ドリームバレンチノも母コスモヴァレンチ(小倉2歳S)や母父マイネルラヴの影響が強いスプリンター。カナロアには一目置かざるをえないが、差し決着ならば2着は譲れないところ。

グランプリボスはバクシンオーにサンデーとナスキロが入って、父よりも胴伸びのある体型で父よりも柔らかな体質になったので距離適性も長くなった。1200mは少し忙しいが、先々週までのような外差しも決まるバイアスなら圏内には。

ハクサンムーンは快速チリエージェの息子で、バクシンオーにミスプロにサンデーだからスプリンターとしては体質が柔らかくなりすぎる配合だが、母母メガミゲラン(これも芝1200mのオープン特別2勝の快速牝馬)がMill ReefとモガミとBuckpasserを通じるLa Troienne3本クロスで、このパワーが発現してきての本格化とみたい。とはいえA級スプリンターとしてはしなやかな加速で、前傾ラップとなったオーシャンや京洛で失速してしまったのをどうみるか。脚質は違うがダッシャーゴーゴーのような後傾ラップ向きのタイプなのかもしれない。

パドトロワは母がBold Ruler6×4・5の手先が軽いスプリンター。オープンでの勝ち鞍は全て平坦だが中山でも一昨年のスプリンターズ2着がある。急坂克服には高速馬場が希望。

マジンプロスパーはアドマイヤコジーン×バブルガムフェローだから純スプリンターというわけではなく1400mあたりがベスト。1200mだと時計や上がりがかかるのが好走の条件となる。芝1200mで1分7秒台の高速決着では12年スプリンターズ12着、12年セントウル11着と結果が出ていない。

アドマイヤセプターはベストは1400mだし、ルーラーシップと同じHornbeam≒パロクサイドのニアリークロスで直線長いコースがベター。前崩れを気楽に追い込んでどこまで。

サンカルロは相似配合の母のマイラー資質が強く、母系のIn RealityやYour Hostのパワーも受けて、ベストは急坂付きの1400mだと書いてきた。1200mだと前崩れの助けが欲しいし上がりがかかって欲しい。

サクラゴスペルは1200mにも実績があるがベストは1400mで、1200mだとオーシャンSぐらい時計がかかる決着が希望。

フォーエバーマークはファルブラヴ牝駒らしいパワー型スプリンターで夏場に調子を上げてきたが、ここ3走は労せずハナを切れたように展開や馬場に恵まれた面も。

サドンストームはラッキーナインの半弟でティーハーフの全兄。この母はGreen Desertの短距離向きのパワーとスピードを伝え、自身はHalo≒Sir Ivor4・5×4なので日本向きの軽さ柔らかさもあるが、時計や上がりがかかるに越したことはない。

マイネルエテルネルは父がGulchで母父がウォーニングのラインだからパワーと粘りのスプリンター。出番があるとすれば時計がかかる決着になったときか。
 スギノエンデバーはバクシンオーに米血パワーを詰め込んで、パワーで俊敏に加速できるがいい脚は長くは使えない。

コメント (1)
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Ahonoora牝馬で安泰

2013-09-29 13:48:40 | 配合論

「父 Iffraaj は初年度産駒が競走年齢に達した10年、ヨーロッパ繋養の新種牡馬として新記録となる38頭の勝ち馬を誕生させました。ダーレーがアイルランドに所有するキルダンガンスタッドに繋養され、仕上がりの早さとスピードがセールスポイントです。Wootton Bassett(仏G1ジャンリュックラガルデール賞)、Rizeena(愛G1モイグレアスタッドS)が代表産駒。ちなみに後者は今回の2着馬。要するに今回は Iffraaj 産駒のワンツーフィニッシュでした」(フィリーズマイルは Chriselliam~栗山求の血統BLOG)
http://kuriyama.miesque.com/?eid=926

「そら種牡馬として成功するわ」と後出ししたくなるぐらい血統も配合も満点のIffraajですが、サドラーやデインヒルやKingmamboで煮詰まりそうになったら、Park AppealやPark Expressを1/4異系に使えばいいんですから、そらダーレーも安泰ですわ
http://www.pedigreequery.com/iffraaj

ダーレーのAhonooraといえば、ボチボチ日本でも花を咲かせつつあります

昨日ニューマーケットの芝マイルG1サンチャリオットSに勝ち、英1000ギニー、コロネーションS、モイグレアスタッドSにつづいてG1を計4勝しているマイル女王Sky Lanternは、父Red ClubsがRoberto系で母父Shareef DancerがNorthern Dancer×Turn-toですが、母母NegligentがAhonoora×Roan Rocket×Pall Mallというアウトサイダー血脈で、ここが絵にかいたような1/4異系
http://www.pedigreequery.com/sky+lantern

そしてこの牝系を掘ってみると、アウトサイダーなNegligentにNorthern Dancer系の主流血脈を重ねることで、Sky LanternのようにNegligentを1/4異系に使うことで、下記のように活躍馬が続出していることがわかります

Negligent(Ahonoora)
├Shawanni(Shareef Dancer)
│├Shanty Star(ヘクタープロテクター)クイーンズヴァーズ英G3
│├Arctic(Shamardal)ラウンドタワーS愛G3
│├Shropshire(Shamardal)3着グリーナムS英G3
│└SKy Lantern(Red Clubs)G1計4勝
├Omission(Green Desert)
│└SO Belle(Singspiel)3着プロヴィデンシアS米G3
└ジェニーリンド(Singspiel)
 └フリートストリート(ストリートクライ)エルムS

ダーレージャパンファーム産のフリートストリートは、父ストリートセンスと母父SingspielのところでHalo5×4、Northern Dancer4×5、Riverman≒Mill Reef5×6とNearco系のクロスを重ねていますが、このようにクロスを重ねれば重ねるほど、Nearcoを一本も持たないNegligentのアウトサイダーぶりが、1/4異系ぶりが光り輝くわけです
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102638/

「2代母 Negligent はロックフェルS(英G3・芝6f)を勝ち、英1000ギニー(G1・芝8f)でも3着と健闘しました。今年の英1000ギニーとコロネーション(英G1・芝8f)を連勝した Sky Lantern の2代母でもあります」(エルムSはフリートストリート~栗山求の血統BLOG)
http://kuriyama.miesque.com/?eid=874

Northern DancerもNasrullahもHail to Reasonも使わないで重賞を勝つぐらいの能力を見せた時点で、Negligentの母や母母としての成功は約束されていた、といっても過言ではないでしょう

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日曜のボツ予想~オペラオー的スタミナvs母父マックのスタミナ

2013-09-29 09:56:28 | 血統予想

兵庫は◎バンデとエーティータラント、この◎○で買ってみたいです
バンデは父Authorized(英ダービー)がSadler's Wells系×Blushing Groom系なので、“ナスキロ柔くないテイエムオペラオー”というイメージで、いやナスキロ柔くない時点ですでにオペラオーではないのでは…とひとまず自分で突っ込んどきますが、ようするにこの馬はストライドはわりと大きいのでどちらかというと外回り向きで、未勝利を勝てなかったのも内回りの4角でモタモタしていたからで、セントライトの3~4角で追っつけ追っつけになってしまったのもそういう部分もあったと思うんですよね~
ここはB着で逃げ宣言してますが、仮に△タガノレイヨネにハナを叩かれたとしても、外2400mならば未勝利勝ちのような競馬でやれるんじゃないかと
エーティータラントは前走は▲で「内2000mではちょっと間に合わないんじゃないか」と書いたんですが、細身で胴も脚も長いストライドなのにジワジワ追い込んで2着は立派、マックイーンのステイヤー体質も感じさせるので、外2400mなら更に前進必至でしょう
トウシンモンステラはカフナの全弟ですがこちらのほうがFlower Bowl≒Aureole的スタミナを感じさせるし、半兄マナクーラのような外2400m専門機の予感

道頓堀は◎シゲルスダチ
必殺の「クロフネ×チヨダマサコ牝系」で、このニックスの主な根拠はBlue Moon=Blue Grottoの全姉妹クロスですが、スダチの場合は間にブライアンズタイムとサンデーが入ったのでEight Thirty≒War Relic的パワーとNothirdchance≒Blue Moon的パワーを更に増していて、それを自身のRoberto5×3が締めるという形ですから、「クロフネ×チヨダマサコ」のなかでも最もパワー型に出たのは順当
ただし道悪というか滑る馬場は苦手でだから前走は度外視できるし、冬場は前捌きがゴトゴトしてくる夏馬でソロソロ賞味期限、急坂小回りの短距離がベスト条件ですから、今年一発あるならここしかないかと

「No.1予想」ではスプリンターズSを、「馬券総合倶楽部」ではスプリンターズSとポートアイランドSを予想していますので、そちらもよろしくお願いしますm(_ _)m

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エアレーション馬場のスプリンターズにおける、Cure the Bluesの取り扱いが難しい

2013-09-29 09:31:14 | 血統予想

下記エントリ「エーシンフォワードの芝マイラーとしての弱点は、何を隠そうCure the Bluesである」で、「Cure the Bluesには妙な力馬っぽさがあるので、この血を引く馬は高速馬場ではG1級に抜け出せない」というようなことを書いたんですが、その後ナカヤマフェスタとエーシンフォワードが芝良のG1を勝ってしまったので(^ ^;)、Cure the Bluesには菓子折りでも持ってお詫びにうかがわないといけないのに不義理してました

とはいえ、ナカヤマフェスタもエーシンフォワードも高速馬場よりは時計や上がりのかかるパワー勝負で強いタイプなのはたしかだし、他にCure the Bluesを引く主な活躍馬にはサンレイジャスパー、ウエスタンビーナス、ウエスタンダンサー、ヤエノジョオー、ニシノムーンライト、オリンピアンナイト、メテオロロジスト、タイキパーシヴァル、サンレイレーザー、ニシノメイゲツ、レオニダス、タイキデューク、やっぱり全体としても高速決着よりは時計がかかったほうがベターなパワー型のイメージはあります

私の見立てでは土曜の中山芝は開幕週のオータムHのときと同じような馬場で、初日の最終レースではコウヨウアレスが32.9-34.9で番手押し切り、となると例年ほど高速ではないとはいえ、スプリンターズは1分7秒前半の決着は間違いないでしょう

サクラゴスペルは母父Cure the Bluesで稍重と重で2戦2勝の道悪巧者で、芝1200mは[2.1.0.2]ですが、持ちタイムのベストは春の高松宮4着時の1.08.4

マジンプロスパーは3代母の父がCure the Bluesで重のCBC勝ちがある道悪巧者で、芝1200mは[3.0.0.6]ですが、1分7秒台の決着では12年スプリンターズ12着、12年セントウル11着とともに凡走

今年のスプリンターズの見どころの一つとして、「Cure the Bluesは高速馬場を克服できるのか」「エアレーション馬場ならばCure the Bluesでも間に合うのか」、ここをあげておきたいですね~

エーシンフォワードの芝マイラーとしての弱点は、何を隠そうCure the Bluesである
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/2bbd0bef833ec5a786520f6b633a6365

コメント (8)
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