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絵本の楽屋   by 夏野いばら

「おまたせクッキー」                       ハッチンス:作 いぬい ゆみこ:訳 偕成社

シェアの本質

この前。小学生女子らが、うちに遊びに来たときのこと。
Mちゃんが、持参したポテチの袋を大きく開くと、
「シェア、する?」と、机の上に置いた。パーティー開け、というやつだ。

他の子たちが「うん!」と喜んで手を伸ばしたそのとき、
Mちゃんが言った。
「自分のおやつも、出してよ」

すると一人が、「私、何も持って来てない…」と、答えた。
ポテチ袋の上で、皆の手が止まり、微妙な空気が流れた。

そう...「シェアする」ことは、緊張をはらむ。
共に分け合う時、一人分は減る。
そして、見返りが伴うとは、限らない。

本来は、それを承知で分かち合うことを、「シェア」と言うのだと思う。

この絵本。原題は"The Doorbell Rang"   
ピンポンが鳴るたびに、クッキーをシェアをするか・しないか、
選択を迫られる子どもたち。
意外な展開が待ち受けています。

意外とは言え、この展開。
実はルカによる福音書6章38節にある、イエス様の言葉そのもの。

ここに引用したいところなんですが、ネタバレになってしまうので…(涙)
絵本を読まれたあとで、ぜひ、新約聖書も開いてみてくださいね!







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