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絵本の楽屋   by 夏野いばら

「もりの おかしやさん」                       舟崎靖子:作 舟崎克彦:絵 偕成社

「最高の絵本」とは?

私にとって、良い絵本とは?
「繰り返し読みに耐える絵本」です。

なぜか、また開きたくなる。
また、眺めていられる。
そんな絵本が、「良い絵本」だと思います。

だけど最近、さらに、こう思うに至りました。
私にとって、最高の絵本とは?
「開かなくても、思い返しただけで、心があたたかくなる絵本だ」と。

もう、心の中に、その絵や言葉が棲みついている。
棲みついた絵や言葉が、心に栄養を送り続けてくれる。
それが「最高の絵本」です。

子供の頃から、多くの絵本に出会うことを許され、
そんな「最高の絵本」を、何冊か、心の本棚に置かせてもらっています。
それは、一人の大人として、本当に幸せなことなのだ、と改めて思わされました。
この試練の夏…

新しい絵本に出会いに行く元気はなかったけれど。
心の本棚の前に立てば。
いつでも「もりの おかしやさん」と、その仲間たちが、笑いかけてくれるのです。「喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさい。(ローマ人への手紙12章15節)」という、聖書の言葉のとおりに。

1979年初版。
偕成社のロング・ロングセラーです。




















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