ふんばって、笑おう。
もはや、日本の赤ちゃん絵本の王様、「だるまさん」シリーズ。
今さら、こんな有名・人気作品をご紹介しなくても良さそうなものなんですが…
開催中の「かがくいひろしの世界展」が、あまりに素晴らしすぎて!!
この、没後初の回顧展をご紹介したくて!!
かがくいひろしの世界展
作者は50歳で絵本作家としてデビューするまで、特別支援学校の先生をしておられました。言葉を持たない、身体を自由に動かせない幼く弱い子どもが、どんなふうに物を見るか?何を喜ぶか? それを問い続け、実践していた人でした。
「子どもたちの喜びは、自分の喜びでした。それが絵本を作る原動力になっています。」
―展覧会公式図録156頁より
「絵本を読む子どもたちには、笑っていてほしいと思っています(笑えなくても、心の中で)。そして、その絵本を一緒に読んでいる大人の人も。笑いは、たとえその時一瞬であっても、生きるパワーを与えられるということを聞いたことがあります。(中略)
私は、こういうしんどいときにこそ悲しい絵本ではなく、踏ん張って笑える絵本を作っていきたいと思っています。」 ―同159頁より
作者は、実兄・加岳井武志さんの影響で、十代の初めからキリスト教に親しんでおられたという。遠藤周作の「沈黙」を愛読書とし、大学生になってからは、自分で聖書を読んでおられた、という(同39頁参照)。
…あぁ、やっぱり!宮沢賢治と同じだ…
作者は青年期にイエス様の言葉に出会い、イエス様の教えに耳を傾けておられた…
その、イエス様の教えとは、「弱くて小さい者を、大切にしなさい」。
―まことに、あなたがたに言います。
あなたがたが、これらわたしの兄弟たち、
それも最も小さい者の一人にしたことは、わたしにしたのです。
(マタイによる福音書25章40節)
かがくいさんの絵本は、「小さい者」を笑わせている。
つまり、イエス様を笑わせている。
私も、繰り返しページをめくって、また、笑わせて頂こうと思います。
小さい者たちと一緒に。
イエス様と一緒に。
回顧展。神戸会場は9月1日まで。そのあと、東京、宮崎、福島へと巡回。
お見逃しなく!