大らかな、「はだか」の世界
文章は、最初のページに、たった3行。
あとはとにかく、たくさん、たくさんの「はだか」の人たち!
この本の初版は、1977年。
半世紀たった今も、スーパー銭湯は大繁盛で、温泉旅行も手堅い人気です。
そこで繰り広げられている光景は、五十年前とそれほど変わらないでしょう。
でも…
スマホが普及してからというもの、盗撮や画像の不法使用、
拡散が問題となることが多すぎました。
もう、今となっては、風呂場を覗き見するような視点・表現そのものが、ご法度。
今後、こんな風にふつうの人たちの「はだか」を描く絵本は、もう、出てこないでしょう。
この絵本は、ボカシ(モザイク)なし。いろんな工夫のもとに、
見事にたくさん、ふつうの「はだか」が描かれています。大らかです。
その絵筆の力、あっぱれです。
「動画に勝つ絵本」と称して、『ホホジロザメ』の紹介にも書きましたが、
赤ちゃんの頃からYouTubeに子守りをしてもらってきた子どもたちを、
スマホから引き離し、
紙の本を読ませるのは、とても難しいです。
でも、この「ボカシなし」「文章もなし」の古典的絵本を広げてみたら、どうでしょうね?
たくさんの、大らかな「はだか」を見ながら、みんなでわいわい、いろんなストーリーを見つけられるのではないでしょうか。
今度、うちに小学生が遊びに来たら、試してみーようっと。