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絵本の楽屋   by 夏野いばら

「すずめくん どこで ごはん たべるの?」            マルシャークの詩より たしろ ちさと 福音館書店

安心感を伝えるコラボ

聖書の有名なことば、「空の鳥を見なさい~」。
その世界観をわかりやすく、楽しく体現している絵本です。

「空の鳥を見なさい。
 種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。
 それでも、あなたがたの天の父は養っていてくださいます。
 あなたがたは その鳥よりも、ずっと価値があるではありませんか。(26節)

 ですから、何を食べようか、何を飲もうか、何を着ようかと言って、
 心配しなくてよいのです。(31節)」  (新改訳2017・マタイの福音書6章より)

本当に!
すずめくんは、全然、何にも心配しなくていいんだねー!
意外に豊かなフルコースで、私のご飯より栄養バランスもばっちり!?
ちょっぴり、スリリングなところもありますが、それも楽しい。

こんな、安心感たっぷりのお話(詩)を書いたのは、サムイル・マルシャーク(1887-1964)。ロシアの児童文学者で、名作「森は生きている」の作者です。
ユダヤ系の出自に翻弄されながら創作を続け、英文学のロシア語翻訳にも大きな功績があります。
そして幼い娘の死を機に、児童文学に注力するようになった、とのこと(Wikipediaより)。

幼い者たちへ、小さい者たちへ、弱い者たちへ。
どうしても伝えたい「安心感」。
そのマルシャークの詩を、こんな素敵な絵本にしたのが、たしろちさと。
時代と文化を越えてのコラボ、すてきです!

この絵本を、幼い者たちへ読み聞かせる時。
その人も、このコラボに参加することになります。
「安心感を伝える」という大切な仕事の、仕上げを担えたら幸いですね!






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