ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

メールで寄せられたよくあるご質問の回答

2011-06-16 | 放射能関連情報
 メールで寄せられたご質問についてですが、現在なかなか時間がとれないので、よくあるご質問にはこのブログ上で回答いたします。ご了承ください。
 少しずつ更新内容を追加する予定です。


Q「放射性物質の性質なのですが、今雨で地面に落ちている放射性物質は乾いたりすると空気中に舞い上がってくるのでしょうか? それとも水に溶けて染み込んでいくというものでしょうか? 水に溶けたらそのまま液体なのか、乾燥すると塩のように粒としてあらわれるのか疑問に思います。というのも、道路や土に雨で落ちた放射性物質が、夏や乾燥した冬に再び舞い上がってくるのかと思うのです。暑い夏もマスクをする方がいいのかちょっと迷います。」

A 放射性物質は基本的には地表から少しずつ、雨水といっしょに地面の下へ下へと移動していくと考えてください。
 今は地表にくっついていますが、それを耕したりすると、土ぼこりといっしょに舞い上がり、空気中に戻ります。
 しかし、雨が降ったらまた地表に戻りますし、ほうっておいても放射性物質は比較的重いので少しずつ地表へ落ちていきます。

 ベラルーシの場合ですが、春先の耕作地帯は土を耕すので空気中の放射能が他の季節と比べて増加します。
 しかしすでに微増となっています。どうしてかというと、事故があってから25年経ったので、地表からどんどん地下のほうへ放射性物質が移動しているからです。
 今年の調査によると、平均して今は地表から約30センチの深さのところに放射能の層ができているそうです。
 こうして考えると、これからも1年に1センチずつの割合で、どんどん深く潜っていくことになると思います。

 心配なのは、場所と深さによりますが、この放射能層と地下水の層がぶつかったときです。そうすると、地中の地下水が放射能汚染されてしまいます。そこから井戸水をくみ上げている場合、その水は飲めなくなります。
 またその地下水をくみ上げてミネラルウオーターを作っている場合も飲めなくなります。(もっともベラルーシで販売されているミネラルウオーターは100-200メートルの深さの地下水をくみ上げているので、それが汚染されるようになるまで、70年以上かかると思います。)

 さらに今は根っこの短い草や野菜が汚染されているが、これからは根が深い樹木の汚染のほうが進むのではないか、と予測が出されています。
 ベラルーシの草や野菜はこれから汚染度が減りますが、根が深い果樹などの実の汚染はこれから進んでいく可能性があります。

 日本は今梅雨なので、雨といっしょに放射性物質はどんどん地表に落下、土にしみこんでいるか、低いところへ流されていっていくと思います。つまり空気中の放射能は梅雨のおかげでどんどん減っていくと思います。(もっとも、また原発で爆発などがあったら、また空気中に放射能が撒き散らされます。こういうことはもう起こってほしくないですが。)
 私は梅雨明けにはもうマスクはしなくても大丈夫だと思います。それより食べ物に注意する段階になるでしょう。
 
 冬場に地面から落ちていた放射能が舞い上がることも心配されないほうがいいと思います。日本は湿度が高くて、雨が多いです。これはある意味、乾燥した大陸気候のベラルーシよりいい条件です。
 ただし水が最終的に流れ込む海の汚染が心配です。また、冬場よりも台風を個人的には心配しております。まだ地表近くにある放射性物質が土や砂といっしょに舞い上がらないか心配です。


Q「摂取したほうがよいペクチンとはアップルペクチンだけ? ジャム用のペクチンやグレープフルーツペクチンではどうなのか?」

A リンゴ由来のペクチンでなくてもペクチンはペクチンです。
 ジャム用のペクチンでもグレープフルーツペクチンでも、ペクチンはペクチンです。
「アップルペクチンじゃないものを買ってしまった。」
と思わないでください。気にせず使ってください。
 ベラルーシでチェルノブイリの子どもたちに使われているペクチン剤「ビタペクト」はリンゴのペクチンを使っています。
 しかしこれはアップルペクチンでないといけないからリンゴにした、というわけではありません。
 ビタペクトを開発したベルラド研究所によると、かんきつ類のほうがリンゴよりペクチンをたくさん含んでいるそうです。
 しかし寒冷地であるベラルーシでは、かんきつ類は全く育ちません。全て輸入なんです。
 つまりかんきつ類からペクチンを取り出し、ビタペクトを作ると原料代が高くついてしまいます。するとビタペクトそのものの価格が高くなります。要するにお金持ちの人は買いやすく、そうでない人は買いにくくなってしまいます。
 そこでベラルーシではとてもたくさん生えているリンゴを使うことにより、コストを下げることにしたのです。
 ベラルーシで使われているビタペクトにアップルペクチンが使われているから、絶対にアップルペクチンでないといけないわけではありません。
 ペクチンはペクチンですから、同じ作用があります。


Q「お金を渡すのでビタペクトを代わりに購入して日本の自宅へ郵送してほしい。」

A「私はビタペクトを販売しているベルラド研究所で、働いている人間ではありません。ベラルーシ国内に住むチェルノブイリの子どもたちにビタペクトを配るボランティア活動をしている者です。申し訳ありませんが、このようなご要望には全てお断りするメールを返信しています。」

 
Q「ベラルーシの現状をこの目で見たい。ベラルーシへ行きたい。」

A ベラルーシへの視察旅行、ということでしょうか。入国にはビザなどもいりますので、旅行代理店にご相談ください。
 私では責任が持てません。
 (ベラルーシへの旅行の手配は、旧ソ連圏への旅行を専門にしている旅行会社のほうが失敗が少ないです。)

 特にベラルーシの現状が見たいのではなく、チェルノブイリ原発事故について被害にあった地域のことを知りたいというのであれば、ウクライナ側を視察することも意味があります。
 ウクライナへの入国には日本人はビザは不要です。
 どちらにせよ、旅行代理店に相談されることをお勧めします。 

 

チロ基金の活動 「マリーシャさん支援プロジェクト(熱傷痕への美容整形手術支援)」その13

2011-06-07 | チロ基金
 今回首の部分に行われた手術の痕です。(マリーシャさんご本人の承諾を得て、この画像を公開しています。)
 私は医学に関しては素人なのではっきり分からないのですが、こういうふうにすると、あごの形が自然になるんだな、と思いました。
 顔をこういうふうに上に向けるのが前は難しかったそうです。
 
 マリーシャさんは一連の手術のために昨年は受験を断念し浪人中ですが、もうすぐベラルーシは受験シーズンとなります。
 ミンスクにある通信技術関係の専門学校に入学を希望しています。そのために参考書を持ち込んで、入院中受験勉強をしていたそうです。えらいねえ。

 これで、チロ基金の「マリーシャさん支援プロジェクト」の第1段階は終了です。
 また寄付金が集まったら、第2段階を実施したいです。本当にこの9月からミンスクの学生になったら、休みなどを利用して支援活動が続けられると思います。

 この活動のため、寄付をしてくださった群馬県のお住まいのWさん、ありがとうございました。また2回開催されている日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーでベラルーシ民芸品の売上金をこの活動に使わさせていただきました。
 関係者の皆様、本当にありがとうございました。
 この活動ができてよかったとしみじみ思いました。

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 その後のマリーシャさんについてはこちらの記事をご覧ください。 

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c53539bbb0a34d5509b981b3ac377846

 

チロ基金の活動 「マリーシャさん支援プロジェクト(熱傷痕への美容整形手術支援)」その12

2011-06-07 | チロ基金
 今回も顔の右側のピーリング、そしてあごの部分の整形手術を行いました。
 (画像はマリーシャさんご本人の承諾を得て公開しています。)

 火傷をしたとき、皮膚がただれてしまって、あごと首をつなげる皮膚の形が変形していました。
(活動報告その2の画像と比べてみてください。)
 今回は顎の下(首の上の部分)の皮膚を整形手術しました。
 今まで顔を上に向けることができなかったのですが、これでできるようになりました。
 
 確かにあごの線が自然な感じになりましたよね。
 ひっぱられてた感じだった唇もほぼ対象になりました。
 顔の部分も肌が白くなって、きれいになってきています。

チロ基金の活動 「マリーシャさん支援プロジェクト(熱傷痕への美容整形手術支援)」その11

2011-06-07 | チロ基金
2010年に始まったチロ基金の活動「マリーシャさん支援プロジェクト(熱傷痕への美容整形手術支援)」の続報です。
 活動報告その1からその8については過去ログをご覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c00bdef6f2ec94d665610f2111e5369e


 活動報告その9とその10についてはこちらです。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/97c01eb8391d3a83bf1b20404a111bc7


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/be27d7dbc54b6e25226d3a28e10b137e


 前回の手術が今年の3月で、予定では4月の下旬か5月の上旬に今回の手術をする予定でした。 
 しかし、4月11日にミンスクの地下鉄構内で爆発事件が起こり、200人以上が死傷しました。多くのやけどを負った人が救急病院に搬送され、マリーシャさんのように、急がなくてもいい患者は後回しになりました。
 しかし、ようやく5月下旬に再手術のため入院、6月7日に退院しました。(^^)

 髪の毛がすっかり伸びて「ああ、良かったな。笑顔が素敵だな。」とこの画像を撮影をしながら思いました。
(画像はマリーシャさんご本人の承諾を得て公開しています。) 

今はカリウムとカルシウムを!

2011-06-06 | 放射能関連情報
 HPやこのブログでご報告しているように、チロ基金は2002年からベラルーシの子どもたちにペクチン剤であるビタペクトを配り続けています。
 それを読んでくださった方々から今、サプリメントのペクチン剤を買った、というメールが私の元へたくさん来ているのですが、ちょっと注意が必要です。
 それはペクチンには放射能以外の体にいいビタミンやミネラルもいっしょに排出してしまう作用があることです。

 ですからペクチン剤だけ単独で飲むのは、よくありません。幸い日本ではマルチビタミンやマルチミネラルのサプリが簡単に買えますから、ペクチン剤を飲んでいる間はこの二つのサプリも併用して、ペクチンによって減ってしまうビタミンやミネラルを補給してください。(ビタペクトにはビタミン類が最初から配合されています。)

 ちなみに持病などがあり、特に経口投薬治療を受けている人は、ペクチンと併用すると、種類によっては薬のほうの薬効がなくなったり、薄まることがあるので、念のため併用しないほうがいいです。あるいはお医者様にご相談してください。

 またペクチンは過度に摂取すると、下痢を起こすことがあるので、気をつけてください。 

 ベラルーシではチェルノブイリ原発事故が起きてから15年ちかく経っったころ、ビタペクトが認可を受けました。
 今回の日本のケースでは、放射能による被害は始まったばかりです。
 時間的に見て、チェルノブイリの子どもより、今の日本の子どものほうが早い段階から対処できるのです。これは運がいいことなんです。

 体内の放射能を排出させるものは何か? と探すのは大切ですが、その前に体内に蓄積(内部被爆)しない予防措置をとることが順番から言って先です。
 そのために今、体内に放射能が入ってこないように「カリウムとカルシウム」を多めに摂ってください。お願いします。

 これもペクチン剤を併用すると、ペクチンが放射能と間違えて、せっかく摂取したカリウムとカルシウムを体外に排出させてしまいます。 これだと何のためにペクチンを飲んだり、カリウムやカルシウムを摂ったのか、対策が無意味になってしまいます。
 
 今の段階ではペクチンより、カリウムとカルシウムをたくさん摂るほうがいいです。
 いつまでとるのかという目安としては、福島の原発が収束していないうちは、カリウムとカルシウムを優先して多めにとることをお勧めしたいです。
 (ただし、福島第1原発のすぐそばに住んでいて、もうすでに被爆したと、いう確信のある方、体内被曝量を測定して、すでによくない結果が出てしまったと言う方は、放射能の体内排出策を今すぐ始めてもいいと思います。)

 収束後もしばらくはカリウムとカルシウムを意識して食べるようにしてください。
 ベラルーシではチェルノブイリから25年経過した今でも、特にカリウム不足にならないようにと、言われています。