* 今朝は霜が降りて野原一面真っ白でした。川面からは霧が立ち上り、朝日に輝いていました。いよいよ冬ですね。
小さな野ネズミたちも寒いのか、家の中に入りたがって困ります。この前は台所に出現して私の命が少し縮まってしまった。築70、80年の古い家だから穴や隙間があるんですね。
こちらではこれからの季節は、クリスマスのミンスパイというひと口タイプの、スパイスのはいったレーズンやらが いっぱいのったお菓子を、オーブンで焼いて作って食べます。
第五話 ラジオなくらし
私たちの家にはテレビがありません。シュタイナー教育では子供たちの感受性と想像力を育むため、テレビを見せないほうがよいとされています。
ということで、かれこれ10年、テレビ無しの生活です。(実はテレビライセンス、というテレビ受信料が払えない)
まるで戦前の暮らし並みに、ラジオのニュースを聞いて世の中について行こうとしているのですが、これもなかなか難しい。
ラジオのクラッシック音楽を聴きながら質素な夕食をいただいたあとは、延々と、終わることを知らない、なずなの学校や友人の話と冗談。
時には二人で歌ったりと、修道院のように静かな生活、という感じでしょうか。
幸せって、一日に一回でも、誰かと一緒に笑えれば、それでいいのではと思ったりします。全然笑えなかった時期を経験したのでそう思うのでしょう。
この前などは、私の和英辞典をめくりながら、日本語がどれだけ分かるかクイズをして、「わたしは屈折した少女時代を送りました」となずなが用例(本音?)を作って何度も繰り返し練習するので、大笑いしていました。私たちってテレビが無いから、ひまじん?!
(間 美栄子 2007年11月15日)
*ある友達の励ましにより、この思いつくままえぴそーど、わたしからのメール通信ということになりました。一対一の対話でなくて申し訳ありませんがよかったら読んでください。よろしく。
第一話 Raphael House
私の勤めているRaphael House( 知的障害を持つ人たちの共同住宅)にはJamaica人の男性の自閉症の人がいます。BristolにはSt. Paulという黒人の人たちの住むドラッグと犯罪で有名な地区があり、その人の出身地なので、そこにある教会に彼を連れて行くのが私の役割のひとつです。男性はスーツでばっちり決め、女性は一番おしゃれな服とかざりのついた帽子でやってきて、singing service をやっている、とても明るい教会です。若い女のひとたちや(編みこみ、付け毛など)、小さな女の子たちの、髪型の多様性は見ていて面白いです。
私たちが通ってもう何年にもなるけれど、3回くらい,サーモンを聴いて、涙がとめどなく流れたことがありました。
声に出して祈ることを教えてくれたのは、やはりRaphael Houseの住人の、私とひとつ違いの女性で、お日様を浴びながらガーデンで、キッチンで、その人の部屋で、といつでも、どこでも、Dear Load… とお祈りを始めることができる私たちふたりです。その姿を見て、なずなが声に出して祈ることをはじめたいと言い出したのは3年前くらいだったかな。
(間 美栄子 2007年9月27日)
10年前に手に入れてずっと一緒に旅をしているFindhornの虹のtapestry。
ある時は祭壇のようにしつらえ、またあるときはたんすの扉にかけたりしてきたのだけれど、今はおんぼろピアノの鍵盤の上に居場所を見つけています。
この古いピアノは最初我が家に入りたがらずに玄関のポーチの壁をめちゃくちゃにしてくれた挙句、ちょうど花盛りの前庭に何日もいすわってストライキをしてぐれていたのです。前の持ち主はもうぜんぜん弾いていなくてタバコのにおいが染み付いていました。
たぶん虹のtapestryがピアノの心を慰めているとおもうけれど、慣れというのは恐ろしいものでひどい音もあまり気にならなくなりました。今度ピアノをケッポッテなおすという噂の、変り者の調律師を呼ぼうとおもっているところです。
( 間美栄子 2007年 9月 http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef)