*今日から2月ですね。庭ではシジュウカラが群れなして元気よく飛び回っています。
お日様が出ていたので、春を探しに散歩に行きました。ハシバミ(ヘーゼル)の黄色の花が垂れ下がって咲いていましたよ。通勤の汽車の窓から眺めている森を実際歩いてみると親近感が沸いてきます。こうやって少しずつ、新しい土地になじんでいくのですが、イギリスの地図はちいさなフットパスもちゃんと描いてあるのでとても便利。
第八十一話 黄色い髪-子離れの季節
昔私が大学生のころ、俳優穂積隆信の実話「積み木くずし」がベストセラーになって、テレビのドラマにもなっていました。私の娘、ギャップイヤーのなずなも、今、黄色い髪なのです。母親の髪をつかんで引きずるような家庭内暴力があるわけではなく、ただ髪をきつく脱色しただけですが。ドラマがすさまじかったので、その記憶のせいか、なずなの黄色い髪もこわい。
なずなは私が以前勤めていた、ラファエルハウスでパートタイムで働いています。知的障害を持つ住人の一人の女性ががんになり、現在は末期の状態で具合が悪く、ケアーする側も弱冠19歳としてはかなりきびしいようです。泊まりの仕事のときにも、ベルで起こされたり。
仕事の後はストレス解消のため、友達とクラビングに出かけ朝まで踊る、という日々で、睡眠不足も重なって、風邪を引いたり、肺炎になり、セキのしすぎで肋骨がいたんだりと、不健康でも、遠く放れたケントで暮らすわたしとしては、どうにも仕様がないところ。
10数年母と子二人で生きてきたため、わたしたちはいろいろなことを共に語り合ってきました。わたしにとってはとても近い存在で、なずなのことをまるで自分自身のように感じるきらいがあり、なずなはそれをいつも嫌がって「私の人生だ。自分で決める!」と叫んでいました。近頃は私も自分の人生=仕事で忙しくなり、子離れもできたところに加え、黄色い髪とくれば、わたしはもう、ぜんぜん、私の分身とは思っていません。鼻のピアスだって、牛みたいなわっかになっちゃって、耳にも3つ4つ穴が開いているし、もう何も言うことはありません。
ともあれ、シュタイナースクール時代の友人と人生を語り合ったり、ナショナルポートレートギャラリーのコンペティションに応募する自画像を描いていたり、友達とイタリア各地を6週間かけてゆっくりと回る計画をしていたりで、大学に入学する前のギャップイヤーをいろいろな経験をしながら満喫しているようです。
なににもとらわれることなく、誰の眼を気にすることもなく、のびのびと自己表現ができる今が最高。親知らずが生えてくる年頃、自分を見つめ、自信を築き上げていく過程を、わたしはただ見守るだけですね。
( 間美栄子 2011年 1月15日 http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef)
(My daughter’s birthday – before she turned into Yellow hair)