アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

The Calendar of the Soul (April 28-May 4)

2010-04-27 05:16:26 | Soul Calendar
The Calendar of the Soul
by Rudolf Steiner
4. Fourth week (April 28-May 4)

私は自分と同類の自然を感じる
これは知覚的な感覚を語りかけてくる

太陽が世界を照らしているがため
それは光の洪水とともにあらわれる

思考の明確さに向けて
私の感覚は暖かさを与えるだろう

そして人間と霊的世界とを
しっかりとひとつに結びつけるだろう

The Calendar of the Soul (April 21-27)

2010-04-21 05:56:07 | Soul Calendar
The Calendar of the Soul
by Rudolf Steiner
3. Third week (April 21-27)

世界のすべてに向けて語りかけてくるものがある

「ちいさな自分を忘れること、そしてマインドフルであることで
人間の自我が成長するのだ」

「自分自身の足かせから自身を自由にできるならば
わたしはわたしのほんとうの存在を見出すであろう」

第六十三話 イギリスの田舎「コッツウォルド」のストラウド

2010-04-20 06:25:33 | イギリスでの暮らし

*春ですね。病院の周りのフットパスを行くと、フィールドでこひつじたちがちちを飲んでいたり、はねまわっていたり、昼寝をしていたりと、かわいらしい姿を眺めることができます。
アートセラピールームでは患者さんたちと「春の木」をやさしい茶色の幹に、薄緑の芽、そしておひさまの黄色で描いています。

第六十三話 イギリスの田舎「コッツウォルド」のストラウド

私の第二の故郷とも言えるストラウドでは、当時毎朝運河ぞいの道を歩いて
通っていましたが、春には白鳥がそこで雛を産み育てていました。
うわさでは誰かが白鳥に腕をへし折られたということで、「シャーシャー」という親鳥の警戒して人を脅す声もひどく恐ろしく感じられたものです。
この運河はかつてはテムズ川につながっていて、羊毛の運搬に使ったのですが、今は植物が生い茂り、舟の行き来はできません。

ストラウドのおへそともいえるMills Café は、コートヤードにテーブルといすが出してある、たっぷりのサラダとキッシュが人気のカフェで、その店主は日焼けした顔にいつも笑顔のマギー。

マギーはLETS (Local Exchange Trading Systems)を通して太極拳を教えた生徒さんなのですが、交換にマギーが夜カフェでやっている「トーンニング」に私も参加していました。「トーンニング」は、「オンチ」という人たちも出したい声を出して、それぞれの声が一緒にハーモニーを作っていくのですが、普通の歌を歌うのとは違って、原始的な、体とつながった感じで面白いボイスワークでした。

マギーのほかにもストラウドのLETS で知り合いになった人はユニークなひとたちが多く、緑の党のクレアーとポールの夫妻には今も刺激を受けています。かれらはコミュニティファームで農作業をしたり、ホームレスの若者を自宅に泊めてあげたりとコミュニティ活性化のためにさまざまなことを精力的にやっているのです。

女性同士のカップルの人たちもいましたが(イギリスではゲイ、レズビアン同士の結婚が認められています)彼女たちは、現在フォスターケアーにある子供たちをふたりで育てています。

イギリスは一歩都会を出るとほとんどが田舎なのですが、ストラウドのようなオルターナティブ田舎は、自然あり、面白い人たちあり、と私にとっては理想郷のようなところといえます。少し早いですが、定年退職後はやっぱりストラウドに戻ろうか、などと考えたりして。

(間美栄子 2010年 4月15日 http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef)


魂のこよみ (Easter)

2010-04-05 01:01:17 | Soul Calendar
The Calendar of the Soul
by Rudolf Steiner
1. Easter (April 7-13)

世界の広い空間から
太陽は人間の心に語りかけてくる
魂の深みから よろこびが
やってくる 見えてくる 光とともに

そのとき自身の薄い膜から わきあがってくるのは
宇宙の離れたところへと舞い上がる思考
それは霊的存在と人間とを結び付けている

第六十二話 さなぎとちょう

2010-04-01 00:18:29 | 人生観

              (桜人間)

*日本では4月は移動、進学、新学年と変わり目のときですね。昔、メランコリータイプのわたしは変化に追いつけず、春はうつになっていて、「春がすみ病」と呼んでいました。みなさんはどうでしょうか?
こちらは、イースター。秋、冬となにもなかった人のうちの庭や道端、広場の木の根元にたくさんのクロッカス、スイセンが、突然現れるのは、まさに「レザレクション(復活)」と驚いています。
この春一番のわがやの庭に咲いた花は、紫の小さなスミレです。レンギョウの黄色とコントラストでかわいらしいものです。

第六十二話 さなぎとちょう

今年のイースターは4月4日です。先週、今週とアートセラピールームでは、芋虫からさなぎになり、蝶が飛び立つというメタモルフォーゼを絵に描いています。

私が小学生のころ、学校から蚕を渡されて、自宅で蚕の観察をしたことがありました。家の裏にあった桑の木から新鮮な葉っぱを何枚か摘み取っては、毎日あたえていました。しろい柔らかな体の蚕はむしゃむしゃと葉を食べてはどんどん大きくなっていきます。やがて蚕は糸を吐いて繭を作り箱のすみに動かなくなりました。
わたしの記憶はここで途絶えています。繭は箱の中に残されたまま忘れ去られ、乾燥してしまったのかもしれません。

それから何十年もたち、イースターのイメージとしてさなぎとちょうを描くことを思いついたのは、キューボラロスのユダヤ人強制キャンプ訪問の体験談がきっかけでした。

19歳のキューボラロスは、終戦直後のヨーロッパを旅します。そしてたどりついたポーランドのマイダネクの子供たちの収容棟の壁に見たものは、つめや石で刻まれたたくさんの蝶の絵でした。
子供たちは死の後にスピリットは自由に飛び立てることを予知していたのでしょうか。

さなぎの殻の中では、丸々太った芋虫の体は溶け、ある時期は液体であるといいます。死んだように硬くなっている外見の内側では、静かに変化が起きている。そんな「小さな死」とも呼べる変容の時期が、人生の中でもあるように思います。

私自身も10年以上もの変容の時期はなんとか終わり、やっと蝶として飛べるようになったのかなと、このイースターサンデーにはしみじみ祝うことにしています。

(間美栄子 2010年 4月1日 http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef)